

これが欲しかったー。
とうとう見れました。「受取人不明」私にとっては現在においてのキム・ギドク監督作品の最後の一本になります。結局DVDが手に入らず、韓国製ビデオ(字幕なし・英語の時だけ韓国語字幕あり)なので感想は映像のみにおいて。セリフの感想は言えません。しかしいつもの事ながらギドク監督のは映像での説明が丹念にされるので少なくともストーリーに関しては殆ど解ったと思います。
これ以外の映画と違ってリアルな作品と聞いていたけど、確かにリアルではあるんだけどチャーンとギドク監督らしいファンタジックな要素は漂っていたと感じました。それといつもある思わず笑ってしまうおかしな感じも。
「風のファイター」ですごくよかったヤン・ドングンが黒人との混血児という役、またチョ・ジェヒョンがヤン・ドングン演じるチャングクの母親に思いを寄せる犬商人という役を演じてます。
チャングクの母(パン・ウンジン)は外国人相手の娼婦をしていたらしく、黒人兵との間にできたチャングク(ヤン・ドングン)と二人、村のはずれに置かれてる真っ赤なバスの中で暮らしている。チャングクの父である黒人兵はとうに二人を置いてアメリカに帰ってしまったのだが、母はもう20年近く手紙を送っているらしい。が、その手紙は受取人不明として空しく戻ってくるだけだ。母は村の人たちとの交際も上手くできず、何かと衝突を繰り返している。
そんなふたりを気にかけてくれてるのが、犬商人のチョ・ジェヒョンだ。働くあてもないらしいチャングクに犬殺しの手伝いをさせている。チャングクはこれがたまらなく嫌なのだ。
孤独なチャングクだが内気なジフムとは仲がいい。そのジフムは幼い時、片目を失明している高校生ウノクにひたすら心をよせているのだが。
米軍が駐屯している農村を舞台にして3人の若者はどうしようもない苦しみを持っていて、それらから逃れることは難しい。若者だけでなく、犬商人もチャングクの母もジフムの父もジフムをいつも脅している二人組みも行き場のない人生を送っている。
またしても受取人不明ってやっぱ意味ありげ。苦しみを訴えている手紙がそのまま戻ってくる。誰も受け取ってくれる人はいない。
posted by フェイユイ at 22:25|
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キム・ギドク
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