2005年07月02日

「極道黒社会」レイニードッグ・三池崇史

レイニードッグ.jpg

「日本黒社会」に唸らされて、「極道黒社会」です。

ねたばれ。

梅雨時に観るにこんなふさわしい映画もないでしょう。画面からは絶えず雨の音・匂いが感じられ、舞台が台湾ということもあって(行った事はないが)じめじめとして服や髪が濡れている気持ちの悪さがリアルに伝わってくる。

台湾の裏社会で日本人の殺し屋ユージ(哀川翔)は、ある日かつて関係のあった台湾女性から突然に「あんたの息子だ」と言って男の子を押し付けられる。話すことのできない、他に行くあてもない少年に、だがユージはことたてて優しくするわけではない。が、雨の中で震える少年チェンをついにユージは部屋の中に迎え入れる。

殺し屋稼業に急ぐユージの後を遅れまいとチェンは必死で追いかける。「雨の日は外に出てはいけない。ろくなことがない」とお婆ちゃんに教えられたユージは雨の日は仕事をせず、商売女の所へしけ込んでいる。その間もチェンは野良犬と遊びながら何とか軒下で雨をしのいでいる。食事はごみの中から食べられるものを選り分けて口に運ぶのだ。

ある男を殺したユージはその弟に追い詰められていく。一人で生きてきたユージは「雨の降らない町へ行きたい」と言う売春婦のリイリイと少年チェンを連れて逃げていく。たどり着いた砂浜はなぜかごみだらけですごく汚い。が、向こうに見える海は青く美しい。砂浜の中に埋もれたスクーターを見つけた3人はそれを掘り起こす。「動きゃしないさ」とユージは言うが、3人はそのスクーターに乗って走っていく。(また逃げるシーンでバイクであり、バイクというものが自由への逃避行に繋がっているという想いをいだいている私には最高のシーンである)小さなスクーターにまたがって走る3人は笑ってとても楽しそうでありまるで幸せな家族のようにさえ見える。

だがやはり幸せな時間は極短い間だけである。リイリイの知り合いを訪ねていくが、すぐに3人は逃げ出すこととなる。「雨の日に外に出てはいけない」とお婆ちゃんに言われているユージは仕方なく雨の中を逃げねばならない。

「駅まで別れていこう」だが、リイリイとチェンがすぐに見つかってしまった。

リイリイは殺されてしまった。チェンは人質としてユージの前へ連れて行かれる。だがその時話せない筈のチェンが声にならぬような叫び声をあげたのだった。

ユージはチェンを抱きしめる。チェンは声にならない声で「パパ」と呼ぶ。思わず涙がこぼれてしまう。何と悲しい愛おしいラストだろう。

ユージを追いかけている奇妙な男の役を田口トモロヲが演じていて、重要な鍵を握っている。

監督 三池崇史 出演 哀川翔 田口トモロヲ 陳仙梅 高明駿
posted by フェイユイ at 00:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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