2005年10月10日

[薛/子]子(ニエズ)第五集・母

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ドラマの中では中国語普通語が話されているのですが、時々台湾語が用いられます。知ってはいたのですが、最初は突然聞き取れない言葉が入るので「?」となっておりました。主に家族と話す時、それから年配の方が話す時に台語になります。字幕はそのまま中文なので私的には支障はないのですが。それから、台湾独特の言葉「欧巴桑・おばさん」なんて言うのかなと思ってたらちゃんとアチンが「おばさん」と発音していました。そんなことも興味深いことでしたね。

万年青電影会社の理事長・盛公は公園でも高齢で人望厚い老人の一人だ。アチンたちのような若者に優しかった。彼は以前は花形役者だったのだ。このパーティは彼の会社が制作した文芸恋愛映画のお祝いだった。若者たちがダンスに興じる中に盛公は座って楊教頭相手に話をした。盛公は若者たちの若さを羨んでいた。楊教頭はそんな盛公を励ました。
そこへシャオユイが盛公に飛びついてきた「盛公の映画とてもよかった、ぼく感動して3回も泣いたよ」盛公「おや、君たち若い子はカンフー映画が好きなのかと思っていたよ」楊教頭「お前はあの主役の役者が好きなのだろ」シャオユイ「それはそうだけど。でも問題は演技でしょう」そしてシャオユイはいい場面を盛公の前で演じてみせた。鼻で笑う楊教頭。だが、盛公はシャオユイに段取りをつけてカメラテストをしてあげようと約束するのだった。シャオユイは喜んだ。

盛公はたくさんの踊る若者の一人に目を止めた。それはアチンだった。楊教頭は徒弟ですよ、と言ってアチンを呼んだ。盛公はアチンの目を褒めた。そしてアチンとシャオユイを2階の自分の部屋へ呼んで飲み物を上げようと誘った。楊教頭は盛公はいい人だとアチンに耳打ちをして見送った。

楊教頭は並べられたお菓子を両手一杯につかんでいるラオシュウを見つけて叱った。一旦手放したラオシュウだが、教頭が向こうへ行くとまたもやお菓子を取ってしまうのだった。

部屋で年老いた盛公は若い二人に自分がかつてはいかに美しく女性にもてたかを話して聞かせた。「信じないだろうが」シャオユイはすかさず「あなたは今も若々しいですよ」と言って盛公を喜ばせた。しかしアチンは心の中で部屋に飾られた写真の眉目秀麗でスマートな男性が目の前のしぼんだ口で曲がった背中・頭がはげて醜い老人になるとは、と考えていた。

アチンは先日知った「小東宝歌舞団」の団長と会って話を聞いた。団長の話では、母親は「子供に会いたくても会わせる顔がないと話していたということだった。そして住所の書かれた封書を渡してくれた。彼女はトランペット奏者の武雄を好きになってしまったのだ、とも話した。が、彼女を歌舞団に引き入れた武雄は別の女といい仲になってリーシアを捨てたのだった。歌舞団も映画やテレビの影響で振るわなくなり解散したのだ。彼女は(売春をして)病気になり、金もなくなって団長に無心をした。団長は何とか金を集めて送ってあげた。それきりだと言う。そして彼女が悪い母親だとしても見舞ってやってくれ、彼女は君たちの写真を見ては泣いていたよ。と話した。

 アチンは封書を見て、その住所を訪ねた。暗く汚いじとじととした建物だった。痰を吐いている女にアチンは話しかけた。「おばさん、ここにホアン・リーシア(黄麗霞)と言う女性は住んでいませんか」おばさんはカーテンのかかった部屋に向かって「リーシア!誰か来てるよ」と叫んだ。アチンは中に入って「母さん、僕だよ、アチンだよ」「誰?本当にアチンなの?起こして。おしっこがしたいの。誰も来てくれやしないんだから。おぶって。歩けないの。早く。もれてしまうわ。ここでいいわ」そして部屋を出てすぐの土間の溝にしゃがみこんで用をたした。そばで見ていたおばさんが怒って「大小便を垂れ流して!早く死ね」母親リーシアも言い返して口争いになった。アチンが慌てて母親を部屋に入れようとするとリーシアは脚が痛いのと言う。「全身の骨がばらばらになりそう。あの人たちは私が早く死んで私の金の指輪を盗ろうとしてるの。でも無理、その前に飲み込んでしまうわ。2ヶ月家賃を払っていないだけなのに。何も食べさせようともしない。アチン。お金を持ってる?」アチンは金を渡した。リーシアは喜んで枕の下にねじ込んだ。アチンが何か買ってこようか、と聞いてもいらない、と言う。医者に見せなきゃ、と言うと、リーシアは「医者は私の脚は切り落とさねばならないと言うの。でも早く死んだほうがいいのよ。パパはどうなの」「帰ってないんだ」「ディーワーはどうしているの。今度ディーワーをつれてきてくれても解らないわね」「母さん」「私がいなくてもあなたはディーワーの面倒をよく見てくれたのね。可愛い弟だもの。よく面倒を見てやってね」「母さん、ディーワーは死んだ。台風の時、肺炎になって死んだんだ」「あなたがディーワーを殺したのね!私のディーワーを。殺した!きっと!あなたには良心がないの」「母さん」「殺した、ディーワーを。返して、私のディーワーを。死んでしまえ。死んでしまえ」リーシアは叫びながらアチンにものを投げた。アチンはどうしようもなく飛び出した。おばさんが母の悪態をついていた。

アチンはレストランの仕事に遅れた。シャオユイが心配したが、あの意地悪なリーダーがアチンに怒鳴りつけた「おかまが」立ち去るリーダーに向かっていこうとするアチンをシャオユイが止めた「怒らないで。かまわないがいいよ」

狭い路地を通って巡査がアチンの父の家を訪ねた「世帯と住民の数の調査です」「私一人だ」「お子さんが一人おられるはずだが」「死んだ」「そうですか、しかし・・・」「死んだ、みんな死んだ」

アチンは以前見かけた男と再会し、一夜を共にする。彼は体育教師でかつて経験した生徒への愛をアチンに話して聞かせた、せつせつと。そして泣いた。アチンは何か言ってなぐさめる力も無いことを感じた。

シャオユイはアチンが母を見つけたがひどく落ち込んでいるのを見て言った「少なくともこの世界で母親を見つけたんだ。僕よりは絶対いいよ。そうだろ。君は幸せの中にいて幸せがわからないんだ」

シャオユイは例の周おじさんにまた洋服を作ってもらった。周おじさんは可愛いシャオユイに洋服をあつらえてやるのが楽しくてしょうがないのだ。シャオユイが嫌がる服も着せて一人ご満悦なのだった。そして亡くなった奥さんの写真を前にシャオユイと共に拝んだ。そしてシャオユイにお前は妻によく似ているんだと言った。初めて見た時、妻がまだ生きていたのかと思ったと。そして奥さんの形見の首飾りを見せて「お前にあげよう。だが、まだお前のものではない。お前がずっと私のそばにいて私が息をひきとったら、だよ。どうした」「何でもない。僕もう行かなきゃ。また来るよ」そう言ってシャオユイは出ていった。周おじさんは取り残された。

とても辛い一話でした。アチンは母親から「死ね」と言われ、父親から「死んだ」と言われました。自分という存在を両親から否定されてしまうアチン。だが、シャオユイはそれは幸福なんだと言います、会いたかった母さんに会えたのだから。
シャオユイの父親への思いは激しいものです。一見ちゃらんぽらんに見える彼が父親に対してだけは一本気です。彼がつきあう男性が皆父親のような離れた年齢なのもそういう気持ちの表れなのでしょう。

原作:白先勇 監督:曹瑞原 出演:柯俊雄(李父)柯淑勤(李母)范植偉(李青)張捷(幼年李青)楊祐寧(趙英)金勤(小玉)阿鳳(馬志翔)龍子(トゥオ・ゾンファ)楊教頭(丁強)呉敏(張孝全)老鼠(呉懐中)
posted by フェイユイ at 22:21| Comment(5) | TrackBack(0) | [薛/子]子(ニエズ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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