2005年12月18日

笑傲江湖・第三十二集

こっそり「辟邪剣譜」を手に入れ修行する岳不群。ふと娘・岳霊珊と林平之の錬剣を盗み見ていた。

いつまでも「師姐」と呼ぶ平之に岳霊珊はすねる。「珊妹」でもダメで「妻よ」と呼ぶ平之にやっと微笑む岳霊珊。が、林平之は結婚を延期したいと言い出す。すでに結婚の準備は崋山派あげてやっているのだ。林平之は「今は仇討ちのことしか考えられない」と言う。岳霊珊は「結婚してから仇を討てばいいわ」と答える。寄り添う岳霊珊を胸に抱きながら林平之は「どんなに苦しくても必ず仇を討ちます」と誓う。その顔は苦渋に満ちているように見える。

恒山では尼僧達が剣術の稽古に励んでいた。令狐冲がその様子を見守っているとそれに気づいた尼僧達は是非剣の達人である令狐冲に教えていただきたいと申し出る。令狐冲は以前学んだ恒山派の剣を披露する。すばらしい技に尼僧達は感激を隠さない。「一体どこで習ったのですか」「それは・・・ある洞穴の中だ。習いたいなら、掌門として教えよう。だがまず酒だな」と言う令狐冲に(おいおい)尼僧たちは困惑気味に「ここでは戒律があり酒はないのです」今度は令狐冲が困惑して川の水をすくって飲み「水酒でいい。この水酒はうまいぞ」(やさしいというかなんなのか)
そこへ不戒和尚が大声で呼ばわりながら酒の入った甕を運んできた。「酒を持ってきたぞ」令狐冲は尼僧達をちらと見て「口と鼻は繋がっているから、匂いをかいだだけで飲んだことにしよう」「なんだい、そりゃ」
そして桃谷六仙も到着。「令狐冲、令狐冲」と相変わらずかしましく一人が傍に近づいて「ほんとに恒山派の掌門になったのか」と聞く。令狐冲が「本当だ」と答えると喜んで滑って転んで川にはまって大騒ぎである。
お次はまたわらわらと大勢を引き連れてきたのが老頭子と祖千秋。藍鳳凰の姿も見え、一言令狐冲に皮肉を言う。皆は盈盈から聞いて駆けつけてきたのだ。魔教の者では歓迎はされないだろうが食事は用意してきた、今日は令狐冲兄貴が掌門になられたお祝いだと騒ぎ出す(いい人たちだなあ)
そこへまた楽器入りで現れたのがなんと東方不敗からのお祝いの品を持った一行だ。令狐冲は東方教主とは面識もないので受け取れないと言うと「これらの半分は聖姑様の衣服と日用品、半分は結婚の祝いの品です。東方教主は令狐冲大侠の掌門就任のお祝いだけでなく聖姑様との結婚祝もしたいと言っておられます」これを聞いて令狐冲は「東方教主も人情のわかるお方だったのだな。よろしい。全部お受けします」と答え、皆大喜びとなった。

崋山派では岳霊珊と林平之の結婚式が行われていた。椅子に座った両親の前での跪拝で林平之は流れるように汗をかいていた。

恒山では尼僧たちが令狐冲に崋山派は来られていない、と報告していた「お祝いもないなんてね」令狐冲の顔が曇る。「嵩山派、泰山派もまだです。これは衡山派の莫大掌門からです」と手紙を手渡した。中には禅語が書かれており令狐冲にはわからない。傍にいた儀琳が訳をする「ものの流れに惑わされずに心と外界を調和させ本当の自由を手に入れる。天地が広くなれば正道を歩み道理を忘れずに」「いい言葉だ」
そこへ少林派の方証方丈と武当派の冲虚道長が到着された。令狐冲は喜んで迎えた。
令狐冲の恒山派掌門就任の儀式が始まった。代々伝わる品が渡され、規律を教えられた。続いて令狐冲が皆の前でした掌門就任の挨拶は実に堂々としていた。不戒和尚も感心する。
その時表から「五岳令旗だ」その声の主は嵩山派の陸柏だった。「左冷禅の命令だ。許可なく勝手に掌門になってはならぬ」令狐冲は五岳派に入るかは今から決めると言い返す。恒山派のことを他からとやかく言われたくない、というとみんなでそうだ、帰れの大合唱。
陸柏が「恒山派の五番目の規律は“悪党と交わるな”だ。」「だから恒山派は陸柏とは交われないのだな」といつもの口の悪さが爆発。皆やんやの大喝采。
そこへ日月神教の聖姑様がご到着、ということで皆、出迎えに走り出す。盈盈は紅い華やかな服装で華やかだ。にこやかに令狐冲にお祝いを述べる。
陸柏は魔教の重要人物だとまた口を出す。その女と付き合う限り、掌門にはなれん。令狐冲は「知った事か」盈盈が「この方はどなた」「嵩山派からの遣いでこんな小さな令旗を持ってきたのだ。だが掌門自身が来ても恒山派の事に口出しはさせない」この力強い言葉に方証方丈と冲虚道長も感心した様子。
盈盈は「その旗は五岳令旗ではないわ」と言ってあっという間に陸柏から旗を奪って高みに上がった。「これは五仙教の五毒旗よ」と蛇やムカデのついた藍鳳凰の五毒旗を掲げる。皆また大喜び。
陸柏はたまらず方証大師に助けを求めると「令狐冲少侠は初めて掌門になるが道理・道徳ともすばらしい。嵩山派も道理をお持ちのはずなのになぜ辛くあたるのだ。また仏門は心を改めたものには寛大なものだ」と言われる。これを受けて不戒和尚も「恒山派に入れば悪党はいない」令狐冲も恒山派は男の弟子も受け入れるという確認を取ってから通元谷に別院を建てて男弟子はそこに住むのだ、と決めた。

陸柏は五岳剣派の総帥を選ぶ。必ず参加するように、と命令する。令狐冲は合併した覚えはないと返す。盈盈の目配せで藍鳳凰は陸柏に令旗を返す。受け取った陸柏の手が焼け爛れてしまった。「薬が欲しければ、令狐冲掌門と呼びなさい。そのままにしておくと腐るわよ」仕方なく陸柏は令狐冲掌門と呼びかけ薬をもらいたいと頼み、受け取って早々に逃げ帰った。
やんやと騒ぐ皆のものに令狐冲は恒山派に入った以上規律は守るのだぞ、と言い聞かせた。

方証大師と冲虚道長は令狐冲に恒山に皇帝の命令で作られた山道のすばらしさにたとえて権力とはこのような山道を作ることができる。左冷禅もまた最初は五岳派だけだが、次々に他の武芸派を合併しようという権力への欲望があるのだ。令狐冲は人生はわずか数十年なのに何故そんな苦心を、と思う。
さらに令狐冲は定逸師太を襲った針を見せたことで「葵花宝典」の話を聞く。それは崋山派と魔教の戦いに繋がり、その深い憎しみの傷跡を知る。そしてまた「葵花宝典」が「辟邪剣譜」に繋がっていくのだ。だが、林震南はそのような武功を持っていなかった。
方証大師と冲虚道長は令狐冲に3月15日の総帥選定で五岳派の総帥になってくれと頼まれる。そうしなければ、預かった恒山派の尼僧達が危なくなる。
気配を感じ外を見ると東方不敗からの贈り物を持ってきた者たちが弓矢を構えて取り囲んでいる。方証大師と冲虚道長の命が惜しくば令狐冲に黒木崖まで来るよう東方不敗から命じられたという。武功が高くて危険だから右腕をこれで切り落とせと妙な真ん丸い刃物を渡す。
令狐冲は二人に「ついてきてください」と言って静かに進もうとした時、上から盈盈が飛び降りてきた。聖姑様の登場に神教の者たちは恐れを感じる。
盈盈は「これは謀反よ」と言い黒木令という札を見せ皆の動きを封じ込めてしまう。火事が起きて皆が騒ぎ出し戦いになるが圧倒的に令狐冲側は強い。謀反者が橋から転落し事は収まった。残ったもう一人に盈盈は三尸脳神丹を飲ませる。これには令狐冲もちょっと渋い顔をしている。が、方証大師と冲虚道長に3月15日の再会を約束した後、令狐冲と盈盈は向かい合って微笑む。そこに桃谷六仙や他の者たちも駆けつけて火事を起こしたのは俺達だと騒ぎ出す。
盈盈は私は魔教の女、令狐冲は恒山派の掌門なのだから皆よく世話をしてね、と言って去ろうとする。
令狐冲はその後姿に「盈盈!」と呼びかけた。

もう二人の仲は絶対!と思っていたのに最後の盈盈の悲しい言葉。果たして令狐冲は何と言おうとしているのだろうか。

この回では令狐冲の人生を示唆する言葉が出てくる。一つは莫大掌門の手紙。この言葉が令狐冲の理想を現しているのだろう。
もう一つが方証大師と冲虚道長との会話。自由を求めて生きる令狐冲だが、やはり戦わねばならない時があるのだ。


posted by フェイユイ at 21:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。