2005年12月22日

笑傲江湖・第三十四集 前半

東方不敗一人に四人は剣を取って立ち向かう。東方不敗の傍には様々な色の糸つむが並べられ東方不敗が針を投げるとそれらの糸が引き出されて敵を封じてしまう。
次々と東方不敗に指から放たれる針に四人は全く思ったように動く事ができない。やはり最強の戦士は東方不敗なのだろうか。
令狐冲の攻撃に「剣の腕は確かじゃ」とつぶやく東方不敗。任我行も「吸星大法」を使い東方不敗に対抗する。令狐冲も続けて仕掛けていく。それを見て「武芸は天下一だと言ったじゃないか」と言う楊蓮亭に「思ったより腕が立つようだ」と言う東方不敗はけしてあきらめてはいない。
令狐冲に対して東方不敗が鋭い攻撃を繰り出していくのを見て、盈盈は東方不敗自身ではなく恋人である楊蓮亭を襲った。それを見つけた東方不敗は「蓮弟」と叫んで令狐冲から離れた。
盈盈は楊蓮亭を鞭で弾き飛ばし剣で刺した。逃げた東方不敗を追ってきた令狐冲が剣で刺す。が、その傷は浅い「とどめを」と叫ぶ任我行に令狐冲は一瞬戸惑い、東方不敗を離してしまった。
盈盈に刺された楊蓮亭はどうと倒れた。屋根の上に逃げ延びた東方不敗は日月神教の印をかたどった飾りにもたれ愛しい楊蓮亭を見つめた。その体からは血が流れ出した。
「東方不敗いや必敗。お前の負けだ」高笑いをする任我行。東方不敗は静かに話し出した「令狐冲。お前の剣の腕はすばらしい。だが蓮弟に気を取られなければその剣は届かなかったがのう」令狐冲はこれに答え「確かに。四人でもかなわない。さすが天下一に恥じぬ腕前」と礼を取った。「何と男らしく潔い気概のあること。黒木崖に閉じこもって10年。だが恩怨からは逃げられぬ」これを聞いて令狐冲「10年間、一度も外へ出ていないのか」「死に際に嘘はつかぬ」「定逸師太の暗殺は?」東方不敗はふっと笑い、「私は天下の東方不敗。殺すのにこそこそする必要はない」定逸師太暗殺の犯人が東方不敗でないと知り令狐冲が呆然となった時、任我行が「吸星大法」と叫んで楊蓮亭から流れる血を吸い取ろうとした。それを見た東方不敗が動いた「危ない」令狐冲が叫んだ時には任我行の左目に針が突き刺さっていた。向問天が弾かれた任我行を身を持って助ける。盈盈がその目から針を抜き取った。

「これこそが“葵花宝典”ずっと肌身離さず身につけていたが、やっと返す時がきたようじゃ」言うや身にまとっていた薄い着物を空に放った。その面にはびっしりと葵花宝典の文字が記されている。「私の“葵花宝典”」と任我行はそれを掴み「芸を極めたくば、まず去勢せよ。二度と目にするものか」と言って引き裂いた。
「12年の恩怨に決着がついたようだ」と東方不敗。任我行が剣を投げつけ東方不敗はそれを防いだが、屋根が破壊され東方不敗は地に倒れた(このシーン。私にはどうなったのかいまいちよく解りません)任我行が高らかに笑う。任我行を見上げる東方不敗。この時、令狐冲はどのような感慨に浸っていたのだろうか。
東方不敗が手に残った針を持ち、それを見た盈盈は父の目から抜き取った針を構える。だが、東方不敗が放った針は屏風に施された刺繍の最後の仕上げをしたのだった。そして「蓮弟」と手を伸ばして呼ぶのだった。構えた針を下ろす盈盈。
令狐冲は動けない東方不敗の身体を気を送って愛しい人の傍へ飛ばしてやった。もう動く事はない楊蓮亭に「蓮弟。愛している」と言って寄り添った。花びらが舞い散り二人の身体を覆った。

日月神教の洞窟で任我行は再び教主としてあがめられるようになった。大勢の信奉者がひれ伏し口々に教主の繁栄を祈る。そして反逆者としてあげられたものたちは一族諸共処刑される事になった。その場を離れて東方不敗を倒した美しい緑の中に立つ令狐冲の姿を見て盈盈はその心の中を察していた。
食卓を囲み任我行がまずは一杯と酒を勧めた時、令狐冲は「ひとえに任教主の功徳。私はこれで」と席を立とうとした「待て」任我行が止め「盈盈とは婚礼を挙げないのか」「できません。まだ恒山派内でやり残したことがあるのです」何と立ち上がった任我行。しばらく思案していたが、軽く笑って出て行ってしまった。ほっとする盈盈。「急いで令狐冲を送っていくのだ」と言う向問天「今行かねばもう行けなくなってしまうぞ」向問天は令狐冲に「縁があって出会えたのは光栄だ。私のせいで巻き込んでしまった」「そんなことは」(盈盈のためだもんね)そして令狐冲は盈盈の傍に寄った。盈盈も令狐冲を見つめながら立ち上がる(この雰囲気、もう完全に恋人同士の言葉の要らない間と言う感じです)令狐冲は兄・向問天に礼をして出て行った。

辟邪剣譜を手に入れ、自ら宮(去勢)した林平之は修行を重ねていた。その腕前は以前とは別人だった。微笑も凄みが加わり、武芸は破壊的なものとなっていた。
崋山派の岳霊珊らも五岳合併の日を目の前にして錬剣に余念がなかった。思過崖の洞窟での図柄を見ながら弟子たちは腕を磨いていく。それを見た岳不群は安堵の息をついた。

「左冷禅が嵩山で五岳剣派を召集するわ。それでも行くの」令狐冲の身を案じる盈盈。「野心の強い男だ。武林の支配権を握るつもりだ。だからこそ行かねば」名残惜しそうに互いを見やりながら別れる二人だった。

左冷禅は泰山派の師淑を迎えて五岳剣派合併への気運を高めようとしていた。残る衡山派、崋山派は取るに足りぬ。手強いのは恒山派だ、というと陸柏が奴らはどうせ烏合の集。意見はばらばらです。と言って左冷禅を喜ばせる(仲はいいんだよね)

なんと言っても今回、楊蓮亭の傍に東方不敗を飛ばしてあげた令狐冲の優しさにぐっと来ました。色々観てても結構こういう女装の男などには冷たい番組・映画などは多いものです。確かに悲しい結果に終わりましたが、せめて愛しい人の傍に行かせてあげるなんて令狐冲は思いやりに溢れた人です。やはり東方不敗は天下一といわれるだけはある、という言葉もかっこよかったけど。
それにしても盈盈と令狐冲はなかなか落ち着く事ができませんね。互いを見つめる目だけはもう熱々なのですが。




posted by フェイユイ at 22:00| Comment(6) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

任盈盈そして金庸のヒロインたち

金庸のヒロインたち、とご大層なことを書いてしまいましたが、例によって最近観たドラマ3作品のみのヒロインたちですのでその上で読んでください(他の作品に魅力的なヒロインがたくさんいることは想像に難くないことですので)

まずは現在進行中の「笑傲江湖」の任盈盈。ドラマで見ていると許晴のきりっとした且つふくよかなイメージの美貌に魅了されてしまうのですが、原作で読んでいると、正直言って、人を殺すことも平気な魔教の部分と令狐冲に対してのしおらしい部分が極端に感じられて私は少し怖いのですよ(わー、盈盈ファンから猛攻撃を受けそう。が、そう感じてしまったのでしょうがない。ドラマでは全くそう思わないんですが)
この他人に対しての冷酷さと恋人に対しての情熱というのは中国男性の理想なのか?金庸さんが理想妻の筆頭に盈盈をあげていたのでそう考えてしまうのですが。(恋人の方が儀琳なのだよね)
この冷酷な面と柔和な面を併せ持つ、もしくは結構意地悪な部分が多く感じられる女性が数多く登場するのが金庸世界の魅力(?)のひとつですね。
女性ファンが多いのも(私を含めて)超美貌で且つめっぽう強く、自分の意思をしっかり持っている女性が活躍するからでしょう。
私が好きなのは周迅が演じていたという事もあって黄蓉なのですが、彼女はこれらの要素をたっぷり持ちつつ、しかも可愛い。盈盈のような両極端な感じでなくてあまり裏表のないいつも悪女的な雰囲気を漂わせている所が好きですね。それは原作でもドラマでも同じように感じました。
「天龍八部」ではその両面性が二人の女性として現されているのが、阿朱・阿紫なのでしょうね。阿朱は思い切り「善」ですし、阿紫は「悪」の権化として登場するわけで。
つまり無理矢理整理しちゃうと「善」と「悪」を二人で表現してるのが阿朱と阿紫。「善悪」を一人の中に入れてしまったのが盈盈。「善悪」を併せ持っているのにそれを昇華した形で表現できているのが黄蓉。と、私的にはそう把握しております。

別に人格と言うのは「善悪」だけで形作られるものではありませんが、金庸の女性達はこの「善悪」のブレンドが絶妙なので様々なタイプの女性がいるように感じられるのだと思います。男性の作家が女性を表現する場合どうしても同じようなタイプが繰り返し出てきてしまうものですが、金庸作の女性は「善悪」のブレンド配合だけでも色んなバリエーションを持っています。「天龍八部」で「悪」は阿紫、馬夫人は殆ど純粋培養の「悪」逆に王語嫣は「善」そのものですね。
が、そういうタイプだけではなく天山童姥のように「悪」のように見えて「善」の部分を持ちうる女性、段誉のママのように善そのもののようでありながら「悪」の過去を持つ女性もまたいます。金庸世界に登場する女性で善そのものより悪の要素を多く持つ女性ほど魅力的なのも事実です。

盈盈は生まれつき「悪」と言われる世界に生きてきて実際他人の生命を左右する事をやってのけています。令狐冲はそれをこころよくは思っていませんが、はっきりやめろとは言ってませんね。
ただ令狐冲の影響で盈盈は自然と「悪」でなくなり「善」の部分が強くなってきています。例えばそれは盈盈が儀琳と出会っても絶えず令狐冲の身を案じている儀琳が「あの人はいい人です」と言い、盈盈と令狐冲の結婚を望む事からも伺えますね。
金庸のヒロイン達が「善」と「悪」の様々なバリエーションを持ち、またその作中でも変化して行くと言えますね。
posted by フェイユイ at 10:37| Comment(5) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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