2006年01月08日

笑傲江湖・第三十七集 後半

青城派は岳霊珊に「辟邪剣譜を出すよう説得すれば林を返そう」と言われ縛られた林平之と同じ部屋に押し込められる。
岳霊珊は「平之」と呼び続け抱きつくが縛られた林平之は嫌そうに顔をそむけ「ばかもの」と冷たく言うだけなのだ。だが岳霊珊は「死んでも一緒にいたい」とすがりつく。これを聞いた林平之は「死にたいか。なら死ぬ前に教えてやろう。俺の曽祖父・遠図公はもとは僧侶だった。“辟邪剣譜”に出会って袈裟に書き写した。だがその最後にはこう記されていた。“この剣法は悪辣すぎる。これを修練するものは例外なく子孫を絶やすだろう”
剣譜を見つけた時、結婚後に修練しようと思ったが、その魅力に我慢できなかった。私はすぐ去勢して修練をしたのだ」これを聞いた岳霊珊はさめざめと泣いた。「あなたは去勢をして剣の稽古を」「それが辟邪剣譜の秘訣だ。辟邪剣譜を習得する者は自ら去勢をせよ。この剣譜を作った偉大な先輩は宦官だったのだ」「では父も同じ?」「この剣法を習得した者に例外はない」「嘘よ」「奴は剣譜を手に入れていたのに、それを令狐冲に罪をかぶせた。お前の母は疑いを持った。髭が薄くなり声が高くなったからだ。それは去勢のためだった。やがて彼は秘密がばれるのを怖れて辟邪剣譜の記された袈裟を谷に投げ捨てた。それを私が手に入れたのだ」そういって笑った。岳霊珊は打ちのめされた。と、その時、外で人の倒れる音がして、黒衣の男が飛び込んできた。そして林平之を縛った綱を切リ「行くぞ」と連れ出した。

山の中で黒衣の男が覆面を取るとそれは何と二師兄・労徳諾であった。「私は岳不群に殺されかけたが逃げた」と吐き捨てるように言い放った。
林平之は「お前が辟邪剣譜を嵩山に持ち込み左冷禅に修練させたのだな」「私は元々嵩山派だったのだが、崋山派に入り込んでいたのだ。だがまさか岳不群が偽物の辟邪剣譜を渡すとは思いもよらなかった」「それで本物を狙っているのだな。わかった。もし岳不群を殺せば本物を渡そう」労徳諾は「協力して辟邪剣譜を研究してお前の夢を果たそう」林平之は「よし。岳不群を殺してくれればついて行くよ」と嬉しそうに笑う。聞いていた岳霊珊は「私はなんて不幸なの」とつぶやく。それを聞いた林平之は「解った。ではここで不幸は終わりにしてやろう」と言うや岳霊珊の腹に小刀を突き刺した。それは岳不群・寧中則が自分たちの結納の品を岳霊珊に譲った緑色の宝剣であった。岳霊珊の結婚の祝いにと贈られた宝剣で妻である彼女の胸を刺すとは何と酷いことをするのだろうか。「あっ」低いうめき声を上げて岳霊珊は崩れ落ちた。その腕を林平之に差し伸べながら。「終わった」と労徳諾は告げた。

令狐冲と盈盈は急いで岳霊珊の後を追いかけてきた。がやっと見つけた時、悪党二人はその場から逃げ出してしまった。令狐冲は追いかけるのをとどまり、胸に小刀を刺したままの小師妹を抱き起こした。令狐冲の顔は苦渋に満ちている。小師妹は「大師兄、ごめんなさい」とささやいた。そして「頼みがあるの」令狐冲は昔のように「何でも言う事を聞くよ」と返した。彼はいつでも小師妹の無理な頼みをかなえてきたのだった、どんな頼みでも。「林平之は目が見えず一人ぼっちなの。私が死んだら、彼を守ってあげて」「あんな酷い奴、忘れた方がいい」「いいえ、彼は本気で私を殺したんじゃないの。手が滑っただけ・・・大師兄、彼を守ってあげてください」最後の願いを令狐冲ははねつけることができなかった「わかったよ、小師妹」
小師妹は死んだ。物言わなくなった亡骸を抱えて令狐冲は叫んだ「小師妹」抱き上げて歩き出した。そして力尽き倒れた。

気がついた時、盈盈が傍らで琴を弾いていた「彼女は土に還ったわ」盈盈は小師妹を葬り墓を作ってくれたのだ。令狐冲は「盈盈。小師妹とは幼馴染だった。俺達の事気にしないでくれ」盈盈は少し苦しげに、頷いた。「師娘が来ておられるわ」
見ると寧中則が娘・岳霊珊の墓の前で泣いていた。「こんなこと信じられない」と嘆き悲しむ姿に令狐冲はひれ伏す。師娘は今までのことを酷く後悔して涙にくれるのだった。そして「仇を討ちたいけどもう私にはその力がない。令狐冲、仇を討って」これに令狐冲は戸惑い小師妹に林平之を守ると誓った事を伝える。師娘はまた涙を流す。令狐冲は突然「私の母親になってください。そして一緒に暮らしましょう」と師娘の身体を支えて立ち上がらせ、馬車に乗せると共に乗り込んで走り去った。後に一人、盈盈を残したまま。盈盈はしばらくその馬車を見ていたが、静かに立ち去った。

岳不群と寧中則は大勢の前で令狐冲を養子に迎える祝いの席をもうけていた。が、そこに令狐冲の姿はない。岳不群は令狐冲を呼んで来いと言い付けた。

令狐冲は嵩山の屋敷内をうろついていた。部屋に戻るとそこに向問天が酒を飲んでいるではないか「向兄貴。どうしてここに」「任教主の命令だ。お前を黒木崖に戻らせ、教主を引き継がせる」「お気持ちはありがたいが命令には従えない」「任教主は怒っている。岳不群の総帥就任と辟邪剣譜の習得だ」そして言葉を続けた「まさか江湖が3人の手に握られるとはな。お前と任教主、そして岳不群だ。二人は江湖の統一と言う野望がある。今、問題なのはお前がどちらにつくのか、と言う事だ」「俺はもうこの件とは関係ないんだ」「身を引くというのか。では死ぬしかないな。お前が死ねば皆が安心する」「俺は師娘のためにここに来たんだ」ここまで話した時、向問天は気配に気づき、岳不群がつけた見張りを叩き落とす。「誰の差し金だ」「師父の命令です」誰かが逃げる音を聞きつけ、向問天は令狐冲に「盈盈と遠くへ逃げろ。そして二度と現れるな。奴らより酷い死に方をするぞ」が、令狐冲はにやりと笑って酒を飲んだだけだった。

岳不群は弟子を使って令狐冲を建物ごと爆破させようとしていた。そこへ師娘がやってくる。弟子達は慌てておしとどめたが、寧中則の技をとめきれるものはなかった。次々と彼女に倒され、寧中則は進んでいった。そして爆発した。

寧中則と令狐冲は死んではいなかった。寧中則は令狐冲と盈盈を前にして話しかけた。
「私は愚かなことをした。母さんを許しておくれ」「母さん。一緒に恒山へ行きませんか」寧中則は首を振り「あなた方の幸せを祈っています」

院では岳不群が弟子に問いただしていた「師娘はみつかったか」「いえ、まだです」「そんなはずはない。行け。私の命令だ。必ず探し出すのだ」

小師妹の最後は酷すぎます。甘やかされわがまま一杯だったはずの彼女がこんな辛い死を迎えるとは。彼女の死に嘆く令狐冲の姿を見て涙が溢れて困りました。
令狐冲に盈盈と逃げろと言う向問天の言葉が優しくてまたじんわり。
師娘はどこへ行ってしまったのでしょうか。必ず探せと言う岳不群の言葉が恐ろしいです。

出演:李亜鵬(リー・ヤーポン)(令狐冲)許晴(任盈盈)李解(林平之)孫海英(田伯光)陳麗峰(儀琳)彭登懐(余滄海)李勤勤(定逸師太)巍子(岳不群)苗乙乙(岳霊珊)巴音(向問天)劉仲元(莫大)


posted by フェイユイ at 19:52| Comment(3) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月07日

笑傲江湖・第三十七集 前半

お待たせしました(笑)やっとレンタルする事ができ、再開できる喜びに震えております。とうとうDVD最後の一枚になりました。残り僅かです。最後までお付き合い願えれば幸いです。

日月神教の教主に帰り咲いた任我行は配下たちに「江湖統一、天下第一」と連呼させ自らの士気を鼓舞する。が、向問天はそんな任我行に五岳派と少林派が合体し強化した今、戦うのは危険である、と進言する。東方不敗によって弱体化してしまった日月神教を立て直すべきだ、と。任我行は強く反対し、令狐冲がいれば勝てると言い返す。向問天は名声や権力に興味がない男です、説得は無理だと申し立てる。こちらには盈盈もいれば、吸星大法も与えたのに、言う事を期間とは理不尽な、と任我行は歯噛みする。

嵩山では左盟主の霊の仕業かと思えるいたずらが横行する。苛立った岳不群はいつの間にか飾られていた「左」と書かれた提灯を破壊していく。
寧中則は岳不群を残してひとり崋山に帰ろうとしていた。寧中則は夫・岳不群に「あなたは若い頃、年をとったら崋山に桑畑を作って私は織物をして平凡に暮らそうといった。今のような戦いに明け暮れた生活はもうできない」と言う。

岳不群は幸せな生活をするために、今は魔教を潰さねばならないのだ、と言う。そのためには令狐冲の力が必要だ、お前が連れてきてくれ、と頼むのだった。

令狐冲と盈盈は仲むつまじく馬車に揺られていた。
小師妹と林平之も馬車に乗ってやって来たが、林平之は岳霊珊を煩わしく思っているだけである。が、目の見えなくなった林平之に岳霊珊はかいがいしく付き添っていた。
二人の様子を見張っていた令狐冲と盈盈は二人の様子を伺っている黒衣の男に気づく。盈盈が後を追うが、まかれてしまった。盈盈はその剣法が何なのかよく解らなかった。
林平之・岳霊珊は令狐冲たちがひそんでいた宿屋に泊まることにしたようだ。令狐冲と盈盈は二人の隣の部屋を頼んだ。
宿の部屋の中でも林平之は岳霊珊に酷く冷たい。岳霊珊は涙ながらに「私を恨んでいるのね。結婚初夜に逃げ出してしまったわ」「恨んではいない」「ではなぜ逃げ出したの」「逃げなければ、岳不群に殺されていたからだ。辟邪剣譜のために」「なぜ父は辟邪剣譜を取ったのが大師兄だと」「ごまかしたのだ」「そうね。大師兄は義侠心に厚く、物欲のない人だった」「奴の所へいけよ」
隣の部屋で一部始終を聞いていた令狐冲ははっとなる。岳霊珊は「兄として尊敬するだけよ。恋人じゃない。あなたとの縁が深まってからは一日中あなたを想っているわ。この愛はこれからも変わらない」さすがに林平之もため息をつき「お前は父親とは違うな、母親に似ているようだ」
再び黒衣の男が現れ、盈盈がこれを追った。今度は手傷を負って逃げていった。それを見て盈盈は崋山派だと気づいた。そして宿屋の下の食堂には青城派が大勢駆けつけているのを見つける。
そのことを令狐冲に告げ、黒衣の男が崋山派の剣術であったと言うと令狐冲は「まさか」と言って首を振った。盈盈は「まさか岳不群が」と言うと令狐冲は「小師妹に知らせないと」と言って天上を見上げた。

令狐冲と盈盈は林平之と岳霊珊の部屋の天上から様子を伺っている。岳霊珊の言葉はなおも続く。「たとえあなたの目が治らなくてもずっと傍にいるわ。まだ私が信じられないの。今夜私は全てをあなたに捧げます。今夜が二人の初夜になるのよ。平之。本当の夫婦になりましょう」と言って岳霊珊は林平之に抱きついた。
その瞬間、盈盈は落ちてしまった。さっとその身体を令狐冲が抱きしめる。盈盈はうれしそうに令狐冲に身を寄せた。
林平之は岳霊珊を戸が破れて外まで行くほど突き飛ばした。下からわらわらと青城派が寄ってくる「林平之、出てこい」
令狐冲は小師妹に林平之と逃げろと言いながら、上ってくる青城派を次々とやっつけていった。が林平之は「令狐冲、いい人ぶるな」と騒ぎ立てる。岳霊珊がなだめても聞かない。「天下は俺のものだ。誰よりも強いのだ」「目を治してからにしましょう」「これは令狐冲の罠かもしれない」「死にたいの」という岳霊珊の言葉にやっと林平之も従って逃げ出した。

続々と迫ってくる青城派を令狐冲と盈盈は倒していった。その強さは圧倒的で青城派の雑魚たちの敵ではない。
岳霊珊は窓から布を垂らしてまず林平之を降ろそうとした。が、途中で青城派に見つかり布に剣を投げつけられた。小師妹は懸命に「大師兄!」と叫んだ。
posted by フェイユイ at 22:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

李連傑×中村獅童×周杰倫のカンフー映画、中国上映へ

前にもお伝えしましたが、李連杰(ジェット・リー)主演映画『霍元甲(邦題:SPIRIT)』のニュースです。

posted by フェイユイ at 19:45| Comment(0) | TrackBack(1) | 周杰倫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

周杰倫「11月のショパン」のMV・DVDプレ・オーダー!!

jp-header-r.jpg

待ちに待った周杰倫「11月のショパン」のMV・DVDが発売されますよ!詳しくはyesasiaで。

日本版「11月のショパン」も出るし、どうしましょうか。
ラベル:周杰倫
posted by フェイユイ at 14:43| Comment(4) | TrackBack(0) | 周杰倫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月06日

上海グランド(新上海灘)

グランド.jpgグランド2.jpg

と言うわけで「上海グランド」なんですけどね(笑)
レスリーがいなくなってからなかなか彼の映画が観きれなかったのですよ。少しは観たけど、やっぱり苦しかった。観たいのに観れなかった。ここに来て急に観たくなってしまったの。それはやはり時間のおかげ。またレスリーを観たくなってしまった。

でも映画を観ていると、それはレスリーが演っているんだと言う事を忘れそうになる。例えばこの映画でもアンディはやはりアンディの顔をしてる。それが彼の魅力だと思うから、それでいい。でもレスリーの姿はない。そこにいるのはホイ・マンキョンという男。仲間を死なせてしまったという重い運命を背負って生きている男の姿しか見えてこない。
レスリーはいつもそういう人だった。

ホイ・マンキョンはかっこいいな。あの目を見てゾクゾクしない人がいるんだろうか。憂いに満ちて孤独で。
常に死と隣り合わせにいるような、目を閉じると消えてしまうそんな存在なのだ。

舞台は1930年代の上海。ヤクザからひどい目にあいながらも逞しく生きているディン・リク(アンディ・ラウ)と台湾反日運動員であり仲間を死に追いやってしまったホイ・マンキョン(レスリー・チャン)そして彼ら二人と複雑に絡んでいくお金持ちのお嬢様ファン・ティンティン(寧静)の青春譚。
もともと連続ドラマだったものを映画にしているので時々不思議な感覚に陥ります。何だかあるはずだった場面を見逃してしまったような。とても長い物語をぎゅっと圧縮したように感じてしまうのですね。
でもここでは3人の若者のそれぞれの物語だと言う設定に作られ、かなり整理されていると思いますね。

そして挿入歌まである劇的な音楽の数々。この音楽もテレビドラマの雰囲気を残しているようです。香港的、というのか面白いです。

ヒロイン役の寧静は私にとってかなり思い出深い人です。最も印象的なのは姜文監督の「太陽の少年」のヒロイン。主人公の男の子が慕う年上の女性を初々しく演じていました。そして今度はその姜文と共演した「ミッシング・ガン」今度は姜文が想いを寄せる美しい人妻の役でした。美しい人ですね。

そして昨日もいいましたチョン・ウソン。見直してもやはり美貌でした。若いのでまるで研ぎ澄まされた刀のような美しさを持っていますね。
でも昨日言ってたように「レスリー以上の」と言う感じはしなくて、今、観るとどうしたってホイ・マンキョンの哀しい瞳以上のものはない気がします。

全くの娯楽映画、そう思って楽しんでいいのですが、最後の場面ではどうしても泣いてしまうんですよ。
ホイ・マンキョンがリクと出会った時、便所の汲み取り仲間たちに「アーカン」だと偽名を使う。ホイ・マンキョンが仇を討ち、兄弟分となったリクと殺し合いをして撃たれた時、皆が「アーカン、大丈夫かい」と心配してくれる。ホイ・マンキョンは「覚えていてくれたのか」とつぶやく。そして傷ついたホイ・マンキョンを皆で協力して運び出そうとする。もう泣けてしまってしょうがない。ホイ・マンキョンは最後友達に運ばれながら幸せだったのかもしれない。
新年を祝うパーティの中での撃ち合いのシーンは華やかで哀しい印象的な一幕でした。

監督:プーン・マンキッ 出演:レスリー・チャン、アンディ・ラウ、寧静(ニン・ジン)、チョン・ウソン 1996年製作
posted by フェイユイ at 23:30| Comment(5) | TrackBack(1) | レスリー・チャン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「MUSAー武士ー」 チョン・ウソン

MUSA.jpgmusa2.jpg

かっこいい映画です。
韓国映画を観始めて、私が2番目に好きになった映画です(順番の話です)その後の順番はもうわかんないですが。1番目が「ユリョン」で2番目が「武士」チョン・ウソンが絡んでるわけですが、この「武士」で一番かっこいいのは勿論アン・ソンギ。もうかっこいいを絵に描いた如くです。渋い。

とにかく戦闘と殺戮の場面が続く映画なのですが、それが抜群にキレていて見ごたえがある。
特に、チェ将軍(チュ・ジンモ)始め多くの男は刀を持っているのですが、チョン・ウソンの槍、そしてアン・ソンギの弓矢という武器が心臓掴んじゃいます。

チョン・ウソンは正統派の2枚目なのですが、体が大きいので槍を振り回すのに余裕があって魅せてくれます。チョン・ウソンを私が始めてみたのは「ユリョン」じゃなくてレスリー・チャンの「上海グランド」の抗日運動家の役ででした。そのあまりの美貌の為、ほんの端役なのに忘れられず覚えていました。「レスリーとアンディよりハンサムなのが脇役に」(ごめん、レスリー)
そのチョン・ウソンがここではご主人様に忠実に仕える奴隷ヨソルを演じています。これがまたよく似合う。美形であるほど汚い格好をしていると引き立つものです。そして武侠映画にかかせないほつれ髪。令狐冲のほつれ髪と争うようなステキな乱れ方であります。風呂にも入らず他の者はくっついてるのに一人だけさらさらしてます。服の破れ具合、汚れ具合も最高です。
ご主人様に忠実な奴隷と言う設定もなんだか萌えなんですが。
そして困ってしまうのが、敵の蒙古軍のランブルファ将軍(ユー・ロングァン)がヨソルを好きになってしまうこと。うーむ。確かに蒙古の将軍なんて勇者が好きそうだけど、お姫様そっちのけでヨソルを手に入れたがっているとしか思えないしな。ヨソルをゲルの中に捕らえた時、ヨソルが上半身はだけてるんで言い寄ってんのかと思いましたよな。しかし将軍だけ蒙古人らしい丸顔じゃなくて彫が深いんで時々勘違いしてしまう。後ろの人のような丸い顔の方のほうが蒙古人らしくてよかったんですけど(いいですけど)ハンサムだなあとは思うんですけどね。ヨソルを襲ってる時はハンサムなのでうれしかったですけど。

そしてアン・ソンギ。惚れる。ついて行きたい。かっこばかりでリーダーシップにかけるチェ将軍の影の指導者。 
隊正の武器は弓矢。そして百発百中かと言うような腕前である。これが決まっている。闇の中で矢を放つ時、火を飛ばせて弓を引く。遠く走って行くものにも命中する。が、暖かい心を持っていて奴隷のヨソルにも親切にする。いざと言う時頼りになるこれ以上ない男なのだ。こういう役者こういうキャラクターがいると映画が俄然重みを増す。

若きチェ将軍(チュ・ジンモ)将軍とは名ばかりで実際は隊正に人気をさらわれている。途中でさすがに若造の将軍も皆がついていってるのは隊正のチン・リプだと気づき荒れたりするがそれが却って惨め倍増。
明の姫君・プヨン姫(チャン・ツィイー)にも想いを寄せているのが見え見えだが、うまく口に出せず、姫が奴隷のヨソルに好意を抱いてるのを見てまた嫉妬。なかなか複雑な若造の心である。が、最後は戦って死ぬのが夢だったと男なところを見せる。でもヨソルとチェ将軍が共に死んだ時、姫が抱きしめたのはヨソルだった。将軍にはアン・ソンギが来たよ。残念でした。

プヨン姫(チャン・ツィイー)名前が可愛い。気の強い姫様の役をチャン・ツィイーが魅力的に演じてました。童顔なのでまるでアニメみたいだもの。惜しむらくは最後まで可愛いお姫様でしかなかったわけですが、男の映画だからこういう運命ですな。でもキュートでした。

そして忘れられないのが、ビエ将、かっこいいのだ。将軍に従いつつも反論もする。最後にヨソルに「すまない」とあやまるのがよかった。
目が印象的なこわもてです。

他にも最初は弱虫で帰ることばかりを願っていたダンセン(ハン・ヨンモク )が故郷に残した妻子を思い出させる妊婦の出産に必要な産湯を沸かす為、敵の陣地の井戸水を奪い、命がけで戦うところなどもよかった。

ところで、敵の目を欺く為、偽の姫を乗せた馬車をヨソルが走らせるところを見て「これは“マッドマックス2”だわ」と思いました。この疾走感、争い具合がマッドマックスを思い起こさせます。めちゃ好きなのですよ。私はマッドマックス迷なのです。してみるとヨソルを好きになるのも当たり前。後、砦の中で敵を迎え撃つ感じ、砦の前に捕虜が捕まってるとこなんかも似てますね。ヨソルの汚れ具合もマックス似。しゃべらないとこもね。

そういう色んな理由でこの映画が好きなのですが、キム・ソンス監督の他の作品は、と言うと「英語完全征服」なのですね。何だか、関係ないみたいですが、主役のチョン・ウソンとチャン・ヒョクは同じ顔だ。こういう顔が好きなんですね。2枚目好きなのだなあ。

追記:こういうのを観るといつも私は残酷さが云々をいうのですが、この映画に関しては私の恐怖心には触れなかったのです。韓国映画の武侠もの「清風明月」ではかなり参ったのですが、「武士」はよかったですね。結局は作品が好きかどうかだけということなのでしょう。静かな「清風明月」よりマッドマックスな「武士」の方が私には合っていた、ということでしょうか。女性の描き方もこちらの方が好きでした(てか、チャン・ツイィーだから)。

製作:チャ・スンジェ 監督:キム・ソンス 音楽:鷺巣詩郎 撮影:キム・ヒョング 編集:キム・ヒョン 美術:フォ・ティンシャオ 照明:イ・ガンサン

出演 ヨソル:チョン・ウソン チェ・ジョン将軍:チュ・ジンモ チン・リプ:アン・ソンギ プヨン姫:チャン・ツィイー ランブルファ将軍:ユー・ロングァン カナム:パク・チョンハク パク・チュミョン:パク・ヨンウ 僧チサン:イ・ドゥイル トチュン:ユ・ヘジン ハイル:チョン・スクヨン ダンセン:ハン・ヨンモク  2001年製作
posted by フェイユイ at 00:17| Comment(7) | TrackBack(1) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月04日

[薛/子]子(ニエズ)第十四集 ニュー・ヨーク

新公園にいたところを、警察に捕まったアチン達。嫌味を言われながら、腕立て伏せをやらされた。そこへ入ってきたのはシャオミンの父親。事情を知った上で連れて帰りたいと申し出る。だが、警察は規則だからと父親を追い返そうとした。シャオミンは僕は大丈夫だからと父に言うが、父親は懸命に食い下がる。そんなシャオミンの父親を見てアチンは、失望と憤怒が入り混じった自分の父親の目を思い出していた。

やっと放免されたアチン達は師父に連れられて師父の店に行く。警察に捕まっていたと聞いてあきれる奥さん。師父に麺を茹でさせながら、師娘(奥さん)はよその子供の面倒ばかり見て、となじる。師父は奥さんに香水を振り掛けてやりながら、自分達の娘も辛い目にはあわせない、と約束する。

師父はアチン達を老爺子の屋敷に連れていった。彼らが警察から放免されたのも老爺子の口添えがあったからなのだ。
老爺子は孤児院の面倒も見てあげている心優しい老人だった。だがかなり体が弱くなっていて、夜中に持病が出て苦しむ事もあるのだと家政婦さんは胸を痛めていた。
お屋敷の綺麗な部屋に通されてアチン達は周りを見回した。シャオユイは早速、壁に飾られた青年の写真を見つける。「見て、アチンこの人かっこいいよ。師父これは老爺子の亡くなった息子でしょう」師父は行儀の悪い弟子達を叱り付けた。「マナーを守らんか」
ようやくきちんと椅子に腰掛けたアチン達の部屋に老爺子はゆっくりとやって来た。歩くのも大変な様子である。
老爺子は「今回は何とか人に頼って子供達を助けたが、金海(師父)はもっと、子供達を指導しないといけない」と言われる。師父もこれに従うよう約束する。
老爺子は子供達を見回し家政婦さんにお菓子を出すよう頼む。師父は子供達を紹介していった。アチンの名を告げると老爺子はアチンをじっと見て「君は軍人の子弟だ」当てられてアチンと師父は驚く。老爺子はアチンの姿を見て「すばらしい人材なのに惜しいことだ」と言われた。
そしてシャオミンを呼び、手首の傷を見て「痛いかね」と聞いて自分がつけていた腕時計をはずしシャオミンに渡した。シャオミンは礼を言って受け取った。

シャオミンは会社へ行くチャンさんが通るのを待っていた。シャオミンを見てチャンさんは驚く。手首の傷と警察に捕まったことを聞くが、その言葉はどうしてもそっけない。「これから気をつけるんだよ。お父さんを心配させないように」シャオミンは「僕、今日父と南部へ帰ります」突然の言葉にチャンさんは言葉を失い、腕時計を見て「もう遅刻だ。行くよ。体に気をつけて」と言った。シャオミンはさよならと告げただけだった。

列車の中で、父親はシャオミンに果物を食べなさい、と言って一人タバコを吸うために席を立った。
こうしてシャオミンは父親と南部へ帰って行った。

アチンはロンズの家を訪ねた。フォン爺が喜んでアチンを迎え、あなたが来なかったので坊ちゃまはふさぎっぱなしですよ、と言った。
アチンを見るとロンズはぱっと顔を輝かせた。「もう来てくれないのかと思ったよ。師父は怖くナイのかい」「いいえ、僕達は警察に捕まっていたんですよ。やっと出られたけど、シャオミンは父親に知られて南部へ連れて行かれました」「お父さんは知ったのに彼を受け入れたんだね。僕達と比べたら彼は幸運だったんだ」「僕もそう彼に言いました。でもなぜ僕達はこんなに笑いものにされるのか。僕達だって普通の人と同じなのに、違いますか。一生の秘密を持って永遠に口を開けない」「それが僕達の運命なのかもしれない。知ってるかい。僕の名前のクイという漢字はとても書きづらい。クイロンと言うのは古代の災いの龍だそうだ。それが出現する時は天災・洪水を引き起こすんだ。僕はいつも不思議だった。父が何故僕にこの名を選んだのか。こんな不吉な名を」

ロンズは思い出す。
アフォンを殺害した後、僕は警察からやっと出され屋敷に戻ったが、父の命令でニュー・ヨークへ行かされることになった事を。母親は一人息子を目の届かぬ所へやる悲しみで泣き崩れたが、将軍である父親は「わしがこの世にいる限り戻ってきてはならん」と言い渡した。
父親は僕を法の手から助け出し、パスポートを用意し、ニューヨークへ追いやったのだ。

僕の心は死んでしまった。
腑抜けのようになった僕はニューヨークの街角で暴力を受け、金を強奪された。僕は考える力を失っていた。時間も止まっているようだった。
自分の手首を切り、感覚があるのか確かめた。全く痛くなかった。ただ血の匂いがした。

僕はレストランで働いた。怒鳴りつけられ、働き続けた。そしてある日知覚が戻った。
寒い冬の夜に道端に座り込んでいる黒人の少年がいた。「助けて」と彼は僕を呼んだ。その姿は死んでしまっていた僕の心を起こした。地面にうずくまっているその姿を見て僕はアフォンを思い出したのだ。雨に打たれ泣いているアフォンを。
僕は少年を家に連れて帰り、食事を与え、暴力を受けたらしいからだの傷を手当し眠らせた。
しばらくして彼が寝ている部屋にはいると姿がない。少年は僕のコートを探っていたのだった。僕は優しく「怒らないよ。お金がいるなら言うといい。怖くない、おいで」だが少年は手にしたはさみを僕の胸に突き刺した。僕は血がどくどくと流れ出す胸を抑えた。
僕は完全に記憶を失っていた。知覚を失っていた。まるで高圧電流かのように僕の心を激しく揺れ動かした。刹那、全てが戻ってきたのだ。僕ははっきりと見た。自分の血が一滴一滴地面に落ちていくのを。以前の一幕一幕がまるで万華鏡のように寄せ合わされたのだ。そう、僕はこの一刃を受けるべきだったのだ。これは天が僕にくれた贖いの機会だった。

2年後、僕は父が亡くなったという便りを受け取った。突然、強烈な欲望が沸き起こった。家に帰りたい。台北に帰りたい。新公園に帰りたい。僕は蓮の花の池へ再び帰るのだ。

地下鉄のなかで黒人の男がアコーディオンを弾きながら歌を歌っていた「家に帰ろう、家に帰ろう。本当の人生は今、始まったばかり」

不思議に思うのはアフォンを殺したロンズがすぐに家に戻れる事。まあ、これがお金持ちとアフォンのような身の上の違いなのでしょうか。それと上の文では書かなかったけど、ロンズが警察から出てくる時、女学生が騒いでいる。ナンなのか不思議だったけど、これは犯人であるロンズのファンになった女の子達なわけですね。驚き。

そしてここで急に南部に帰ってしまったシャオミン。あまりのことに愕然。泣きたくなってしまいました。

原作:白先勇 監督:曹瑞原 出演:柯俊雄(李父)柯淑勤(李母)范植偉(李青)張捷(幼年李青)楊祐寧(趙英)金勤(小玉)阿鳳(馬志翔)龍子(トゥオ・ゾンファ)楊教頭(丁強)呉敏(張孝全)老鼠(呉懐中)林義雄(林茂雄)李昆(老周)
posted by フェイユイ at 22:43| Comment(2) | TrackBack(0) | [薛/子]子(ニエズ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「バッド・エデュケーション」ペドロ・アルモドバル(BlogPet)

きょうじえるんがネスに出演したかったの♪
そしてフェイユイは寄宿したよ♪


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「じえるん」が書きました。
posted by フェイユイ at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月03日

「楽園の瑕(東邪西毒)」ウォン・カーウァイ

西毒.jpg

夢中で愛した映画を今やっとここに記すことになりました。

ウォン・カーウァイによるレスリー・チャン演じる「不毛の愛」3部作の2作目。ずっと中文字幕でのみ観ていてもその時間がとまったかのようなまたは過去と未来を行き来するようなそして美しい世界に浸りきったのでした。

しばらく観ないでいるその間に私は武侠ドラマにはまってしまったことは当然のことなのかもしれません。そして「射[周鳥]英雄伝」を元にしてその登場人物たちの若き日を描いたと言うこの「楽園の瑕」再び観てみてその名前の印象が以前観た時とは違うようになったのもまた当然です。

物語を知って観てみるとやはりとても面白いのです。特に「藍空」を見に来てくださる方は「射[周鳥]英雄伝」を知っている方が多いと思いますのでそれと絡めて話していきます。

レスリーは若き西毒・欧陽峰を演じています。彼には愛する女性がるのですが、離れている間に兄嫁となってしまったのですね。彼女は一言「愛している」と言ってくれれば心を変えたのかもしれないのですが、強情な西毒は黙ったまま彼女の元を再び離れ、砂漠で殺しの請負人をやっています。だが西毒の心は常に兄嫁になった女性から離れてしまうことはなかったのです。彼女も西毒を忘れる事ができず、悲しみにくれたまま芯で行くのです。だが、兄の息子として生んだ男の子は実は西毒の子供だった。これはドラマでもありましたね。もうこの辺なんかドラマの欧陽峰と欧陽克の顔がちらちらします。これを観ると欧陽峰はほんとに欧陽克が可愛かったろうなあと思われます。
東邪はレオン・カーファイ。彼は慕容家の女性や友人である西毒の想い人そして桃花と言う名前の女性を愛します。そして1年に1度西毒の想い人である女性に会うために西毒を訪ねその様子を知らせに女性に会いに行くと言う習慣を持っています。そして言えばいいのに西毒に彼女の居場所を教えてあげません。ドラマで西毒と東邪が睨み合ってるはずですな。
彼女が死ぬと東邪はもう西毒を訪ねるのはやめてしまい、桃花島に閉じこもってしまいます(ドラマどおり!)
洪七公は洪七という名前で登場。ジャッキー・チュンが演じています。純粋な気持ちを持つ風来坊です。卵一つの報酬のために金のない女のために殺人を犯します。その時指を1本失ってしまうのです。これはあのドラマでは多分なかったですよね。実は原作では洪七公は指が1本ないのです。なぜかと言うに彼はあんまり食いしん坊なので人差し指がぴくぴく動いてしまうのでこれはいかんと自分で指を切ってしまうんですよ。映画ではこういうエピソードになってました。
東邪を愛するあまり二重人格になってしまう女をブリジッド・リンが演じています。その名は慕容燕・慕容媛。兄の人格である慕容燕は黄薬師(東邪)が妹を捨てた復讐のために彼を残酷に殺して欲しいと西毒に殺しを頼みに来るのでした。一方、妹の人格・慕容媛は金は2倍払うから東邪を殺さず、代わりに兄を殺して欲しいと頼むのです。兄、と言うのは自分自身。東邪を愛して愛されなかった彼女は精神が破綻してしまったのでしょう。

そうやってドラマを思い出しながら存分に楽しんだのですが、その上この映画の持つ気だるく悲しい雰囲気にも酔いしれました。レスリーの想い人を演じるのはマギー・チャン。決して結ばれる事のない愛する人への思いは彼女の命を奪ってしまう。彼女もまた強情を張っていたのですね。愛する人を思いながら遠くを眺めているのであろう彼女の表情は切なく心を揺さぶります。その彼女を愛しながらも報われる事のない東邪も悲しいのですが。

映画ではもうすぐ目が見えなくなってしまう剣士が登場します。演じるのはトニー・レオン。そして彼の帰りを待ち続けるのが実際にも奥様であるカリーナ・ラウ。この女性とも東邪は絡んでいるわけで複雑ですね。このトニーのかっこよさは必見です。この映画の中で一番かっこいいのはこの剣士でしょうから。また奥様カリーナの水の照り返しによる白い肌の色っぽさもまた見逃せません。

最後にレスリーになりますが、もうこの時の西毒・レスリーの美しさ、色っぽさは勿体無くて話せません。愛する人を思い続けてただ時のたつのを待つだけの男。冷酷な言葉と金勘定だけを生きる術にしている空虚な男の役を演じるレスリーはこれ以上考えられないほどの魅力があります。甘い顔立ちを引き締めている髭もばらばらと乱れている髪もレスリーの美しさを引き立てるばかりです。訪ねてくる友を待つレスリーの姿にも魅入られてしまいます。
幼い頃から孤独で拒絶されないためには先に拒絶するのだという悲しい心を持つ西毒。占いによると彼は一生結婚できず愛も育たないと言う。そのとおりだと西毒は思うのでした。

ウォン・カーウァイがレスリーを演じさせたそのどれもがレスリー本人と重なりあうように感じられるのは何故なのだろう。「欲望の翼」「ブエノスアイレス」どちらも私は愛するのだが、「楽園の瑕」は最も苦い愛の苦しみを感じさせてくれる。

監督:王家衛 撮影:クリストファー・ドイル 美術:張叔平 出演歐陽峰<西毒>=張國榮(レスリー・チャン) 黄薬師<東邪>=梁家輝(レオン・カーフェイ) 盲剣士=梁朝偉(トニー・レオン) 洪七 <北夷>=張學友(ジャッキー・チョン) 慕容燕/媛=林青霞(ブリジッド・リン)桃花=劉嘉玲(カリーナ・ラウ) 歐陽峰の兄嫁=張曼玉(マギー・チャン) 村の娘=楊采[女尼](チャーリー・ヤン)  1994年製作
posted by フェイユイ at 23:10| Comment(9) | TrackBack(2) | レスリー・チャン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月02日

「バッド・エデュケーション」ペドロ・アルモドバル

バッド3.jpgt-badeducation.jpgバッド.jpgバッド2.jpg

「モーターサイクル・ダイアリーズ」でチェ・ゲバラの爽やかな青年期を演じたガエル・ガルシア・ベルナルが、今度は妖しい魅力で男を惑わせる可愛い青年を演じております・

クールな映画監督役のフェレ・マルチネスを好きになる方も多いと思うけど、やっぱり私としてはガエルがよかった。

「モーターサイクル・ダイアリーズ」では気づかなかったんだけど、ガエルは割りと小柄なのだ。そしていかにも可愛い青年の顔をして中年男を手玉にとり、監督も騙してしまう小悪魔な男をやってしまうんだからうれしい。
女装姿もキュートで申し分なし。

スランプに陥り新作映画のストーリー作りに手間取っている若き映画監督エンリケの元に親友だったイグナシオと名乗る男が映画のアイディアを持ってやってくる。そしてその映画の役が欲しい、と言うのだ。持ってきた筋書きというのはかつて二人がカソリックの寄宿学校にいた頃のこと、ふたりが愛し合っていた事(子供ですが)やイグナシオに言い寄って身体を求めた神父についての話であった。興味を持ったエンリケだが、なぜか親友イグナシオに不信感を持つ。やがてその不信感が現実になり、それ以上にややこしく運命の糸が絡まっていく。

イグナシオと名乗ってやってきた男は本当はその弟・ホアンでそれをガエルが演じているのだが、女装姿で舞台に立ち「キサス・キサス・キサス」を歌ったり、寄宿学校時代が語られたり、映画撮影風景が入り込んだり。突然、神父だった男が違う名前で出てきたり、物語が錯綜して楽しいのだよ。
ペドロ・アルモドバル監督作品は他にはまだ「トーク・トゥ・ハー」しか観てませんがやはり面白い映画でした。そんなに複雑でワケわからんと言うほどではないが、重なり合うような物語の組み立て方が大好きなのだ。

この作品はペドロ・アルモドバル監督の半自伝的作品ということでこんなに官能的な体験をされているとはさすが。
「トーク・トゥ・ハー」でベニグノを熱演したハビエル・カマラが今回はドラッグクイーンな踊り子(?)役でまた熱演。前回に続き人々の怖気を誘うでしょうか。

監督:ペドロ・アルモドバル 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、フェレ・マルチネス、ハビエル・カマラ 2004年製作
posted by フェイユイ at 21:28| Comment(2) | TrackBack(2) | 中南米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

三人三色「インフルエンザ・夜迷宮・鏡心」

三人三色4.jpg

韓・中・日の三人の監督による3つのデジタルショートフィルムということなのでカテゴリに迷いましたが、一応、韓国のポン・ジュノ監督作品が目的だったので韓国に入れてみました(複数入れられるといいのですけどねー)

イントロで流れるアニメーション。ちょっと中に入るのをためらわれる気色悪さです。嫌ですねー(褒めてます)

三人三色2.jpg

『インフルエンザ』監督:ポン・ジュノ 出演:ユン・チェムン、コ・スヒ
「殺人の追憶」「ほえる犬は噛まない」でそのおもしろさに唸らされたポン・ジュノ監督。ここでも韓国映画お得意の暴力による恐怖がひたひたと迫ってきます。が、ポン・ジュノ監督は節度ある(?)暴力描写をする方なので過剰に怖気づかなくてよいので助かります。と言ってもその暴力が決して生ぬるいわけではなく、静かな描写なだけによりその恐怖は現実的に感じられることでしょう。

ソウル市内の監視カメラが撮った映像という演出です。これはちょっと騙されてしまいそうですね。一人の男の堕落ぶりを監視カメラが捉えていくという面白さ。
そういえばなぜか最近日本のニュースで韓国の犯罪・事故のニュースが多いけど、何故でしょうか?監視カメラに映し出されたものというのも多いですよね。エレベーターの中で犯人と二人きりになった若い女性がぼこぼこにされると言うのも見たけど。怖かった。おばさんが銀行強盗をぼこぼこにする、というのも見たけど。

男はいくつかの場面を見られているわけだけど、特に最後のは凄い。ガラス張りの狭いATMコーナーで衆目のなかで行われる犯罪。気づいた通行人が騒いだり、けんかになったりしている様が映し出される。何の感動もなく行われる殺人・強盗。男に文句を言ってる共犯者の女。ガラスには可愛いマークが貼られ、犯人は黙々と何か食べている。監視カメラは何の思い入れもないのでアップになったりスローになったりもしないわけで、淡々と事実を捉えるだけなのだ。それがこの映画の味でした。うまい。

三人三色.jpg

『夜迷宮』監督:ユー・リクウァイ(余力爲) 出演:ナ・レン、チョウ・チスン
近未来都市プラスティックシティ。大寒波のために地上での生活が不可能になり、人々は無人の地表から50層ほど下にある宿泊所で生活している。
ビールの空き缶を集めて潰してはつなげてペットのように引きずっている“キリン”という男が主人公だ。
幻想的な作品でぼーとした夢をみているようだ。映像もピントが合ってなくて照明も薄暗い。こういう雰囲気、結構好きである。映画のストーリー、と言うことではなくてこの穴の中のぼんやりとこもった空間がよい。

監督のユー・リクウァイ(余力爲)は賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の「世界」などの撮影を手がけ、監督作品としては「天上の恋歌」があります。

三人三色3.jpg

『鏡心』監督:石井聰亙 出演:市川実日子、猪俣ユキ、KEE、町田康
手がけた仕事がうまくいかず旅立った女が出会った世界とは。
これもまた以前見た夢に似ている話だ。今は仕事に疲れ死んだように眠るので全然夢を見ないのだが、学生時分はよくこういう南の島に行く夢を見たりした。やはり楽園と言うイメージなのだろうか。なぜかジョディ・フォスターの「コンタクト」を連想した。これも女性だ。
本当に南の島に行ってみたいものである(そういう感想でいいのか)

製作2004年 全州(チョンジュ)国際映画祭にて上映
posted by フェイユイ at 15:03| Comment(0) | TrackBack(1) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月01日

「緋牡丹博徒」藤純子・高倉健

緋牡丹.jpg

お正月らしく華やかに行きたいと思いまして藤純子さんの「緋牡丹博徒」を選ばせてもらいました。

有名な映画ですから、タイトルは知っていましたが、観るのは初めてです。
実は高倉健さんの映画を観たいと思って借りたんですが、これは最高にかっこいい映画ですね。

明治中期。九州は熊本出身の緋牡丹お竜こと矢野竜子は人吉で一家を構える博徒の娘であった。早くに母親を亡くしたがその遺言で堅気として生きていけるよう大事に育てられる。お茶にお花お裁縫、小太刀の免状までも持っているのだ。商家の嫁入りも決まったある日、父親が辻斬りに遭い、縁談も破棄されてしまう。親分が死んでしまうと子分達は皆、出て行ってしまい残ったのはずっとお嬢さんについていくと誓ったふぐ新だけだ。竜子はふぐ新に堅気になるように言うと自分は父の仇を討つため旅立ったのだった。

とにかく藤純子さんが美しい。真っ白な肌に緋牡丹の刺青が眩しい。九州弁もお竜さんが話すとかっこよか。同じ九州女として憧れてしまうばい。九州弁は日常語けん、うれしかとたい。
髪をあげ、着物姿でピストルを持つお竜さんのなよやかなのにきりりとした女っぷり。啖呵を切られた親分さんも思わずうれしくなってしまうのもしょうがないやね。その美貌に一目ぼれした若山富三郎演じる熊虎・熊坂寅吉は堅めの杯と聞いて結婚と勘違いして舞い上がり「兄弟分でしょ」と言われがっくりするのが可哀想だった(しかしこのちょび髭親父が若山富三郎さんだとは。すぐには気づかなかったよ)
お竜さんは強くて綺麗なだけでなくいつも周りの人に明るく優しく振舞うすがたもまたりりしいのである。男達はみんなお竜さんを好きにならずにはおれないだろう(イヤ女だって)辛い事悲しい事があっても唇を振るわせるだけでお竜さんは耐えていくのだ。だが時折見せる女らしい弱さがまた愛おしいではないですか。

そして特別出演の高倉健さんの登場。出番は少ないのだが、この存在感、着流し姿ですらりと立つ高倉健さんはもう身震いほどの色っぽさである。逞しいのに腰の辺りはしゅっと細くて見とれてしまう。藤純子さんとのからみ場面など背中がそくそくと毛羽立ってくるようだ。眼差しが強くてしかも若いために何とも言えぬ甘さがあって。高倉健はずっと知っていたわけだけどこんなにもかっこいい人だったんだと改めて認識しました。

出だしから登場する不死身の富士松(待田京介)が危ない目に遭いながらもその名のとおり死ななかったのもうれしい演出でした。かたやお竜さんをお嬢さんと言って慕い続ける子分のふぐ新の死はまた心に残るものでありました。
金子信雄、清川虹子も見ごたえある存在でしたね。健さんと義兄弟である加倉井(大木実)の憎らしさも満点でした(よくこんなにむかつく演技ができるものだ。感心)

日本にもこんなにかっこいい女侠客がいたのだと打ちのめされうれしい感動でした。藤純子のお竜さんの清らかな着物姿をまた観ずにはおれません。
posted by フェイユイ at 13:04| Comment(7) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新年快楽!

あけましておめでとうございます。どうぞ今年もよろしくお願い致します。

昨年中はドラマ「笑傲江湖」はまっていたこともあり(まだ見終わってもいませんが)観たい、観るべき映画も多少たまっております。
そういう映画を看破しつつ今年も記事を書いていきたいと思う所存であります。今年もご教示、励ましなどいっそう賜りたいと願うフェイユイでございます。
posted by フェイユイ at 00:28| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。