2006年01月02日

「バッド・エデュケーション」ペドロ・アルモドバル

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「モーターサイクル・ダイアリーズ」でチェ・ゲバラの爽やかな青年期を演じたガエル・ガルシア・ベルナルが、今度は妖しい魅力で男を惑わせる可愛い青年を演じております・

クールな映画監督役のフェレ・マルチネスを好きになる方も多いと思うけど、やっぱり私としてはガエルがよかった。

「モーターサイクル・ダイアリーズ」では気づかなかったんだけど、ガエルは割りと小柄なのだ。そしていかにも可愛い青年の顔をして中年男を手玉にとり、監督も騙してしまう小悪魔な男をやってしまうんだからうれしい。
女装姿もキュートで申し分なし。

スランプに陥り新作映画のストーリー作りに手間取っている若き映画監督エンリケの元に親友だったイグナシオと名乗る男が映画のアイディアを持ってやってくる。そしてその映画の役が欲しい、と言うのだ。持ってきた筋書きというのはかつて二人がカソリックの寄宿学校にいた頃のこと、ふたりが愛し合っていた事(子供ですが)やイグナシオに言い寄って身体を求めた神父についての話であった。興味を持ったエンリケだが、なぜか親友イグナシオに不信感を持つ。やがてその不信感が現実になり、それ以上にややこしく運命の糸が絡まっていく。

イグナシオと名乗ってやってきた男は本当はその弟・ホアンでそれをガエルが演じているのだが、女装姿で舞台に立ち「キサス・キサス・キサス」を歌ったり、寄宿学校時代が語られたり、映画撮影風景が入り込んだり。突然、神父だった男が違う名前で出てきたり、物語が錯綜して楽しいのだよ。
ペドロ・アルモドバル監督作品は他にはまだ「トーク・トゥ・ハー」しか観てませんがやはり面白い映画でした。そんなに複雑でワケわからんと言うほどではないが、重なり合うような物語の組み立て方が大好きなのだ。

この作品はペドロ・アルモドバル監督の半自伝的作品ということでこんなに官能的な体験をされているとはさすが。
「トーク・トゥ・ハー」でベニグノを熱演したハビエル・カマラが今回はドラッグクイーンな踊り子(?)役でまた熱演。前回に続き人々の怖気を誘うでしょうか。

監督:ペドロ・アルモドバル 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、フェレ・マルチネス、ハビエル・カマラ 2004年製作


posted by フェイユイ at 21:28| Comment(2) | TrackBack(2) | 中南米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

三人三色「インフルエンザ・夜迷宮・鏡心」

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韓・中・日の三人の監督による3つのデジタルショートフィルムということなのでカテゴリに迷いましたが、一応、韓国のポン・ジュノ監督作品が目的だったので韓国に入れてみました(複数入れられるといいのですけどねー)

イントロで流れるアニメーション。ちょっと中に入るのをためらわれる気色悪さです。嫌ですねー(褒めてます)

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『インフルエンザ』監督:ポン・ジュノ 出演:ユン・チェムン、コ・スヒ
「殺人の追憶」「ほえる犬は噛まない」でそのおもしろさに唸らされたポン・ジュノ監督。ここでも韓国映画お得意の暴力による恐怖がひたひたと迫ってきます。が、ポン・ジュノ監督は節度ある(?)暴力描写をする方なので過剰に怖気づかなくてよいので助かります。と言ってもその暴力が決して生ぬるいわけではなく、静かな描写なだけによりその恐怖は現実的に感じられることでしょう。

ソウル市内の監視カメラが撮った映像という演出です。これはちょっと騙されてしまいそうですね。一人の男の堕落ぶりを監視カメラが捉えていくという面白さ。
そういえばなぜか最近日本のニュースで韓国の犯罪・事故のニュースが多いけど、何故でしょうか?監視カメラに映し出されたものというのも多いですよね。エレベーターの中で犯人と二人きりになった若い女性がぼこぼこにされると言うのも見たけど。怖かった。おばさんが銀行強盗をぼこぼこにする、というのも見たけど。

男はいくつかの場面を見られているわけだけど、特に最後のは凄い。ガラス張りの狭いATMコーナーで衆目のなかで行われる犯罪。気づいた通行人が騒いだり、けんかになったりしている様が映し出される。何の感動もなく行われる殺人・強盗。男に文句を言ってる共犯者の女。ガラスには可愛いマークが貼られ、犯人は黙々と何か食べている。監視カメラは何の思い入れもないのでアップになったりスローになったりもしないわけで、淡々と事実を捉えるだけなのだ。それがこの映画の味でした。うまい。

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『夜迷宮』監督:ユー・リクウァイ(余力爲) 出演:ナ・レン、チョウ・チスン
近未来都市プラスティックシティ。大寒波のために地上での生活が不可能になり、人々は無人の地表から50層ほど下にある宿泊所で生活している。
ビールの空き缶を集めて潰してはつなげてペットのように引きずっている“キリン”という男が主人公だ。
幻想的な作品でぼーとした夢をみているようだ。映像もピントが合ってなくて照明も薄暗い。こういう雰囲気、結構好きである。映画のストーリー、と言うことではなくてこの穴の中のぼんやりとこもった空間がよい。

監督のユー・リクウァイ(余力爲)は賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の「世界」などの撮影を手がけ、監督作品としては「天上の恋歌」があります。

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『鏡心』監督:石井聰亙 出演:市川実日子、猪俣ユキ、KEE、町田康
手がけた仕事がうまくいかず旅立った女が出会った世界とは。
これもまた以前見た夢に似ている話だ。今は仕事に疲れ死んだように眠るので全然夢を見ないのだが、学生時分はよくこういう南の島に行く夢を見たりした。やはり楽園と言うイメージなのだろうか。なぜかジョディ・フォスターの「コンタクト」を連想した。これも女性だ。
本当に南の島に行ってみたいものである(そういう感想でいいのか)

製作2004年 全州(チョンジュ)国際映画祭にて上映
posted by フェイユイ at 15:03| Comment(0) | TrackBack(1) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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