2006年01月08日

笑傲江湖・第三十八集 前半

霧が立ち込める切り立った山頂で令狐冲と盈盈は楽の根を楽しみながらゆったりとしている。だが令狐冲はつぶやく「はかない人生だ。育った地からは追い出されてしまい、必死に学んだ“独孤九剣”も結局役にはたたない。権力など無関心なのに掌門になり、魔教を憎んでいたのにその娘と恋におちた」「後悔している?」「するもんか」「私もよ。二人で遠くへ行こうって本当?」「うん。あの劉先輩と曲先輩、何故二人が去ったのか、今やっとわかった。盈盈、“笑傲江湖”の曲を教えてくれ」「彼らみたいに一緒に弾けたらいいのにね。でもきっと無理だわ」「なぜ」「二人は争いに負けて死んだのよね」「君の父親も師父もそんなに酷い人ではないと思う」「まだ岳不群のことを師父だと思っているの。あなたを利用するだけなのよ」「恩があるんだ。・・・いつかふたりで桃源郷へ行けたらいいな。誰が何と言おうとも掌門の座を譲れたら二人で行こう」二人は互いを見つめあい手を取り合って語りつくしたのでした。美しい場面です。本当に江湖のいざこざなど打ち捨てて逃げて欲しいとさえ思います。

任我行は向問天の反対を押し切って、部下に「令狐冲が梅庄で任我行をすくって教主の座に戻してくれた事を公表せよ、その礼として副教主に任じる」と命じた。向問天はそれが令狐冲を追い詰める事を感じていた。

少林寺には「令狐冲が任我行を助け。東方不敗を倒した」と言う知らせが届いていた。方証大師と冲虚道長は、任の策略である事を見抜く。「任と岳は令狐冲を奪いあっているようだな」そして岳不群が辟邪剣譜を身につけたことに気づいていた。そんな折、岳不群が訪ねてきたのであった。
岳不群は流れている令狐冲の噂を肯定した。そして令狐冲が魔教に通じ、武林の正義を汚すとんでもない罪を犯しました、と言うので大師は「それほどでは」と否定される。が岳不群は「いや、大変な迷惑をかけました」と答える。そして「魔教は江湖統一を目指しているのです」
道長は「だが、きっと何か事情があって助けたのでは。二人を同類にするのは妥当ではないでしょう」と口添えしてくれるのに「令狐冲は人に流されやすいのです。しかも魔教の娘に誘惑され夢中になっている」そして「今回のことでは非常に恥をかいた」方証大師は微笑みながら「まあそう深く悩まずに。風清楊の直伝なら邪教には走らないはず。任盈盈も令狐冲と一緒にいる事で凶暴な性格がなりを潜め、だいぶん大人しくなったようです。任我行も教主に戻ったが、状況は昔とは随分違うようです」それを聞いていた岳不群はため息をつき、任我行のような者が改心するとでも。」「では岳掌門のお考えは」「戦うのみ。お力をお借りしたくここに来ました」が方証大師は戦いが始まれば世の中は乱れる、何とか事を穏便にと言われた。岳不群は大師に手助けの意思がないと気づき、「では一人で挑戦しましょう」と言って立ち去った。残った大師と道長は岳不群が争いを始めれば武林の災いは逃れられない。全ては令狐冲にかかっている、と話し合った。


posted by フェイユイ at 22:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

笑傲江湖・第三十七集 後半

青城派は岳霊珊に「辟邪剣譜を出すよう説得すれば林を返そう」と言われ縛られた林平之と同じ部屋に押し込められる。
岳霊珊は「平之」と呼び続け抱きつくが縛られた林平之は嫌そうに顔をそむけ「ばかもの」と冷たく言うだけなのだ。だが岳霊珊は「死んでも一緒にいたい」とすがりつく。これを聞いた林平之は「死にたいか。なら死ぬ前に教えてやろう。俺の曽祖父・遠図公はもとは僧侶だった。“辟邪剣譜”に出会って袈裟に書き写した。だがその最後にはこう記されていた。“この剣法は悪辣すぎる。これを修練するものは例外なく子孫を絶やすだろう”
剣譜を見つけた時、結婚後に修練しようと思ったが、その魅力に我慢できなかった。私はすぐ去勢して修練をしたのだ」これを聞いた岳霊珊はさめざめと泣いた。「あなたは去勢をして剣の稽古を」「それが辟邪剣譜の秘訣だ。辟邪剣譜を習得する者は自ら去勢をせよ。この剣譜を作った偉大な先輩は宦官だったのだ」「では父も同じ?」「この剣法を習得した者に例外はない」「嘘よ」「奴は剣譜を手に入れていたのに、それを令狐冲に罪をかぶせた。お前の母は疑いを持った。髭が薄くなり声が高くなったからだ。それは去勢のためだった。やがて彼は秘密がばれるのを怖れて辟邪剣譜の記された袈裟を谷に投げ捨てた。それを私が手に入れたのだ」そういって笑った。岳霊珊は打ちのめされた。と、その時、外で人の倒れる音がして、黒衣の男が飛び込んできた。そして林平之を縛った綱を切リ「行くぞ」と連れ出した。

山の中で黒衣の男が覆面を取るとそれは何と二師兄・労徳諾であった。「私は岳不群に殺されかけたが逃げた」と吐き捨てるように言い放った。
林平之は「お前が辟邪剣譜を嵩山に持ち込み左冷禅に修練させたのだな」「私は元々嵩山派だったのだが、崋山派に入り込んでいたのだ。だがまさか岳不群が偽物の辟邪剣譜を渡すとは思いもよらなかった」「それで本物を狙っているのだな。わかった。もし岳不群を殺せば本物を渡そう」労徳諾は「協力して辟邪剣譜を研究してお前の夢を果たそう」林平之は「よし。岳不群を殺してくれればついて行くよ」と嬉しそうに笑う。聞いていた岳霊珊は「私はなんて不幸なの」とつぶやく。それを聞いた林平之は「解った。ではここで不幸は終わりにしてやろう」と言うや岳霊珊の腹に小刀を突き刺した。それは岳不群・寧中則が自分たちの結納の品を岳霊珊に譲った緑色の宝剣であった。岳霊珊の結婚の祝いにと贈られた宝剣で妻である彼女の胸を刺すとは何と酷いことをするのだろうか。「あっ」低いうめき声を上げて岳霊珊は崩れ落ちた。その腕を林平之に差し伸べながら。「終わった」と労徳諾は告げた。

令狐冲と盈盈は急いで岳霊珊の後を追いかけてきた。がやっと見つけた時、悪党二人はその場から逃げ出してしまった。令狐冲は追いかけるのをとどまり、胸に小刀を刺したままの小師妹を抱き起こした。令狐冲の顔は苦渋に満ちている。小師妹は「大師兄、ごめんなさい」とささやいた。そして「頼みがあるの」令狐冲は昔のように「何でも言う事を聞くよ」と返した。彼はいつでも小師妹の無理な頼みをかなえてきたのだった、どんな頼みでも。「林平之は目が見えず一人ぼっちなの。私が死んだら、彼を守ってあげて」「あんな酷い奴、忘れた方がいい」「いいえ、彼は本気で私を殺したんじゃないの。手が滑っただけ・・・大師兄、彼を守ってあげてください」最後の願いを令狐冲ははねつけることができなかった「わかったよ、小師妹」
小師妹は死んだ。物言わなくなった亡骸を抱えて令狐冲は叫んだ「小師妹」抱き上げて歩き出した。そして力尽き倒れた。

気がついた時、盈盈が傍らで琴を弾いていた「彼女は土に還ったわ」盈盈は小師妹を葬り墓を作ってくれたのだ。令狐冲は「盈盈。小師妹とは幼馴染だった。俺達の事気にしないでくれ」盈盈は少し苦しげに、頷いた。「師娘が来ておられるわ」
見ると寧中則が娘・岳霊珊の墓の前で泣いていた。「こんなこと信じられない」と嘆き悲しむ姿に令狐冲はひれ伏す。師娘は今までのことを酷く後悔して涙にくれるのだった。そして「仇を討ちたいけどもう私にはその力がない。令狐冲、仇を討って」これに令狐冲は戸惑い小師妹に林平之を守ると誓った事を伝える。師娘はまた涙を流す。令狐冲は突然「私の母親になってください。そして一緒に暮らしましょう」と師娘の身体を支えて立ち上がらせ、馬車に乗せると共に乗り込んで走り去った。後に一人、盈盈を残したまま。盈盈はしばらくその馬車を見ていたが、静かに立ち去った。

岳不群と寧中則は大勢の前で令狐冲を養子に迎える祝いの席をもうけていた。が、そこに令狐冲の姿はない。岳不群は令狐冲を呼んで来いと言い付けた。

令狐冲は嵩山の屋敷内をうろついていた。部屋に戻るとそこに向問天が酒を飲んでいるではないか「向兄貴。どうしてここに」「任教主の命令だ。お前を黒木崖に戻らせ、教主を引き継がせる」「お気持ちはありがたいが命令には従えない」「任教主は怒っている。岳不群の総帥就任と辟邪剣譜の習得だ」そして言葉を続けた「まさか江湖が3人の手に握られるとはな。お前と任教主、そして岳不群だ。二人は江湖の統一と言う野望がある。今、問題なのはお前がどちらにつくのか、と言う事だ」「俺はもうこの件とは関係ないんだ」「身を引くというのか。では死ぬしかないな。お前が死ねば皆が安心する」「俺は師娘のためにここに来たんだ」ここまで話した時、向問天は気配に気づき、岳不群がつけた見張りを叩き落とす。「誰の差し金だ」「師父の命令です」誰かが逃げる音を聞きつけ、向問天は令狐冲に「盈盈と遠くへ逃げろ。そして二度と現れるな。奴らより酷い死に方をするぞ」が、令狐冲はにやりと笑って酒を飲んだだけだった。

岳不群は弟子を使って令狐冲を建物ごと爆破させようとしていた。そこへ師娘がやってくる。弟子達は慌てておしとどめたが、寧中則の技をとめきれるものはなかった。次々と彼女に倒され、寧中則は進んでいった。そして爆発した。

寧中則と令狐冲は死んではいなかった。寧中則は令狐冲と盈盈を前にして話しかけた。
「私は愚かなことをした。母さんを許しておくれ」「母さん。一緒に恒山へ行きませんか」寧中則は首を振り「あなた方の幸せを祈っています」

院では岳不群が弟子に問いただしていた「師娘はみつかったか」「いえ、まだです」「そんなはずはない。行け。私の命令だ。必ず探し出すのだ」

小師妹の最後は酷すぎます。甘やかされわがまま一杯だったはずの彼女がこんな辛い死を迎えるとは。彼女の死に嘆く令狐冲の姿を見て涙が溢れて困りました。
令狐冲に盈盈と逃げろと言う向問天の言葉が優しくてまたじんわり。
師娘はどこへ行ってしまったのでしょうか。必ず探せと言う岳不群の言葉が恐ろしいです。

出演:李亜鵬(リー・ヤーポン)(令狐冲)許晴(任盈盈)李解(林平之)孫海英(田伯光)陳麗峰(儀琳)彭登懐(余滄海)李勤勤(定逸師太)巍子(岳不群)苗乙乙(岳霊珊)巴音(向問天)劉仲元(莫大)
posted by フェイユイ at 19:52| Comment(3) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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