



犯罪以外は何もない“罪の街=シン・シティ”。最初から最後までこれでもかのかっこいい映画である。
アメコミを忠実に映画化した作品とあってワンカットそれぞれの構図がキマッている。
モノクロームに血、目、唇など印象的な箇所だけが鮮やかな色をつけられてこれも絵画的である。また主人公の心の声が絶えず語られるのも劇画ならではの手法だ。
そして何人かの思い切りデフォルメした容貌。女達のアメコミならではの美貌もたまらなく魅力的だ。
登場する3人のヒーローはどれも強くて女に優しいというタイプなのだが、それを演じているのが、ブルース・ウィリス=ハーティガン、ミッキー・ローク=マーヴ、クライブ・オーウェン=ドワイトという個性なのでそれだけでも見ごたえたっぷりなのである。昔から顔見知りのB・ウィリスとM・ロークは勿論だが、クライブ・オーウェンはこの前の「クローサー」ですっかりお気に入りになっていただけに再会できてうれしい。ここではクールな男っぷりがまたセクシーである。
とは言え、私は怪物タイプが好きなのであえて選ぶならやはりマーヴかなあ。美しいゴールディ(まあ他の二人にもそれぞれの美しい恋人がいるが)をひたすら思い続ける男。醜い顔と体(私的には醜くないけど(笑))にコンプレックスを抱いている。激しく痛めつけられ、さらに怪物的な力で他人を痛めつける男。傷に張ったバッテン絆創膏もキュートであった。
他の二人とは違い結局愛する人はすでにいない彼の切なさがまた魅力をいや増すのである。誰からも愛された事のない怪物。哀しい男であった。
演じているのはかつて色男の代名詞(!昔そうだったのよ、ええ)だったミッキー・ローク。特殊メイクで顔かたちはまったく判らないが時々見せる笑顔がミッキーである事を教える。
他にも変質者のひとり(より秘密めいて気持ち悪い奴)にイライジャ・ウッドだとかシン・シティの権力者ロアーク卿(これって英語でもそのまま?露悪っていうシャレじゃないよね、いかにも悪そう)に懐かしのルトガー・ハウワー(きゃいきゃい)など。そして美女達。デヴォン・青木=ミホ(最強の刺客)ジェシカ・アルバ=ナンシー(命を救ってくれたハーティガンを愛している)ロザリオ・ドーソン=ゲイル、ジェイミー・キング=ゴールディ / ウェンディなど目を離せないようなセクシーボディばかり。
エロ・グロなどと言われてしまう作品なのだろうがそこはモノクロームの魔法でそういう雰囲気を保ちつつも美しく仕上げられている、と感じさせてくれた。
そしてスペシャルゲスト監督のクウェンティン・タランティーノ。まだこのブログでは取り上げてないのが不思議だが、かなりはまり込んだ監督である。この映画ではドワイトがジャッキーボーイの死体を運んでいく一場面をとっているということだ。
冷静なドワイトが隣のシートに死体を乗せ、警察に見つかってはいけないという緊張感でしたいが話し出すように感じるというとても面白い場面となっている。
そしてこのジャッキー・ボーイを演じたベニチオ・デル・トロがまた独特の癖があって面白いキャラクターの一つだった。
また日本人ならどうしても気になる最強の刺客・ミホ。以前、モデルとしての姿をテレビで見たことはあったが、驚き。やはり美は強さなのか?(別に意味なし)
監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー(ゲスト監督・タランティーノ)
出演:ブルース・ウィリス、ミッキー・ローク、クライヴ・オーウェン、ジェシカ・アルバ、ベニチオ・デル・トロ
2005年アメリカ
posted by フェイユイ at 22:22|
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