2006年01月17日

「笑傲江湖」ラスト展開における原作とドラマ

タイトルどおりラスト辺りの原作とドラマの違いを書いてしまいますので、読むと困る方は読まないでください。

ドラマのラストが好き、といわれる方も多いのですが、私は断然原作派です。なのでドラマのラストを観た後はしばらく呆然となってしまいました。まあ、今ではドラマはドラマでいいか、とは思ってますが、原作の味わいや面白さはなくなったのではないでしょうか。なぜそう思うのか、自分でもよく掴めないのでここで書いてみて確かめてみようと思います。

原作「秘曲 笑傲江湖」最終巻7巻を読みながら比較していきます。

まず描かれるのが岳霊珊の殺害。これはドラマとほぼ同じですね。林平之が左冷禅の間者である労徳諾と結託して岳霊珊を殺害します(左冷禅は盲目になっただけでまだ生きています)。しかし胸に長剣が突き刺さってた、とあるのであの宝剣ではないですね。これは長剣より宝剣の方が女性の胸に刺さっている絵柄としてはいいのかも(冷たい言い方ですみません)
岳霊珊を葬った後、二人はしばらく(1ヶ月くらい)その傍で療養するのです。令狐冲は「一人ぼっちになると小師妹が怖がるからね」なんて言います。そしてその間に「笑傲江湖」を二人で練習したりして幸せに楽しく暮らすんですよ。(つまりドラマのようにすぐ師娘が来て令狐冲と帰ったりはしないんですね)
そしてその時、師娘は日月神教の長老達に捕まっていたのです。任我行の命令で岳不群を捕まえるためになんですが。
それから岳不群がやって盈盈を襲います。令狐冲は盈盈を助けるため師父である岳不群との戦いになってしまうのです。独孤九剣を使う令狐冲は完全に岳不群より強い。独孤九剣は相手が強いほどその威力を増す剣法だから。そうして岳不群を追い詰める令狐冲ですが師父を殺すことはできず見逃そうとして腰を突かれてしまいます(ドラマでは胸でしたね)が、ここで岳不群は日月神教の手下によって掘られた落とし穴に落ちてしまいました。
令狐冲たちは側に倒れていた師娘を助けます。師娘は夫・岳不群が命を助けられながら令狐冲をだまし討ちするのを見ていて絶望します。その上令狐冲から林平之に岳霊珊が殺されたと聞かされ林平之を殺して仇を討って、と頼みますが令狐冲は小師妹から「林ちゃんを守って」と頼まれてしまったと言い師娘はため息をつきます。そしてここで寧中則は心臓を突いて自害します。
穴に落ちた岳不群はまたしても令狐冲の願いで逃がすことになります。が、気の効く盈盈はここで岳不群に魔教の霊薬・三尸脳神丹を飲ませます。これを飲んだら定期的に解毒剤を飲ませてもらえないと気が狂うほどの苦痛にみまわれるのだ。
令狐冲はそれを見て「盈盈は結局魔教の女だな。真っ当じゃない。俺のためだから仕方ないが」と思います。こうなっても令狐冲はずっと父とも慕ってきた岳不群を思って胸が締め付けられる思いになるのです。
そして岳霊珊の墓の横に母・寧中則の墓を作ります。

この後、あの令狐冲がお婆さんに化けて儀琳の母の事が解ります。この時令狐冲は頭を剃られて丸坊主になってしまうんですが、ドラマでは違いましたね(笑)
儀琳の母親に捕まった令狐冲と盈盈は体が動かないまま、目だけで会話をします。そして見詰め合っただけで心が通じ合うのを感じるのです。

助かった二人。令狐冲は盈盈に親の言う事など聞かず、隠居して武林に関わるのもやめ結婚しよう、そしてひたすら子作りに励もう」と言い出します。盈盈は真っ赤になって怒ります。

恒山に戻ると寺は荒れていますが人っ子一人いない状態です。ドラマではかなりの尼僧が倒れてましたが原作では皆薬を盛られて誘拐され殺されてはいません。
その様子を藍鳳凰が見ていて二人に「尼僧たちは薬を盛られて崋山に連れていかれた」と教えます。
崋山に戻るとそこも誰もいません。様子を探る内に令狐冲は岳霊珊と遊んだ部屋やおもちゃを見て涙を流すのです。そんな時も盈盈はそっと部屋を出て気遣うのでした。

二人は思過崖に行きそこで五岳派が集まって剣技を学んでいるのを見ます。が、突然入り口に岩が落とされ閉じ込められてしまうのです。盈盈とはぐれてしまった令狐冲は暗闇のなかで必死で彼女を探します。そこで登場したのは手を組んだ盲目の左冷禅と林平之でした。彼らは左冷禅を見捨てたと言って崋山派に来た嵩山の弟子達と泰山・衡山の門人達を殺してしまいます。盲目の彼らが手下にしているのはかつて令狐冲に盲目にされた男達でした。
彼らが去った後、やっと盈盈を見つけた令狐冲は喜びますがそれも束の間、なんと左冷禅・林平之が手下と共に戻ってきたのです。令狐冲はここで左冷禅を殺します。
そして林平之は殺さずに(小師妹との約束を守るため)一緒に洞窟から抜け出したのです。

今日はここまで。どうでしたか?かなり違いますね。寧中則と岳霊珊を並べて墓を作ってあげたのはいいですね。隣同士の墓と言うのが私の寧中則・岳霊珊同一説を裏付けてます(笑)
またどうしても岳不群を憎んでも憎みきれないという矛盾もエディプス・コンプレックスらしいです。

また田伯光も生きていますので、出てきます。


posted by フェイユイ at 21:52| Comment(4) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これぐらい違うと、金庸さんが怒るのが、よく分かりますね。謎だった労徳諾の動きも左冷禅に諾々と従っている存在ということなら、すんなり理解できます。岳不群は、落とし穴におちるは、薬を盛るはで、ドラマより少しイメージが落ちるし、盈盈が三尸脳神丹をちゃっかり飲ませるのは、金庸さん、やっぱり小悪魔的なのが好きなのかなと思ってしまいます。
それにしても、フェイユイさん、すごすぎ。独孤九剣みたいに、鋭いかきっぷり。田伯光のことも教えてください。
Posted by 迷 at 2006年01月18日 19:45
ちょっとこれではショックを受けるのわかりますよね?(笑)
違う部分が多すぎて1日では書ききれませんでした。
盈盈は令狐冲の目を盗んでさっと岳不群に三尸脳神丹飲ませちゃったんでおかしかったです。そのくせ令狐冲がちょっとからかうと真っ赤になるという不思議な魅力の女性ですね。
岳不群は最低のかっこ悪さです。その人が夫なんて寧中則がかわいそうでした。
Posted by フェイユイ at 2006年01月18日 20:52
こんばんわ
>令狐冲は岳霊珊と遊んだ部屋やおもちゃを見て涙を流すのです
ドラマだけでなく、原作でも霊珊の事を引きずっているんですか。
盈盈のファンになったからかもしれないんですが、その辺りの盈盈に気を使わせているのが毎回イライラさせられました。
それてとも原作では、盈盈が「霊珊の事を悲しむ人だから令狐冲を好き」みたいなコメントあるんでしょうか?
黄蓉の時はありましたけど。
Posted by 遠志 at 2006年03月14日 00:48
原作ではドラマ以上に霊珊を引きずってますね。
結局令狐冲が恋していたのは最後まで霊珊だけだったんじゃないか、と私は思っているんですよ。盈盈に対する気持ちは恋、と言うより同志とか理解者という冷静な愛情なんじゃないかと。でもこれは盈盈には辛いですよね。令狐冲は盈盈のことは好きだけど霊珊を見ると人が変わったようにどぎまぎして言う事を何でも聞いてやろうというおかしな男になってしまいます(恋する男はおかしい言動をするものなのでしょう)霊珊自身も令狐冲のこの奇妙な恋心を受け止めきれない、と思ったのではないでしょうか。霊珊の方は令狐冲は「やっぱりお兄さんとしか思えない」と言ってるんですし、彼女はその辺は正しかった。でも彼女が選んだ道は結局彼女を苦しめてしまうのだから皮肉ですね。
盈盈はそんな令狐冲の事をとても思慮深く認めてますね。自分に恋をしろ、と言っても無理なので。
図書館で借りて読んだので今じかに確かめられませんが、霊珊を思い続ける令狐冲に憧れていた、という言葉はありました。
盈盈がじっと耐えながら少しずつ令狐冲の心を引き寄せていく過程は凄く胸をうつものがあります。
特に最終巻の静かな二人の愛の描写は素晴らしくて遠志さんにも是非読んでもらいたいです。
Posted by フェイユイ at 2006年03月15日 01:55
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