2006年01月29日

ダブルタップ 鎗王

ダブルタップ.jpg

これも以前、中文字幕で観たものを今回日本語字幕で見直しました。
実はこれ、最初見た時、あまり好きではなかったのです。あまり、というか全くというか。殺伐すぎると思って。が、今回見直してなかなか見ごたえあるし、レスリーはさすがに迫力あるなと思いなおしました。
日本語字幕で理解できたというのもありますね。

この物語では「あの時、こうしていれば、いなければ」というターニング・ポイントがいくつかある。勿論それはレスリー演じるリックが平凡な人間から殺人者(サイコキラー)に到る過程ということなのだが。
一つは射撃から遠ざかっていたリックをリックの恋人・コリーン(ルビー・ウォン)が鑑識官ビンセントに紹介して射撃を教えさせたこと。
一つは同僚のユー刑事が銃を乱射した時に刑事ミウが撃つのをためらい、そのためにリックが初めて殺人を行ってしまったこと。彼はそこで殺人に快感があることを知り、次第に歯止めが利かなくなっていくのだ。
勿論、もともとそういう因子があるのなら、また別のきっかけで殺人者になったとも言える。が、この物語ではそのきっかけが警察に関連しているという皮肉を仕掛けている。
またリックに銃の改造をしてもらっている実業家ヤンの残虐性や射撃場の教官ジョーのリックへのいじめともとれる行動も彼の殺人衝動に拍車をかけてしまった。

そして彼に一目を置いていた刑事ミウもリックの度重なる殺人(その多くは仲間である刑事)に苛立ちついに逮捕していたリックの恋人コリーンに手荒く手錠をかけ自分の恋人や仲間に向かって銃口を向けてしまう。結局は説得されたとは言え、ミウ自身も狂気の一歩手前に立ってしまったのだ。

最初から最後までぴんと張り詰めたような感があるために観ているものも非常な緊張を強いられる。訓練から射撃大会、殺人までの銃撃戦はぞっとするような臨場感に満ちている。
だが、ここで好みが分かれてしまうのはリックの性格描写・過去の経歴などを省略し進行する話だけに描写を凝縮しているためにある意味ではシンプルで解りやすいが他方から言えばリックがどうしてここまで狂気に走ってしまったのか。あるいはなぜ恋人・コリーンを命がけで助け、また最後蹴り飛ばしてしまうのか、納得しにくい部分もあるのではないか。私は以前その辺が判りかね、今回はあまり気にならなくなった、ということなのだ。

何故気にならなくなったのかというのは一つ目に言ったシンプルにまとめて二人の男を浮き彫りにしたことがよかったのだ、と思えたからだ。
刑事ミウは性結局彼はリックに惹かれていたことは確かなのだろう。その卓越した技術に。その彼が自分の仲間を殺してしまった。それも自分の臆病さが原因なのである。そして興奮し間違った行動を起こしてしまう。彼自身もリックになってしまう可能性はあるのだ。

レスリーの狂気に陥っていく殺人者は凄まじいものがあり、いつもながら魅了されてしまう。アレックス・フォンのミウ刑事も人間味があって男らしい魅力的な役柄だった。そしてその二人の男のパートナーである女性は対照的でありまたどちらも愛を貫いているいい女振りであったと思う。

ダブルタップとは2発の銃弾を連射し、同じ位置に命中させる高度な射撃テクニックのことを言う。

監督・脚本:ロー・チーリョン 出演レスリー・チャン、アレックス・フォン、ルビー・ウォン、モニカ・チャン  2000年製作

DVDの特典としてレスリー・チャンのインタビューがついていた。
今後は裏方に回って監督業に専念していきたいという抱負を笑いながら明るく語っているレスリーの姿。私も雑誌などで彼の希望を読みながら楽しみにして映画の完成を待っていた。
胡軍が出演するはずだったのに。レスリーも共演すると言う話もあって胸躍らせたものだった。
映画は観れるようになったけど、こうやって彼の言葉を聞くとやはりとても寂しい。本当に悲しい。


posted by フェイユイ at 22:32| Comment(3) | TrackBack(1) | レスリー・チャン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
フェイユイさん、こんにちは。
この映画、とても好きです。レスリーの演技も凄いと思ったし、アレックス・フォンの演技には泣かされました。この映画見てから、アレックス・フォンは気になる役者さんです。
私は劇場で観たので、DVDの特典・レスリーのインタビューを見てないんですよ。レンタルしようと思いつつ、まだ見てなくて。
レスリーのインタビューって映画見るよりも、なんだかせつなくなります。
Posted by hi-chan at 2006年01月30日 15:10
この間necoで見ました。

レスリーの狂気溢れる演技は良かったなぁ。

線が細く感じるだけに余計に。
Posted by fince at 2006年01月30日 18:33
>hi-chan さん
私も今回見て凄く好きになりました(笑)アレックス・フォン、素敵でしたね。
レスリーの演技の凄さに改めてため息をついてます。そしてインタビューを見てまた寂しく思いました。


>finceさん
とにかくレスリーはこれまでのイメージを消してしまいたかったようですね。
徹底した悪役をやりたくてこれを選んだそうです。
彼の演技の幅にも感動します。
Posted by フェイユイ at 2006年01月30日 19:07
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ダブルタップ
Excerpt: レスリー・チャン、アレックス・フォン、ルビー・ウォン、ヴィンセント・コク、モニカ・チャン出演、ロー・チーリョン監督作品。 かつて香港一の射撃の選手だったリック。一度は競技の世界から退いていたが、ふと..
Weblog: Movies!!
Tracked: 2006-01-30 15:11
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