2006年03月04日

「ドラゴン・イン 新龍門客棧」と「東厰」

昨日観た「ドラゴン・イン 新龍門客棧」に「東厰」という言葉が出てくるのだが、これこそが宦官が行使した特殊情報機関だったわけですね。

以下、先日から読んでいる「宦官、中国四千年を操った異形の集団」から得たものです。

明代は特に宦官が暴威を振るった時代なのだそうだ。司法の大権を握った宦官により大臣から民衆に到るまでの生命が宦官に操られるようになったのだ。
まあ要するに、官民の間の「謀逆妖言、大奸大悪」の情報を探り、取り締まっていったわけです。皇権の代理人という身分で何の根拠もなく人々監獄にぶち込み、死に追いやったのです。で、この「ドラゴン・イン」で登場するツァオと言う宦官(ドニー・イェンが麗しいお化粧顔で活躍する!という貴重な一品である)がまさにそれで私は中文字幕で観たのでどうせ説明がわからなかったが、中国人であるならば「東厰」=恐怖、ということになるのでしょう。知らなくても解るとは思いますが(笑)

この文献によると、宦官と言うものは性器を切り取っているために男でもなく女でもない。常に人々からの侮蔑を受け、苦役に耐えている。異常なほどの権力志向を持ち、上のものにはこびへつらい、下のものは酷薄に対処する。
紀元前650年ぐらいから一応清朝の終わり1920年代までは(その後も行き続けているはずだし)存在しているということでつまり歴史上常にいたわけですよね。
またその数もほんの少しいたわけじゃなくて後漢王朝には常に1万人、明代には7〜8万、諸侯に仕える宦官まで含めれば10万人いたと言う。なにせ一人の皇帝に対し、何万という女性が後宮に存在するわけでそれを世話する宦官だけでも相当な人数が必要なのですね。
そして宦官と一言に言っても身分の差は極端で飢え死にするほど貧しい者もいれば、権力を振りかざして巨万の富を得、宦官にして何人もの妾を持っていたらしい(そして中には手術が不完全で子供を持ったものもいたらしい)
したがってこの歴史とこの数ではそう簡単に宦官と言うものが解るものではないだろう。ただ子孫を持つという人間としての希望を切断された彼らの伺い知ることのできない悲しみと恨みはどうしても存在するわけで、この映画でもそこに悪役宦官ツァオの悲劇があるのですね。

紙を発明した宦官・蔡倫などの立派な宦官もいるのですが、文献の多くは彼らの妬み・強欲・屈辱で表されているのが読んでいて悲しいところです。
posted by フェイユイ at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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