2006年05月01日

「レインメーカー」再考

レインメーカー.jpg

昨日さんざん罵った「レインメーカー」気になるところがあった。彼女を見捨てて逃げ出し後から法的に救えばいいと思ったところ。そここそがルーディが「自分がダメになってしまう」と思ったところなのではないか。
この映画は抜群の弁護術を駆使して戦う華やかな法廷モノではなくそのみっともない部分を描きたかったのではないか。ただその表現がわかりにくかっただけで。
もう一度観てみよう、と思う。さてどう考えが変わるか?


観ました。
昨日、疑問に感じていたのは主人公がこの映画の中で何を得たのかということだった。何を訴えたいのか、答えは何かと。
この中に明確な解答が掴みにくい為に観るものは放り出されてしまう。
が、結局すぐに答えられることなどないのだろう。

主人公ルーディは正義のために闘った弁護士に憧れその道を目指す。父親の反対を押し切って。
が、彼は忽ち矛盾の中に放り込まれる。コネのない彼にあてがわれたのは脱税疑惑のある悪徳弁護士ブルーザーの事務所。相棒となったデックは優秀で行動力もあって頼もしいのに司法試験に通っていない。試験を通ったばかりの自分はあれよと言う間に弁護士となってしまう。入ったばかりのブルーザーの事務所を見限ってデックと新しい事務所を持つ。その金はブルーザーが稼いだ金だ。依頼人との間には距離を置いた方がいいといわれてもルーディは深入りしてしまう。ブルーザーから「依頼を取ってこい」と言われて出会った女性と恋に落ちてしまう。彼女は夫から酷い暴力を受けていた為にルーディは離婚訴訟を勧める。が、ルーディは法律によってではなく暴力によって彼女の夫をしに至らしめてしまう。しかも自分は逃げ出し彼女を犠牲者にしてしまう。
白血病になった少年とその母親のために保険金を払わない保険会社を訴えるのだが、裁判を待たずして少年は死んでしまう。
司法試験を通っていない有能な相棒デックの働きと悪徳弁護士ブルーザーの知識のおかげでルーディはなんとか裁判を勝ち取る。だが、保険会社が破産した為に結局金は一文も入っては来なかった。
結局ルーディは何もしていないのに等しいのだ。
彼は傷ついたケリーを連れて旅に出ると言う。だが、彼女との愛が真実なのか、それは判らない。なぜなら彼女は異常な状態にあったのだしルーディがそれを助け出したと言う関係だから。二人がどうなって行くのかはこれからの事だ。

いくつかの物語を書くことで混乱してしまっている、と昨日は書いたが、今日はそう思っていない。
能力はあるのに何もできない倦怠感。そうだった。それこそがコッポラの魅力だと昔あれほど愛していたのにすっかり忘れてしまっていた。
昨日書いたことを消してしまいはしないけどここに気づかなかった事が悔しいし恥ずかしい。(できることなら昨日の文を読んだ人は今日のも読んでもらえるといいのだが)

マット・デイモンはそんなコッポラの思い描いた若い弁護士を実に丁寧に細心を払って演じきっている。彼がやっているのはただお利口さんの熱血真面目弁護士と言うだけではないんだ。
裁判の場面も華やかな丁々発止のやりとりの面白さ、奇抜さ、知的なゲームを狙ったものでもないんだ。
彼はどうしてもやりきれない苦悩を抱えているのだった。そこに昨日は気づいていなかった。
どうにも恥ずかしい事なんだけど一日かかってそう思いました。「レインメーカー」のマットを指示していて方、お許しください。
やっと判ったんですよ。

監督:フランシス・フォード・コッポラ 出演者:マット・デイモン、ミッキー・ローク、ダニー・デビート、ジョン・ボイト、ロイ・シャイダー
1997年アメリカ
posted by フェイユイ at 20:52| Comment(2) | TrackBack(0) | マット・デイモン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
フェイユイさん、内容すごいです・・・
この作品の上映時間は135分(2時間15分)この2時間あまりの中で、ルーディーは孤軍奮闘します。どの場面も重要で、カットできる場面なんてないと思います。だから、短すぎるのです、3時間あればなんとか、見る人がゆっくりとできるのかもしれません。予告編では、裁判所に雨の中何かを投げつける場面などもあったようですし・・。
思うに、ストーリーをもっと重くすればできたと思いますが、新米弁護士のルーディーの奮闘気風にさらりとしあげたのではないかと、わたしなりに思っているのですが。ここでのマットもとても可愛くって、ほんとうに新米弁護士をさわやかに、きめ細かく(アップではない時でも、とても繊細に丁寧に演じていると思います)演じているので、マットの作品で大好きな一つです。
Posted by けいこ at 2006年06月25日 22:07
この前の記事はほんとに穴があったら入りたくなった記事なんですよねー。

マットの映画というのは一見天才の話のようで(と私が思い込んでいたのですが)実はヒーローじゃない男の話なんですよね。
そこがまたハリウッドにおいて彼の位置がまた微妙なものになっていくんですがね。といってもマットはその辺を狙っているとは思います。

ハンサムじゃないのどうのと言われてる割には可愛いことでまた損していますね(笑)どうすりゃいいんだ(笑)

さらにもうちょっとマイノリティな生まれの方が今は受けるのですよ、きっとね。
Posted by フェイユイ at 2006年06月25日 23:20
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