2006年05月17日

「エレファント」ガス・ヴァン・サント

エレファント.jpg

この映画がコロンバイン高校の乱射事件をもとにしていること。イギリス人アラン・クラーク監督の同名映画からタイトルを取っていること。あのマイケル・ムーア監督の「ボーリング・フォー・コロンバイン」と同じ題材でありながら全く違った手法と仕上がりであること。この映画は若い俳優達の即興で語られているということ。物語が淡々と語られなんの解答も与えられないことは言うまでもないことだろうし、非常に優れた作品であることは観れば判るし、この映画に感銘を受けた多くの見識ある方々から語りつくされているようなのでもうあえて乏しい頭脳を振り絞って批評するはやめてなんとか自分の印象に残った部分を書けたらいいなと思う。

マット・デイモン主演のサント作品「ジェリー」がこの「エレファント」の前哨戦であるということだったので是非観たいと思ったのでした。
なるほど、セリフも極めて省略化されており、青い空と流れる雲が映し出されそれが心の不安を僅かにかんじさせますが極端な勘定表現は抑えられ観る者が何かを感じ取ればいい、という突き放した感覚があるのです。
そして登場人物が歩いて行く場面が多用されています。私はサント監督の移動する感覚がとても好きで「マイプライベートアイダホ」でも主人公たちは米大陸を横断しリバーは路上で倒れましたし、ベン・アフレック&マット・デイモン脚本の「グッドウィルハンティング」ですらウィルが電車や車で移動していく場面が美しく心惹かれたものです。「ジェリー」はその「移動する事」が映画そのものの映像になっているわけです。
出発点として「ジェリー」があると言っても「エレファント」では移動する場所は僅かな時間を除いては殆どが高校の建物の中の事です。生徒達は教室・トイレ・廊下・食堂を移動し続けています。
その事が何かの答えを導き出してくれると言うわけではないのですが、生徒が狭い廊下を抜けてドアを開けて外の空気に触れた時、その爽やかなほっとする風の音が聞こえたのです。

ガス・ヴァン・サントの映画の中には非常に魅力的な少年達が多く出てきます。この映画の中でも主人公と思われる透き通るような金色の髪の少年をはじめ、綺麗なガールフレンドと連れ立って歩いて行く少年。銃を乱射する少年にもピアノで「エリーゼのために」を弾く姿に惹かれてしまいます。
私は特に写真を撮る少年の様子に見惚れてしまいました。写真を現像している過程を映し出しているのはなぜでしょうか。
もう少し考えてみたいと思っています。


ラベル:学園モノ
posted by フェイユイ at 00:09| Comment(0) | TrackBack(1) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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