2006年05月21日

「戦火の勇気」エドワード・ズウィック

戦火の勇気.jpg

マット・デイモンが「プライベート・ライアン」の2年前に出演している戦争映画。

湾岸戦争が舞台。デンゼル・ワシントン演じるサーリング中佐は戦闘中に殉死したメグ・ライアン=カレン・ウォールデン大尉に名誉勲章を授与のための調査を任じられた。
そのサーリング自身は戦闘中に誤まって自軍の戦車を攻撃し親友を殺してしまったという心の傷を負っていたのだった。
重い心を抱きながらも調査を進めていくうちにサーリングは生き残った部下達の証言が食い違うことに疑問を抱く。が、軍は初の女性名誉勲章ということでサーリングの疑惑をもみ消そうとする。
救助ヘリのパイロットであるウォールデン大尉は本当に勇敢に部下達を守ったのか。

イラク軍との戦闘シーンは緊迫感があり恐怖が伝わってきた。イラク軍の姿は全く見ることがなかってので敵がイラクの兵士だというイメージは僅かに言葉での説明だけである。(敵を口汚く罵るシーンはある)この映画はイラクとの戦争を描いた映画ではなく戦争における兵士たちの葛藤を描いたものであるから湾岸戦争であるかどうかは全く問題ではないのである。
ここが後の「プライベートライアン」とは全く違う点である。「プライベートライアン」はあくまでもドイツ軍=ナチスが敵なのであり、それを虐殺するのがスピルバーグの狙いだったと思えるからだ。
とは言え、戦争という非常に重くて嫌悪感を覚える題材でこのように面白く感じられる物語を作ってしまうことに却って反感を持ってしまう人もいるだろう。
私は「プライベートライアン」のような虐殺戦争モノにはどうしても拒否反応を示してしまうのだがこれのように戦争を題材にして人間の心理を描いていく話だと非常に惹き付けられて観てしまう。湾岸戦争が舞台になっているのは他の戦争を舞台にするよりその時のアメリカ人がリアルに感じられる為だけだったのだろう。

デンゼル・ワシントンはその風貌からも正義感のある苦悩の中佐を見事に演じているし、ロマコメの女王と思っていたメグ・ライアンはさすが!こういう役をやってもソツなくこなしてくれている。部下の証言で様々に変わる大尉の姿を演じているのだ。

そしてマット・デイモン。まだ26歳だった彼は湾岸戦争での戦闘に参加し女性大尉ウォールデンのもとでの過酷な体験のために薬物中毒になった衛生兵を演じている。戦争中の彼の顔は平常の元気なはつらつとした顔なのに帰国してからの彼の顔はシェルショックと薬物中毒のために無残なほどやせ衰えているのだ。マット・デイモンはこの時、役作りのために18キロの減量を行ったらしい。しかも自己的に行った偏ったダイエットのために身体を壊してしまったということらしい。この極端に痩せたマットの顔を見ただけでも私としては衝撃を感じてしまった。その顔や身体は筋張ってしわが目立ち本当に薬物中毒の人のように見える。目だけがいつも以上に大きく見え悲しかった。そんな状況でもマットの演技は確かなものであり、サーリング中佐をある時は疑惑に陥れある時は解決に導く重要な役なのである。ここでも彼は苦悩に満ちた役であったことも間違いない。

そしてサーリング中佐にまとわりつくワシントンポストの記者にスコット・グレン。「ライト・スタッフ」での渋い魅力もそのままに。素敵なのであった。

監督:エドワード・ズウィック 出演:デンゼル・ワシントン、メグ・ライアン、マット・デイモン、スコット・グレン
1996年アメリカ

監督のエドワード・ズウィックという方は「ラストサムライ」を作った人ですね。



posted by フェイユイ at 23:04| Comment(1) | TrackBack(0) | マット・デイモン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この作品も好きではありません。
愚かとしか言いようのない戦争は、嫌いですから。でも、マットの演技はよかったです。へリに救助されたとき、軍曹だったかしらが言った、衝撃の一言を聞いたときのマットの表情、もう最高です! あの時の表情とブルーの瞳は私の目に焼きついてます。25か26才ぐらいですけど戦地でのマットは17才ぐらいの少年にしか見えないです♪ かわいすぎ〜☆
Posted by けいこ at 2006年06月25日 11:38
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