2005年02月21日

「魚と寝る女」

魚と.jpg

もういい加減解ってはいるんですが、キム・ギドク、ひたっちゃいましたねー。「水」をモチーフにするというキム・ギドク監督。今回、たっぷりと堪能できました。
 
女主人公ヒジン(ソ・ジョン)は釣客が(頻繁に売春婦をつれて)訪れる小屋船の管理人。彼女は話せるようなのだが、全く口をきかず、客人にコーヒーなどを売りながら、売春もやっているのだ。
紫・緑・黄など色分けされた小屋船が水面に転々と浮かび、晴れた日、雨の日などの情景が美しい。ヒジンが寝泊りしている岸の小屋も粗末なものなのだが、雨のなか犬とともに小屋船の様子を眺めているヒジンの姿は、物悲しくてまたよい。

なぜなんだろ。他の映画を見ていてその女主人公に自分を重ねたり、あまりできないんですが、なぜか、キム・ギドクの登場人物は自分のようだ、と思ってしまうのですよ。それがなければ、こんなに好きになるということはないのでしょうが。

寂しい心のヒジンの釣り場に同じように行き場のない、罪を負った男ヒョンシク(キム・ヨソク)がやってきて、黄色の小屋船を借りるヒジンはヒョンシクに好意を持つのだが、突然抱きついてきたヒョンソクを撥ね退け、なぜかヒジンは売春婦の女の子をヒョンシクにあてがってしまう。

だが、ヒョンシクを激しく愛してしまったヒジンは執拗にヒョンシクに迫っていく(ここ、けっこう怖いです)

そして二人の愛は文字通り激しい痛みを伴うものになる。これは痛いんですが、あの、キム・ギドクのはいつもあくまでそれは象徴的なもの、と私は思ってみているので、これはこのままやった、というよりそういう意味を表すお話と思ってみればよいと、思ってます。
そう思ってみてると、彼のやる演出は全て何か意味を持ってやってることばかりなんですね。ここでは行き場のない寂しい男と女ということだから、それがなんとなく寂れた釣り場の湖であるとか、痛みを伴うのにえさに食いつく魚とか、身を削がれても泳いでいく魚だとか、その心を表すために彼はひとつの映画を作って言ってる、それも言葉を殆ど使わず、映像のみで。

その激痛の描写が話題になった映画のようなんですが、私はむしろ排泄の方が気になりましたよ。船の中に小さな蓋があってそれはトイレ、といってもそのまま湖なんですよ。でそこからも船の淵からも、大小の排泄をしてて、魚を釣るわけで、当たり前といえばそうなんですが続けてみると、食欲はなくなります。しかもヒジンはやたらとその辺りをもぐったりしてるし、トイレから顔を出したりもするし、そちらのほうが、げげげ、でした。

そういう場面もありつつ、さわやかに美しい場面もある。船の小屋の中で二人お昼寝するシーンなんてほんとに気持ちよさそうでした。あれはほんとやってみたいね。
posted by フェイユイ at 00:56| Comment(0) | TrackBack(1) | キム・ギドク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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魚と寝る女 The Isle
Excerpt: 魚と寝る女 The Isle 2000年 韓国 【監督】キム・キドク 【出演】...
Weblog: ビデログXXX
Tracked: 2005-09-22 15:06
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