2006年07月25日

「王の男」

王の男y.jpg王の男z.jpg

観終わったばかりで目が痛いです。まさかこんなに泣いてしまうとは思いもしませんでした。

散々韓国での凄い興行記録を聞き、大鐘賞映画祭では10部門受賞 などということで期待も高かったのですが、こんなに切ない物語だったとは。韓国映画が涙を絞るのに長けていると判りつつも涙なしには見れませんでした。

時は朝鮮王朝、暴君で名高い燕山君の時代(1500年頃)。旅芸人というのはそれだけで卑しい身分なのだろう。特別詳しい説明はないのだが、少しずつ語られる言葉で主人公芸人チャンセンと女と見まがう美貌のコンギルは幼い時から互いを頼りにし芸を磨いて生きてきた。
事件を起こして二人は田舎から王のいる都会へと逃げ延びる。そこでチャンセンとコンギルは知り合った芸人と手を組んで命知らずにも王を嘲笑する芸を披露し捕らえられてしまった。

王というのはかくも力のない存在なのか。いや王とはいえやはり人の心を捉えるのは難しい事なのだろう。
居並ぶ貴族達の中で王の力はあまりにも頼りなく虚勢を張らずにはいられないことなのか。
王が自ら行った影絵で愛する母に会えない悲しみを訴えた時、思わず涙がこぼれた。狂気と言ってもいいような気まぐれな王なのだが結局この王には何もすがるものがないのだ。

同性愛的要素がある、ということでも話題になっている映画だが、他のもろもろの映画のように露骨にそういう場面があるわけではない。言葉すらない。
それでもチャンセンのコンギルへの愛はその何も語らない演技からにじみ出てくるようなものでそれが却って切なく心を打った。
幼い時から寄り添い生きてきた二人にもすがるものはなかった。卑しい身分である二人には互いの存在しかなかったのだ。
二人は身分は卑しいが抱きあうことのできる互いがいる。王は何も持たないのだ。

チャンセンのコンギルへの想いがいつまでも熱く悲しく感じられるのとコンギルもまたチャンセンを想う気持ちも強いのがなんとも言えず泣いてしまいましたね。

幼い時からの互いに芸を鍛えあったというのと男らしい風貌と女性的な存在、そして映画の中で京劇をやるというので「覇王別姫」と重なる事もあるかもしれませんね。
ただ「覇王別姫」では蝶衣からの一方的な思いだったので私的には寂しかったのですがここでは二人が愛しあっていると言う事がまた涙涙でした。

またもう少し書くと思います。

監督:イ・ジュニク 出演:カム・ウソン、イ・ジュンギ、チョン・ジニョン、カン・ソンヨン
2005年韓国
posted by フェイユイ at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/21346544

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。