2005年06月12日

「モーターサイクルダイアリーズ」

モーターさいくる2.jpgポデローサ.jpgロドリゴ.jpgガエル.jpgガエル2.jpg

少し前に「絶対観たい映画としてあげていた「モーターサイクルダイアリーズ」やっとDVDにて観れました。

ネタバレです。

いまだに多くに人々に憧れ・尊敬の思いをいだかせている有名な革命家・チェ・ゲバラ(ガエル・ガルシア・ベルナル)の若き日の旅の物語である。
相棒は29歳の生化学者アルベルト・グラナード(ロドリゴ・デ・ラ・セルナ)、二人は名前だけは勇ましいポデローサ(怪力)号と言う中古のノートン500にまたがって南米大陸1万キロを行くのだ。今にも壊れそうなぼろ・バイクはまさしくすぐにボロボロになり、「モーターサイクルダイアリーズ」と言うタイトルはどこへやら、歩いたり、様々な乗り物に乗せてもらっての旅になる。

映画は「偉業の物語ではない」という通り二人の若者の青春を描いたものであって、後のチェ・ゲバラが語られているのではない。が、まだ子供のような笑顔のガエル演じるゲバラが未知の南米大陸の現状(貧しい人々・病気に苦しむ人々・圧政に苦しむ人々)を見て、次第に自分のすべきことは何なのか(この映画の中でまだ答えを見つけてはいないのだが)を感じていくのだ。

だが、この作品はとても明るいタッチで描かれており、例えば、チェ・ゲバラはダンスが苦手だったらしく、途中立ち寄ったハンセン氏病療養所で(ゲバラはハンセン氏病の専門医学を学んでいたらしい)ふたりは感染はしないと、手袋着用の規則を無視して患者たちと接し、次第に信頼を得ていく。楽しいサッカーゲームをし、そしてお別れのパーティでダンスの上手い相棒と違いゲバラはタンゴとマンボの区別もつかず女の子や他の人から大笑いされてしまう(ラテンの国でそれはかなりまずいことでしょうね!)それで二人は療養所の人たちから旅行用にと手作りのボートをもらうのだが、そこには船の名前が「タンゴ・マンボ」と書かれていた。

そしてお別れをしなければ、とゲバラは夜中のパーティ会場の広い川向こうにある病気の人たちが隔離されている島まで泳いで渡るのだ。この場面は淡々とした物語展開の中でもとても緊張し、高揚感を覚えるところだ。「無理だ。やめろ」と言う声が次第に「がんばれ、がんばれ」という掛け声に変わっていく。ゲバラはひどい喘息の持病に苦しんでいる身なのだが、あえぎながらも向こう岸に何とかたどり着く。向こう岸でかなりもがいて泳ぎ着くゲバラを抱きかかえて迎える病気の人々。
真っ暗な中、急な流れの川をたった一人喘息の身体で泳いでいくチェ・ゲバラの行動はまさしくこの後の彼の姿を暗示しているのだろう。

とはいえ、やがて革命家になるゲバラの物語ということでなくとも、ふたりの若者のまだ自分たちには解らない未来をみつめるために行くロード・ムービーとして観てもいいのではないだろうか。ボロのポデローサ号に乗って南米大陸を失踪していく二人の姿を観ていてそれだけでもちょっとくるものがあった私です。

出演 ガエル・ガルシア・ベルナル ロドリゴ・デ・ラ・セルナ ミア・マエストロ

監督 ウォルター・サレス

製作総指揮 ロバート・レッドフォード ポール・ウェブスター  ハノ・ヒュ−ス

イギリス・アメリカ合作 2004年制作


posted by フェイユイ at 23:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 中南米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今、チェ・ゲバラがブームのようです。この映画が発端かしら?・・火曜の夜にNHK教育「知るを楽しむ」でもゲバラについてその@が放送されました。当日の昼、私はそれを知らずに例により(笑)蔦家にいたのですが、友からメールが入り“今夜ゲバラについてあるよ、番組で『モーターサイクルダイアリーズ』の旅についても語られるよ”との報が。私はその時フェイユイさんのレビュー作品を物色していて、調度『モーター・』の前に立っていたのです!正に背中を押される感じで、即借りました!^^vそして番組も鑑賞、いい予習になったのです。

いい映画でした。やはり事実の重みが感動を引き出しますね。チェ・ゲバラという人を偲びながらも青春映画として普遍的な感動がある。ウォルター・サレス監督はこの作品と『パリジュテ』での「16区」しかみていないのですが、必ずしも恵まれない状況下の市井の人々を描く、社会派の作家なのではないかと感じました。
そしてガルシア・ベルナル!!・・いい役者ですねえ。自分的に驚いたのは彼がやっぱりアラン・ドロンに似ている、ということ。『キング〜』では主題から来る為かと思ったのですが今回もまた;つまり凄い美形でもある訳で。彼のイメージは“漆黒”。それも“いろんな色を内包した漆黒”☆です。他の作品も観てみたくなる大した俳優だと思いました。^^
Posted by フラン at 2007年12月06日 18:32
ベルナルははまると思いますよー!!とにかくいい映画が多いのです。なぜでしょう?いい監督は彼を使いたくなるのでしょうか?
この映画では特に素敵です!なにしろ南米の大ヒーロー、時代を経ても相変わらずの物凄い人気者を演じたわけですし、彼自身も大好きだと言ってましたし。
ベルナルはちょっと小柄なのですがすらりとしたゲバラを演じていてもちっとも違和感がなかったし、やっぱり凄い役者なのです。
この映画は特に英雄伝というわけではないところがまた素敵。
親友二人組みがオンボロバイクで旅をする。青春そのものなのですがあちらこちらにその後のチェ・ゲバラを予感させていく、というのが凄い!
楽しい映画でもありますし、ロマンチックで感動させてくれる最高に素晴らしい映画の一つです。
Posted by フェイユイ at 2007年12月07日 23:52
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