2005年06月25日

「ドリアンドリアン」後半

ネタバレです。

物語は前半と後半できれいに分かれている。前半は香港でのイェンとファンの話。後半はイェンが東北・牡丹江に戻ってからの話だ。

大金を稼いできたイェン。両親はそんなイェンを祝う宴の席をもうけて大勢を呼びご馳走を振舞うのだ。勿論、そのお金をどうやって稼いできたのかをイェンは誰にも言えない。皆がイェンを羨みあやかりたいと思っている。熱心にダンスを学んでいる18歳の娘を持った母親は親戚のよしみで今度南方に行く時は娘をよろしく頼むと言いにくるのだ。「いつ南方にもどるの?」と誰からもイェンは聞かれる、その都度に「解らないわ」としか答えられない。

華やかな香港と違って牡丹江はまるきり田舎である。建物も冴えないし、人々が着ている服も明らかに野暮ったい。道路はやたら広いだけで舗装もされてはいない。おまけにものすごく寒そうである。香港に帰ろうとしないイェンのことを皆は不思議がる。

牡丹江に戻ったイェンは香港に戻ろうとはしないが心はひどく揺れ動いているようだ。何か仕事を見つけたくてもこれというものがない。儲けも香港での売春という仕事に比べたら微々たる物なのだ。そして「イェンが一番偉くなったわね」という賛辞。

そんな中、実は同級生のシャオミンと結婚していたイェンは離婚手続きをする。夫のシャオミンは仲間とパフォーマンスをしている芸人。今度はイェンを故郷に残し巡業の旅に出るというのだった。

イェンを頼りに香港で働きたいと言った従姉妹は煮え切らないイェンを待ちきれず一人香港へ向かってしまった。それがどういうことになるのか知っているイェンは複雑な思いを抱いて細かくふる雪の中に立っている。この時イェンは決心したのだろう。

イェンの友達は共に勉強した京劇を仕事としている。そしてイェンにまたやらないかと声をかけてくれた。「もう何年もやってないもの」と答えたイェンだが、ラストシーンで京劇の美女に扮しているのはまさしくイェンであった。満面の笑みを浮かべるイェンにはもう迷いはないのだ。

時計が早く回っているような前半の香港の部と同じ国とは思えないゆったりとした北方の牡丹江。故郷に戻ったイェンの人には何も話せない思いが伝わってくる。香港では金儲けのことだけ考えて売春に明け暮れたイェンが故郷に戻った時、その世界へ帰りたいとは思っていない。が、彼女ははっきりした答えが出せず迷っている。そんな時香港で出会ったファンからドリアンが送られてくる。男友達に割ってもらおうとするがいくら包丁で叩きつけても割れようとしない。そしてその強烈な臭い匂いは皆から嫌われてしまう。ドリアンを香港そのものに見立てイェンの気持ちを現している。両親が食べずに残ったドリアンをかみ締めるように食べるイェンには香港はもう遠い場所となった。

そして幼いファンもイェンが去った後、故郷である深址に戻っていたのだった。ファンもまた家に戻れてほっとしているのだ。狭い路地で母親の皿洗いの手伝いを懸命にしていたファンが幸せになれたと言う便りが届いて本当によかった。
posted by フェイユイ at 01:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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