2005年07月24日

「新宿黒社会チャイナ・マフィア戦争」後半

椎名.jpg

「黒社会3部作」はいずれも裏社会を描いているのだが、そのテーマは家族愛になっている。「極道黒社会」では擬似親子と言う関係であったが、それは確かに親子の愛であったし、「日本黒社会」とこの「新宿黒社会」では家族愛と共に兄弟愛が謳われている。どちらも行き過ぎの兄と頭はいいが頼りない弟、と言う設定なのである。弟は反発しても結局は兄に頼っているし、兄は絶えず弟を心配している。それは彼らが単なる兄弟としてだけではなく幼い時に辛い思いを共に過ごし慰めあってきたと言う過去を持っているからなのだろう。とくにこの「新宿黒社会」においてそのテーマは強く現れていた。結局この映画の中で兄・龍仁がやったことは弟・義仁を助けるために奔走し、ついには命を落とした、ということだけなのだ(例えば映画で不可欠ともいえる「男女の愛」は断片としても語られはしなかった。

無理なこじつけだが、先日観た韓国映画「ブラザーフッド」とよく似てるとさえ思う。兄が自分を犠牲にして地位ある仕事についたまたはつくであろう弟を家族のために生かせた、という筋立てなのだから。

無論、その二つを同時に語る必要はない。が、激しく兄弟愛を謳いあげることのできる韓国映画と違って日本ではそのものだけでは羞恥を覚えるのか、様々なもので隠さねばならないようだ。

王志明を演じる田口トモロヲがその大きな役を担っているのだろう。彼の演じる異常なマフィアのボス像が主題の心地よさを苦く変えている。曰く、少年愛好者である(愛人の少年がいる)父親の血を疎んじている(手から流れる血を水道で洗い流そうとするのできりがない)他人の身体を傷つけることを平気でやってのける(老女の目玉をくりぬく)自分の身体を傷つけることをも恐れていない(ガラスのコップを握りつぶして血だらけになってしまう)

繰り返しになるが、そういうことは兄・龍仁が弟・義仁を愛して守り抜くという甘い主題を苦いオブラートに包む役割を果たしているに過ぎない。

この映画の最初と最後は王志明の愛人の少年・周潤のナレーションによるものだ。最初に彼は言う。「甘ったるくて笑っちゃうけど ボクの知ってる愛について伝えておきたいことがある」これは、王志明の自分への愛のことだろうか。それともこの兄弟の愛のことだろうか。

監督:三池崇史 出演:椎名桔平 田口トモロヲ 井筒森介 柳愛里 益子和浩 大杉蓮
1995年制作
posted by フェイユイ at 22:08| Comment(1) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by gps 腕時計 at 2013年07月26日 16:33
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