2005年07月26日

「花火降る夏」フルーツ・チャン・前半

花火2.bmp

これが、前に一度観た陳果監督の映画だった。しかし、今回観て全然受け取ったものは違うのではないか、と感じた。

1997年3月30日、英国から中国へ返還間近の香港。蛍の光がバグパイプで演奏される中、イギリス軍香港駐屯部隊が解散した。

地下鉄の中、居眠りしている男の顔を覗き込む少年。男の頬にはなぜかぽっかりと穴が開いていて、向こう側が見えるのだ。

主人公・ガーイン(トニー・ホー)は放り出された軍の兵士仲間と仕事を探しているが長年、軍隊にいた彼らに仕事はみつからない。父親からは上手く立ち回って稼ぐんだ、と言われるばかり。ヤクザになった弟を見習えとさえ。仕方なく兄・ガーインは弟・シュンがいるヤクザのボスの運転手として雇われることになる。

前作「メイドインホンコン」で鮮烈な印象のサム・リーはここでもちょっとキレた弟役を魅力的に演じています。軍人で堅物の兄との対比がおもしろく、といっても兄弟の絆も感じられて引き込まれます。あの細いサム・リーの身体は健在で(ずっと細いですが)ペッタリした髪型と身体に張り付いたTシャツと共に彼の魅力を浮き出させています。

自分たちの仕事を奪った英国と香港に不満を持たざるを得ない彼らはとうとうヤクザの一味・シュンの提案で英国系の銀行を襲おうと計画する。

訓練はしていたが戦争の経験はない彼ら。「戦争がなんだ。今がその戦争だ」と喚くシーンがある。まったくだ。日々、必死で働いていてもいつどうなるのか、わかりはしない。稼げる金は僅かで、休みもなく働き続けてようよう生きていけるしかないのだから。

彼らは暗号も決めて銀行強盗へと赴く。だが、なんと言うことか!彼らの前に先客の強盗が入ってしまい、そこに勤めていた仲間が殺されてしまうのだ。そして飛び出してきた先客強盗と鉢合わせ。警察も駆けつけて銃撃戦となってしまう。本物の銃は持ってなかった彼らだが、弟・シュンだけがヤクザの仕事がらみで手にしていた銃をぶっ放す。慌てて逃げ出したガーイン一行、だがいつの間にやら車の中に先客強盗の一人が間違って乗り込んでいた(点呼の暗号でばれたのだった)しかもそいつはヤクザのボスの娘でガーイン・シュンとちょっとした事件で顔見知りであったのだった。

青馬大橋落成で花火が打ち上げられる。6月ではあるが暑そうな香港の夜である。花火だけでなく、映画そのものも熱く動いている。やるせない怒り、あきらめ、願い、などが画面を通してぎらぎらと伝わってくる。これは、昔観た時には、むしろ感じなかったものだ。若いときでなく、日々の生活に追われている今のほうがこの映画の持つエネルギーを感じ取れる気がする。若くて可愛いシュンでなくお兄ちゃんの苛立ちがわかるのだ。

このおもしろい映画を前半だけというのは心苦しいが、また明日続きを語りたい。
posted by フェイユイ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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