2005年08月15日

「アレキサンダー」ガウガメラの戦場にて

フォボス.jpg
フォボス

このガウガメラの戦場におけるアレキサンダーの演説と戦いの高揚感は圧倒される。

戦いの前日、若き金髪のアレキサンダーは武将たちの中心で25万のペルシャ軍を倒し、敵王ダレイオスを捕らえる作戦を練っている。
多くの場面が絵画を思わせるがこの会議もその一つだ。金色の髪のアレキサンダーはプトレマイオスに神を思わせた大胆な作戦を持って戦いに挑もうとしていた。夜襲などは彼の理想に反していたのだ。が、それが却ってアレキサンダーを勝利に導くこととなる。
ところでコリン・ファレルの金髪に反感を持つ人が多いようなのだが、私は彼を初めて見るのでまったくそんなことは感じない。むしろ若き王の象徴であり、金の獅子を思わせるイメージとして大変印象的だと見えた。先入観のある観客は時として損をするようだ)

その夜、アレキサンダーは火星の衛星フォボスに祈りを捧げている。ヘファイスティオンが近づいて聞く「恐怖の星に?不吉な前兆だ」「ダレイオスにとってな」アレキサンダーは答える。フォボスは恐怖を表すということだが、同時に「敗走」をも意味しているという。アレキサンダーはて敵王の敗走を感じ取っていたのだろうか。

ガウガメラの戦場にて。
アレキサンダー率いる密集歩兵部隊の綺麗に揃った6メートルの長槍が美しい。アレキサンダーが兵士たちを賛辞しまた鼓舞する声が響き渡る。兵士たちの声がそれに呼応する。
かくしてアレキサンダーは兵士たちの心を捉え、激しい戦闘へと駆り立てた。「何のために戦うのか、と問われたら答えよ。自由と栄光そしてギリシャのために」アレキサンダーが見上げると空高く鷲が飛んでいる「ゼウスよ、守りたまえ」アレキサンダーは兵士の居並ぶ前を黒馬ブーケファラスに乗り颯爽と駆け抜ける。その短い衣装から出た太腿がまぶしく美しい。
この瞬間彼はまさに神となり兵士らの心をつかんでしまった。ペルシャ軍25万に対し、アレキサンダーのマケドニア軍は僅か4万。しかし結果はマケドニア軍500名の戦死者に対してペルシャ軍は9万以上もの戦死者であったという。神の力がなければ出来ない戦いであった。

アレキサンダーは先頭をきって敵・ペルシャ王ダレイオスを追い詰める。母のひざで甘えていたアレキサンダーとは思えない悪鬼の如き形相で血まみれになった様は壮絶だ。負けを感じて一人敗走するダレイオス。ここぞと後を追わんとするアレキサンダーに副将パルメニオンの部隊が危ういとの知らせを受け、アレキサンダーはとっさに懊悩する。だが、ここでアレキサンダーは味方を救うことを選択したのだった。この時、アレキサンダーが空に向かって咆哮する。その声が悲痛で心を貫く。
コリン・ファレル=アレキサンダーの最も心奪われる姿だ。

このときにアレキサンダーが被っている金の獅子の冑がまたかっこいい。黒い馬に白い装束、金の冑に赤い飾り、という何とも華やかないでたちである。
ところで塩野七生さんの「ローマは一日にして成らず」という文庫本をつい買ってしまったのだが、下巻の表紙がアレキサンダー大王発行(!)の金貨なのである。ご自分の横顔を金貨になさったようですが、これが何ともハンサムである。「風になびく長髪」で有名と言うことでこの図柄から見るとなびいてるのは赤い飾りではなくご本人の美しい長髪のようである(確かなことは解りませんが)だとしたら、映画以上にご本人は伊達男だったようですね。かっこいいー。まだ中身はよく読んでないのですが(塩野さんのだからおもしろいと思う)つい大王の横顔に惹かれて買ってしまいました。塩野さんはイタリアびいきの方ですから「アレキサンダーが東方へ征服に行ってよかった。まだイタリアはほんの小国だったから」と書かれていておもしろい。
また余談が長くなったが、この「ガウガメラの戦い」の場面を観て、コリン・ファレル=アレキサンダーの張り裂けるような魅力に戦慄を覚えた。ここに監督オリバー・ストーンのアレキサンダーへの憧れが全てこめられているのは間違いない。
posted by フェイユイ at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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