2005年09月25日

天龍八部第40集・完

「天龍八部」の主人公たちがここに集まった。

遼国皇帝の策略で蕭峯に毒を飲ませてしまった阿紫。苦しむ蕭峯を抱きしめながら「その聖水を飲ませれば、妻にしてもらえると思ったの」そして一緒に死ぬわ、と刀を振り上げる阿紫の腕を蕭峯はつかんで止めた。お前だけでも逃げろと言っても阿紫は離れない。取り囲んだ兵たちは「投降しろ」と叫んでいる。阿紫は兵たちに刀を向けたが、蕭峯は殺してはいかん、と言って自ら兵たちに従った。兵たちも蕭峯に礼は忘れず、馬に彼を乗せた(蕭峯なら馬に乗せれば逃げられたかもしれないのだが)
が、阿紫は連行される途中の川に身を投じた。蕭峯は「身投げなど。お前は罪に問われはしないのに」とつぶやいたが、阿紫は大理の兄・段誉のもとへ急いだのだった。蕭峯を助けて、と頼むために。
皇帝になっていた段誉だが義兄の窮地と聞き、二兄・虚竹にも助けを求める。

鉄格子の中で鎖に繋がれた蕭峯は酒を要求した。皇帝の使者が蕭峯の改心を求めて説得するが、蕭峯の心は動かない。皇帝は骨のある証拠だと更なる説得を命じる。まず大宋を攻め落とし、それから蕭峯を説得するか、と使者に言う(それほど蕭峯を認めている、という表れでしょう)

蕭峯を救おうと動き出した者に丐幇たちがいた「喬幇主を救い、再び丐幇に戻ってもらうのだ」という意気込みで駆け出した。
また、少林寺の僧たちも蕭峯のために遼国を目指した。

道を急ぐ段誉たち一行の前に「皇帝様、万歳」と子供たちに言わせている不逞の輩がいた。不審に思った巴天石が「見てみましょう」
子供に飴を与えて「皇帝」と呼ばせていたのは阿碧。そして岩に座って「ついに燕を復興したぞ」と高らかに笑っていたのは、あの慕容復その人であった。
(これはショックだった。前回でこのような事をするとは狂っている、と書いたのだが、まさしくもう狂っていたのでしょう。その兆候はずっとあったわけで。一人の才能ある若者が一族の呪縛から逃れきれず、しかも望みをかなえる事は出来ないのならこうなるしか方法はなかったのかもしれない。忠臣たちはこの姿を見たくなかった為にあのような悲劇を受け入れたのかもしれない)

皇帝の説得を拒み続ける蕭峯の前にまたもや使者が到着し説得にかかった。その声を聞きとがめ、見上げるとそれは変装した阿紫と木婉清、鍾霊、そして朱丹臣ではないか。
たちまちに彼らは側にいた見張りの者たちを倒し、蕭峯の身柄を地下から助け出した。そこには義弟・段誉と王語嫣が待っていた。
蕭峯も変装をし、阿紫が「火事だ」と叫んで周囲の者たちを混乱させ、逃げ惑う人々に紛れこんだ。「皇帝がさらわれた」と叫ぶ者もいて蕭峯は「皇帝は義兄なのだ。傷つけないで欲しい」と頼むと「これははかりごと。三十六洞七十二島の頭たちが混乱を引き起こしているのだ」と言われもう一人の義弟・虚竹も助けに来た事を知る。しかも妻・西夏国の姫をつれて来たと言う(いいんですが、皇帝から姫君からやって来ては危ないです)段誉が大理皇帝となり、王語嫣と結婚した事も告げられる。

蕭峯が南征を諌めて捕らえられたと聞き駆けつけた少林寺の僧たちも戦っていた。(しかしここ後でくっつけたんでしょう、僧がやられてんのに蕭峯が何気なく見てるので少し変)
丐幇の長老も打狗棒を掲げて蕭峯に戻って欲しいと懇願に来る。が、蕭峯は自分は契丹人なのでその申し出は受けられないと答えた。

虚竹が現れ、蕭峯との再会を喜ぶ。その時、少林寺の僧たちが立ち往生になっていると聞き、段誉、虚竹は霊鷲宮の者たちを連れて迎えに行く。蕭峯も後を追おうとするが「捕まってしまう」と止められた。
狭い門の通り道を遼国の兵たちが押し寄せてくるのを見て蕭峯は「俺はここだ」と叫び、降龍十八掌の構えを見せた。だが、蕭峯は遼国の兵を見て構えを解き「仲間を傷つけるな」とつぶやくように言っただけであった。ここにも蕭峯の逃れられぬ苦しみがある。契丹人だとののしられ遼国に戻った蕭峯だが、我が身を縛ったのは同胞であった。その彼を敵とみなされる宋や大理の者たちが命をかけて救いにきてくれているのだ。蕭峯が愛すべき人はどちらにいるのか。少なくとも同胞である契丹人に友と呼べる人はいない蕭峯なのだ(義兄弟の皇帝と不仲になった以上は)だが、契丹人の兵たちも蕭峯に好意を持っていることは確かなのだ。そして目の前であれほどあってはならないと思っていたのに、宋人と契丹人が戦い傷つけあっているのだ。自分のために。契丹人を傷つける宋人は憎く、また我が身を助けに来た宋人を倒す契丹人にも賛同できない。蕭峯の住む場所はないのだろうか。

なおも蕭峯を守る為、戦おうとする二人の義弟を押しとどめ、蕭峯は丐幇の呉長老に丐幇らを援護につけ皆を雁門関に集めさせる。

蕭峯を先頭に皆が雁門関に到着するとそこには大軍を従えた皇帝・耶律洪基がいた。
蕭峯は馬を降り、跪いて礼をつくす。が、皇帝は貴様が何を言おうと宋を攻めるのだ、と言い立てる。
義弟たち、段誉と虚竹は目を見合わせ義兄のために遼の大群めがけ突き進む。二人は華麗ともいえる鮮やかな技で大軍の矢をかわしつつ、前進するのだった。それを見た阿紫をはじめ蕭峯を救いに来たものは大軍をものともせず戦った(優れた武芸者の阿紫や木婉清はいいとして、鍾霊は可愛すぎてちょっと痛痛しいんですが、やっぱ強いんでしょうね)
その間に段誉、虚竹は皇帝をさらって飛び上がり、崖っぷちに連れ去った。蕭峯は皇帝を捕まえた二人の身分を説明した。そして皇帝の身柄を返す代わりにお願いを、と申し上げる。皇帝は何なりと言え、と。
蕭峯は「直ちに兵を引き、陛下の存命の限り絶対に国境を越えないと約束してください」二人の義弟も異存はない。「もし承知しなければ」と言う皇帝の問いに蕭峯は皇帝の腕を取り、崖を覗き込んで「その時は、ともに命を絶ちます。誓ったはずです。同じ時に死ぬと」「わし一人と遼・宋の和平と引き換えか。またわしの命も高いものだな」「陛下の命は尊いものです。だがもっと尊いものがある」聞きとがめる皇帝に「それは万民の命です」と答える蕭峯。蕭峯はこの雁門関で失った母や多くの人々を思った。
皇帝は「解った」と言い、その場を離れようとしたが、段誉と虚竹がそれを拒んだ。皇帝は「わが命のある限り一兵卒とも宋の国境を越えてはならん」と言い、己の刀をとり真っ二つに折って蕭峯の足元に放り出した。
今度は皇帝を止める者はなかった。皇帝は蕭峯に「これで宋に手柄を立てたな、高官に取り立てられるだろう」と言い放つ。蕭峯は「私は契丹人だ。皇帝への謀反は志に価する。平和の誓いと引き換えにしましょう」と皇帝が折った剣を空中に舞い上げる。それを見た段誉、虚竹、阿紫らは蕭峯の身を案じて彼の動きを止めようとした。が、間に合わず蕭峯は自らの身体にその手折れた剣を突き立てた。
義弟たちは蕭峯の身体を抱きかかえた。「遼の兵たちは撤退したのか」「しました」二人は泣いた。
帰っていく皇帝の目は蕭峯の行動を理解できない目だった。

蕭峯は崖下を見やり、「父はあの時ここから俺を投げ上げた。今そこへ帰っていくとしよう」
阿紫は二人を押しのけ、すでに息絶えた蕭峯を抱いた。「やっと抱かせてくれるのね。いつものように押しのけたりしないで」
そこへ游担之が現れた「阿紫、阿紫」と呼びながら。阿紫は蕭峯が目をくれたのにお前は冷たい、と言った言葉を思い出し、自ら己の目玉を抉り出し、「これで借りはないわ」
游担之は捨てられた目玉を拾って泣き、自分で岩に頭をぶつけて死に果てた。
阿紫は蕭峯の亡骸を抱いて崖から飛んだ。
段誉と虚竹そして他の者たちも崖から二人の姿を捜したのであった。

多くの人の悲しみ・苦しみを救いたいがために、とうとう蕭峯は逝ってしまいました。が、平和を望んだ彼が動いただけで多くの命が失われてしまうという事実は蕭峯には耐え難いものだったのではないでしょうか。彼は愛を求めてもそれを得る事はかなわず、平和を願っても争いは収まらない。蕭峯の心には彼を引き止める人がいない。
阿紫は最後まで阿紫でありました。游担之がくれた両目を放り捨ててしまうなんて蕭峯が生きていたらまた怒ったことでしょう。彼女もまた求めたものを手に入れる事はかなわなかったわけです。ただ、阿紫が蕭峯を好きと言う気持ちがどういうものなのか、蕭峯がなびかないから面白いだけなのかもしれないし、とか。最後まで観てもやはり一番悲しい主人公でした。
游担之の空しさはまた格別ですが。

出演:胡軍(蕭峯)ジミー・リン(段誉)リウ・イーフェイ(王語嫣)高虎(虚竹)申軍誼(丁春秋)馬浴柯(游担之)修慶(慕容復)陳好(阿紫)周冰清(梅剣)周玉[さんずい吉](竹剣)
posted by フェイユイ at 21:27| Comment(3) | TrackBack(0) | 天龍八部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんわ

少し落ち着いたので、書かせてもらいます。

>義兄の窮地と聞き、二兄・虚竹にも助けを求める

なんといっても天龍八部の後半を魅せてくれたのは虚竹なのに、この扱いに愕然としました。
さすがに最終回の虚竹が出陣を指示するシーンは、カッコ良過ぎてシビレマした。
しかし、夢姑とのラブロマンスは?結婚式は?夢姑の素顔のアップもホトンド無し。
少し怒りも覚えました。
そして、その怒りの矛先は・・・。

やっぱり段家を最後まで好きになれなかったです。
だから、段家に割いた時間を虚竹に回せ!って思いますよ。描いても(必要と分かりつつ、我がままと思いつつ)気分悪いだけだし。

>王語嫣と結婚した事も告げられる。

これで怒りのピークに達してしまいました。
段譽は王語嫣と結婚したいのは分かるけど、結局あの惨劇は無かった事にしたのが、納得いかないんすよ。
段延慶の子供と言うのは確かに継承者にとって都合が悪いし、生母の名に傷をつけるので、秘匿するのは理解できるけど、王語嫣が妹(じゃないけど)と公表するべきでしょう。じゃなかったら木婉清が可哀想過ぎる。ずっと思い続けているのに。
王語嫣は最近まで燕国皇帝を好きだったんですからね。

>皇帝様、万歳
阿碧に会いたかったですけど、あんなシーンで再開するなんて(TT)
実は、段譽一行が、慕容復はともかく、阿碧も放置して行ってしまったので、段譽と王語嫣に怒りを覚えていたんですよ。
納得がいかず、原作を読む機会があったので読んでみたら、段譽は保護しようとしたけど、阿碧の幸せそうな顔を見て、二人っきりにしたって書いてあって、段譽に対してのわだかまりが、少し薄らいで良かったですよ。

>皇帝が折った剣を空中に舞い上げる
このシーンは衝撃が走りました!
なぜなら、「射雕英雄伝」放送時にあった「天龍八部」スタートのCMのラストが、断崖で両手を挙げる蕭峯と蕭峯の頭上にある剣に向かって飛ぶ義弟たち。
見た時、義兄弟の契りのシーンで、変わった契りのシーンだなぁって思っていたら・・・。あの剣は義兄弟の印に義弟たちが貰うと思っていたら、蕭峯の胸に・・・(TT)
今思うと「天龍八部」のCMやOPの7割は悲劇のシーンだったと愕然としました。

さらにチャンネルNECOでのCMで、「星竹娘の悲劇のテーマ」(勝手にタイトル付けました)の曲が流れたので、蕭峯が阿朱の霊を見た(もしくは迎えに来た)と思ったら、阿紫がやっと蕭峯と一緒にずっと居れると喜んでいるシーンだったんですね。

>阿紫は、蕭峯の亡骸を抱いて崖から飛んだ。
いつもの事ですけど、なぜあんな終わり方するんでしょうねぇ。あれなら、いっそ「終劇」とか出してOPに行かずに終わってくれた方が良かった。

でも理想は、OPな流れるけど映像は残された人々を描いてほしかった。
例えば、木婉清は阿朱の墓を知ってるから、蕭峯の墓も作って義兄弟たちが参るとか、色々あると思うんですよ。

天龍八部の場合、終わり方は原作の方が良かった気がしました。
Posted by 遠志 at 2005年10月29日 01:00
遠志さんの悲しみと怒りが溢れる最終回でしたね。

虚竹のラブロマンスの話が妙に少なかったのは確かです。段誉の話が長いですからねー。

>やっぱり段家を最後まで好きになれなかったです。
諸悪の根源は段家なので何とも言いがたいです。

>今思うと「天龍八部」のCMやOPの7割は悲劇のシーンだったと愕然としました。
これは凄いことですよね。衝撃のシーンの多くが使われていたという。

もしよかったら、この後書いた「天龍八部を観終えて」も読んで下さると感想も書いています。ここでの記事ではあまり何も感想書いてないですね。
Posted by フェイユイ at 2005年10月29日 23:28
Posted by at 2005年10月31日 01:36
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。