2005年10月23日

[薛/子]子(ニエズ)第七集・シャオミンと張さん

アチンはシャオミンに「父の家に手紙を置いてきてくれないか」と頼みに行った。母親が死にそうだからと。シャオミンは引き受けてくれた。

アチンが母の看病をしていると大家のおばさんがアチンに耳打ちした。溜まった家賃を払ってくれないかと。可哀想だとは思っているけどね。アチンはしばらく待って欲しいと頼んだ。が、母親は、このあばら家で金を取るなんて、とののしる。

シャオミンは彼を住まわせてくれてる張さんに懸命につくす毎日を送っていた。張さんもシャオミンが料理の腕前を上げていることを褒めた。シャオミンはうれしくなっていつもはしないのに、弁当をつめて張さんの会社へ持って行ったのだ。
弁当を持ってきたシャオミンを見た張さんは動揺していた。同じ部署の女性たちの前で慌てて弁当を受け取るとシャオミンを外へ追い出した。何をしに来たんだ。もうこんな事はするんじゃない。早く帰りなさい。

良かれと思ってやったことで厳しく怒られたシャオミンは思い悩んだ。そこへアチンが通りかかった。「ぼくの手紙届けてくれたかい」「うん」「父は何か言ったかい」「何も」アチンはシャオミンに金を持っていないかも訊ねた。シャオミンはなけなしの金をアチンに渡した、自分は張さんに世話になってるからいらない、と言って。
シャオミンがアチンに訊ねた「ぶらつかないか」「どこへ行きたいの」「どこでもいいんだ」
夕暮に二人は話し合った。シャオミンが聞く「家の事を考える?」「弟のことを考えるよ」「君に似てるの?」「いや、君に似てるよ」「おかしいよ」「ほんとうさ」
二人は川に向かって石を投げた。アチンは「君の負けだな」二人は笑いながら自転車で競争して遊ぶのだった。

シャオユイは林さんを連れて台北を案内して回った。
林さんは母校を訪ねた。彼は親友だった呉春[日軍]を思い出していた「瞬く間に30年がたってしまったよ」林さんはシャオユイに話しかけた。「ウー・チュンフイと私はよくここで本を読み、疲れると将棋をさした。彼とは兄弟も同然だった。彼と約束をした。日本で医学の勉強をして台湾に戻ったら診療所を開こうと。が、戦争が始まり、私は大陸で長い間過ごした」「では彼は一緒ではなかったのですか」「彼は南洋へ行ったのだ。今まで消息を知らないのだよ。生きてるかどうかすら知らないんだ」「彼はどんな人なんですか」「私が知ってるのは彼の若い時だからね。おや、君にちょっと似ているよ」「それなら僕が彼を探しますよ」「君は面白いことを言うね。こんなに長い年がたってしまったんだ。もう会っても解らないよ」「大丈夫。きっと見つけられますよ」「お伽話のようなことだな」「僕はまじめですよ。あなたは僕にとても良くしてくれた。僕はご恩に報いるため、きっと彼を探しだしますよ」「君のその心だけで私はうれしいよ」

周さんは見かけなくなったシャオユイを探しまわっていた。ラオシュウとアチンが周さんに捕まってしまい、「シャオユイのお母さんが病気なんだ」と嘘をならべたてていると折悪しくシャオユイが来てしまった。喜んで駆け寄る周さん。が、シャオユイが香水をつけているのを嗅ぎ取るととたんに「誰に会ってた」と嫉妬する。シャオユイは持ち前の機転で「お母さんの看病をしていて、薬代も無いのに周さんからも皮肉を言われるなんて」とすねる。とたんに周さんは「私が悪かった」とシャオユイにたくさんのお金をぽんと渡すのだった(アチンが欲しがっていたのと同じ金額)

楊教頭は3人を連れて(シャオミンは来れなかった)林さんの招待の食事会へ行く。その時落ちていた新聞を見て楊教頭は、はっとする。将軍が亡くなったのだ。将軍は新公園の伝説の恋人たちの一人ロンズの父親だった。

楊教頭たちは林さんに上等な食事をご馳走になる。その頃、シャオミンは帰ってこない張さんをひたすら待っていた。とうとう風呂に入った時、張さんが帰ってきた。慌ててよく拭きもせずあがってくるシャオミン。張さんは昼間のことでかんかんに怒っていたのだった。シャオミンが用意しようとする夕食も冷たく断り、また外出すると言う。こんなに遅く、と言うと「私の生活に干渉するのか」と激しく怒鳴りつけた。シャオミンはごめんなさい、とあやまり言い訳をしたが、張さんは聞こうともしない。探している黒いシャツが見つからずまたいらだっていた。シャオミンは黒いシャツを探して張さんに着せてやる。ボタンをかけてやろうとすると張さんはその手を撥ね付け出て行った。残されたシャオミンはどうしようもない心をもてあましていた。

林さんはシャオユイを非常に気に入ってまたその不安定な生活を気にかけていた。そこで楊教頭にシャオユイを是非自分の会社にいれて勉強をさせてやりたい、と申し出るのだった。教頭は驚き、シャオユイは「では懸命に勉強したら、日本の会社へ行くこともできますか」シャオユイは日本へ行けるかもしれないという期待に必ずがんばる、と言うのだった。
アチンは先に失礼します、と席をたった。教頭は部屋の外までアチンを見送り「こんな大事な時、何故私に相談しないのか」と言ってアチンにお金をくれた。アチンはお礼を言った。

アチンの母はすっかり弱っていた。アチンが持ってきた上等の料理ももう口にはいらないのだった。
その時、母は外に誰かの気配を感じた。アチンが覗くとそれは父親だった。アチンが手紙を出したのだから当然なのだが、アチンは動揺した。父が怖かった。父の「誰かいますか」の声に母は気づき叫んだ「彼を入れないで」「リーシア、私だいれてくれ」が母は泣き叫び決して入れようとしなかった。父もあえてその間を閉ざす薄い一枚のカーテンを開けようとはしなかった。その破れたカーテンが3人を隔てていた。アチンは声を出さず、父はアチンにも気づかないまま帰っていった。
母はアチンに痛みを訴えた。薬を取ってくるよ、と言っても離れることを怖がった。母は何かが見えていてそれを怖がって追い払った。「アチン、彼らを追い払って、私を捕まえようとするの」アチンは見えないそれに向かって手を振り払った「母さん、僕が追い出すよ。怖くない。あっちへ行け。僕の母さんを脅かすな。行ってしまえ」「行ってしまった?」「みんな行ったよ」「アチン、覚えていて。廟へ行って仏祖にお願いして。私の罪を許してくださるように。そして私を家へ連れて帰って。お父さんにお願いしてディーワーの側に埋めて欲しいと」「母さん、もう話さないで。目を閉じて休むんだよ」「アチン。あなたとディーワーが小さい頃、私がいつも歌って聞かせたわね。今、私に歌ってきかせて」アチンは静かに母がいつも歌っていたあの歌を歌った「風はそよそよと吹く。ひとり池のほとりで思い沈む。一面の睡蓮の花は静かに露の滴りを待つ」静かに目を閉じた母にアチンはしがみつき泣いた「母さん」

夜の海辺でアチンは火を焚いた。寂しい最後を迎えた母の葬式をアチンは一人で行ったのだろう。

ずっと疎まれ続けた母の最期をアチンは見取った。暗い海辺で母を送る場面は印象的だ。

シャオユイがすっかり好きになってしまった林さんの思い出話は切ない。アチンはシャオミンに弟の姿を重ね、林さんはシャオユイに若き日の親友の姿を重ねている。

いくらつくしても却って心が離れてしまうシャオミンの恋は悲しい。恋、なのか家族愛なのかよく解らないが。この張さんくらいむかつく人もいない。

原作:白先勇 監督:曹瑞原 出演:柯俊雄(李父)柯淑勤(李母)范植偉(李青)張捷(幼年李青)楊祐寧(趙英)金勤(小玉)阿鳳(馬志翔)龍子(トゥオ・ゾンファ)楊教頭(丁強)呉敏(張孝全)老鼠(呉懐中)林義雄(林茂雄)李昆(老周)
posted by フェイユイ at 21:02| Comment(1) | TrackBack(0) | [薛/子]子(ニエズ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
シャオミンのけなげさに、胸が痛くなります。
アチンの母親への想いにも、胸が痛みます。
Posted by banimi at 2005年11月16日 18:40
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