2005年11月13日

笑傲江湖・第十四集

部屋で一人こもって何やら読んでいた令狐冲は林家の「辟邪剣譜」を盗み読んでいたという疑いをかけられ、両肩を脱臼され王老爺と師父・師娘の前に引き出される。令狐冲はそれは曲洋老人らから託された「笑傲江湖」の楽譜なのだと弁明する。
が、それが本物の「辟邪剣譜」なのか、令狐冲が言った楽譜なのか、誰にも解らない。
変わり者の音楽家として名高い竹細工屋の緑竹翁なら解るかも、ということで皆で連れ立って街外れの竹林へ小旅行。
美しい竹林の中で竹細工に囲まれ緑竹翁は「それ」を受け取り楽譜には違いないが、どうも不思議な曲だ、伯母さんに見せたい、ということで奥に入ってしまう。「辟邪剣譜」を渡す奴があるか、と皆で中にはいると得もいえぬ美しい調べが。まさに令狐冲が曲洋・劉正風の二人から聞いたあの曲だった。
一行は思わずうっとり。例の書は確かに楽譜であるとわかり、王老爺、困った面持ちで令狐冲に謝りながら楽譜を返す。フンと言いたげな令狐中であった。

一人竹屋敷に残った令狐冲は老人の伯母さんに招きいれられた。御簾の向こうに座って琴を奏でる老女に令狐冲はその楽譜の由来を話す。そしてなぜか自分が今とても辛い状態にあることまで打ち明けてしまう。そして顔も見えないその老女に令狐冲は「笑傲江湖」の楽譜を渡したいと伝える。
老人・老女は令狐冲に生気が足りないと感じ診てあげようと声をかけるが令狐冲は自分の命は軽いものだから、と断って去っていった。

寧中則は岳不群に、今日は令狐冲は間違った疑いをかけられかわいそうだった、と言うのだが、岳不群は令狐冲のこれまでの行動がいけなかったのだから仕方無いと突っぱねる。

次の日も令狐冲は竹林の家を訪ねた。そしてやはり御簾の向こうの顔の見えない老女に楽譜にまつわる話をする。魔教の聖姑と言う女がその楽譜を狙っているので魔教とは関わらないがいいということを(ってそれならお婆さんがあぶないんじゃ)
老女は御簾越しに竹を使って脈をみてあげ、やはりおかしいと言う。が、令狐冲はもう自分の寿命は短いのです。せめて失くしてしまった崋山派の「紫霞秘笈」を見つけて師父に返し、それから愛する師弟へのお詫びに死んでしまいたい(う、泣ける)と話す。
が老女は令狐冲の話を聞いて、お前がツボを打っただけというのなら、お前が殺したわけではない。お前は気が乱れて殺すような点穴はできないのだ、と(よかったー。令狐冲のせいではなかったのね!)
話す途中で令狐冲は書を奪い師弟を殺したのはやはりあの聖姑だと言って立ち上がる。体が弱っていると言って止める老女の言葉も聞かず令狐冲は竹屋敷を飛び出した。

街行く女が皆、聖姑に見え疲れた令狐冲の前に聖姑が現れた。楽譜をよこせと言い、またもや剣のやり取りとなる。令狐冲の剣が聖姑の腕をかすめ傷つけたが、そのとたん令狐冲は気を失ってしまった。目が覚めるとなぜか老女の竹屋敷に寝かされていた。
なんと老女は聖姑様だったのだ(解ってはいましたが・笑)(だが、まだ令狐冲は気づいていない)
そして令狐冲は聖姑は何度も俺を襲うが殺さずに帰る。今日も躊躇していたのでつい俺の手がすべった。傷つけるつもりはなかった。大丈夫だろうか(いやー、お互いそんな気はないと思えないほど激しいと思いますが、達人からみると手ぬるい勝負なのでしょうかね)
その言葉を聞いて聖姑様も思わず笑みがこぼれる。「いい人なのだな」
まだ気づかない令狐冲は何故私にこんなに優しくしてくれるのですか、と聞く。聖姑様はちょっと困るが「縁だね。お前は聖姑には絶対に楽譜を渡さなかったが、私にはすぐくれた。縁じゃないか」令狐冲は笑ってうなづいた。久し振りに令狐中の安らいだ笑顔だ。
聖姑は御簾ごしに「笑傲江湖」を奏でた。聞きながら令狐冲は静かに眠るのだった。

兄貴が久し振りにいい気持ちになってほっとしましたよ。でもそれが知らないとはいえ、聖姑の家でだとは。ああ、また師父のお咎め必至。
聖姑様は以前のきついメイクはお止めになってかわいい化粧法に変えられましたね。それもまた美しいです。
それにもましてかわいいのは緑竹老人の頭の上の竹の鉢の髪飾りですわ。キュート。
そして気になったのが、この竹屋敷のたたずまい。靴を脱いで中に入り、畳が敷いてある、ということで何とも日本風ではないか。と言うか日本がこの辺りの影響を受けているわけでしょうか。
そう思ってみていると令狐冲の髪型・服装もわりと日本の剣士的な趣をもっていますよね。

出演:李亜鵬(令狐冲)許晴(任盈盈)李解(林平之)孫海英(田伯光)陳麗峰(儀琳)彭登懐(余滄海)李勤勤(定逸師太)巍子(岳不群)苗乙乙(岳霊珊)
posted by フェイユイ at 23:32| Comment(16) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんわ

>竹細工屋の緑竹翁
髪型が曲洋さんに似ているんで、おば様って金庸作品の中でも屈指のスーパーヒロインではって思っていたら、やっぱり聖姑様だったんですね。師姐が言われるようにメイクも変わり、これっていよいよ前面にお出ましになれる合図かなぁって思いました。

今回も令狐冲は荒れていましたね。
それにしても、やっぱり好きになれないですね。師父たちに疑われて(今回さらに聖姑様と戦った事を隠し、さらに師父の疑惑を深めて、反省していないんですね)ヤルセナイ気持ちも分かるし、林家に対しての言い分も分かるんです。
ただ、やっぱりあの態度は・・・。自分が頂点に居るとか、孤高だったら良いんですけど、弟子の立場だし、師父の面子に泥を塗るし、少なくとも一番心配知れくれてる寧中則を困らせる事になるのに。口では師父たちの恩と言いながら、やってる事が本末転倒なきがします。

でも、噂に違わぬ魅力的な聖姑様がようやく出てきてくれて、今後楽しみになってきました。
Posted by 遠志 at 2005年12月04日 00:23
厳しいなあ。でもこの辺は令狐冲が一番荒れてた時ですもんね。解ります。
でも私は今はもう令狐冲が可愛くて(笑)魅力的な主人公だと思って観ております。
聖姑様は最初から魅力的だったですけどね。でも聖姑様は輪をかけて悪い女なんですが(笑)
Posted by フェイユイ at 2005年12月05日 00:46
笑傲江湖の好きなところは音楽がポイントになってるところです。
で、音楽を大事にしているのが邪派で正派のほうはいかにも実務ONLYで楽譜がちんぷんかんぷん。
やっぱり邪派は文化大革命で非難されたブルジョア文化人とか宗教家で、正派は推進派という感じがする。
劉正風の引退式の吊るし上げなんていかにもそんな感じだったもん。
嵩山派の左冷禅が林彪、岳不群が毛沢東って役どころかな。じゃあ寧中則が江青かっていうとちがうわ、穏健な周恩来ってとこかも。
Posted by 格瓦拉 at 2005年12月05日 09:14
まったくその通りですね。邪派には凄く共鳴できるのに、正派は争いごとばかりで嫌な連中ばかりです。師父がハンサムなんでいい人なんじゃないかとちょっと騙されちゃいますが、本当に令狐中に対して酷いですよね。
金庸小説がそういう現実問題をベースにしていると言うのが、余計に物語をリアルなものに感じさせるのでしょうね。
Posted by フェイユイ at 2005年12月05日 10:03
フェイユイ師姐 
こんにちは。

>厳しいなあ
やっぱり、始めて見たのが射雕英雄伝で、郭靖だったからかもしれません。
師匠たちの教えだけど、『例え悪人でも礼を忘れるな』って言うのを忠実に守っていたし、新鮮でしたから。

令狐冲的な事って実社会で普通出来ない。内心で不満を思うぐらいなんですよね。だからこそ、憧れる面もあるから、ヒーローものでよく見たりしました。
だから、初めて郭靖を見た時、この男って『おもしろい』って思いましたし、影響あると思います。
Posted by 遠志 at 2005年12月05日 17:09
郭靖と比べてしまうとどうしようもないです(笑)
どちらも李亜鵬がやってるせいもあってつい比べて観ちゃうんですが、今更ながら郭靖は凄いキャラだな、と思うんですよ。
でも、ま、ここにも書いたんですが、令狐冲の悩みって言うのはわりかし自分に投影しやすいものかな、と私は思ってるのですが。その辺が身近でおもしろいかなと。「英雄伝」「天龍八部」は気宇壮大ですから。
Posted by フェイユイ at 2005年12月06日 00:15
こんばんわ

聖姑さまの登場(前も登場したいますけど)が、令狐冲の転機になるのかなぁって期待できる終わり方でした。

令狐冲って三国志の馬超と同じで、組織内にいると光らないけど、縛りがなくなると光る英雄なのかぁって思います。
で、この14章で期待が上昇したのは、組織から解放されそうな流れが加速しそう。ただ組織から解放されるまで、まだしばらく辛い立場に置かれる令狐冲(たぶん)ですけど、そこは聖姑さまを手に入れた(まだ間接的だけど出会った)事で、多少癒されるでしょうし。
でも、もしかしたら令狐冲と聖姑さまは、まだまだお近づきになれないのかなぁ・・・。だったら悲しい事ですね。
Posted by 遠志 at 2005年12月06日 01:12
令狐冲は曲洋を男として見込み、ちゃんと男としての約束を守ってるだけで、師父の理不尽な仕打ちにあって石窟に閉じ込められて、その中でたまたま風清楊に技を教えれて、これも約束を守って黙ってるだけ。その間に可愛い岳霊珊は林平之にとられちゃうし、面白くないことばっかりなんだわな。師父は封建的な頑固親父で 世間はそんな甘いもんちゃうんや、長いものには巻かれろというやんけ、正派は正しく魔教は邪だといったら、それにきまっとるんや、わしの言うことをきかんかい、ちゅう態度でしょ。師父の態度には人間としての信頼がないんですわ。令狐冲としては冷静に考えれば考えるほど師父を信頼できなくなっている状況なんでしょうね。
Posted by 格瓦拉 at 2005年12月06日 15:11
◆格瓦拉さん
こんばんわ ヨロシク願います。

>師父の理不尽な仕打ちにあって石窟に閉じ込められて
すると、やっぱり見たまんまで、理不尽だったって事ですか?
あとで寧中則さんには、次の技を学ぶ為の内功の修行とか、崋山派が狙われだして、崋山の切り札である令狐冲を隠したとか言っていましたけど、実は内心はドロドロだったわけですね。

>正派は正しく魔教は邪
天龍八部の時も蕭峯が追放される時を思い出しました。自分としては一つの正義に対して、逆方向に同等の正義があるって思っているんで、あの言葉聞いて、日月神教派になりました。向問天ってジェベ師匠なんで期待もドンドン膨らみます。

>師父
師父というより父親・母親って感じなんでしょうか。だったら余計に令狐冲の気持ちも分かります。
Posted by 遠志 at 2005年12月06日 22:04
格瓦拉さん、遠志さん、こんばんは。

私が見ている分では、師父のやり方はどう考えても理不尽です。いくら厳しいしつけと言ってもひどいし、格瓦拉さんの言うとおり頑固な考えを押し付けているだけですもんね。
ただ哀しいのは、邪険にされている令狐冲の方はただもう岳家族の中に入りたいと願っているわけで。どんなに辛くあたられても慕い続けているのが見ていてたまりませんね。遠志さんが言ってるように師父と言う以上に父として見ているのに、そうではないのですから。でも師娘が本当に令狐冲を子供のように思っていてくれるのが唯一の救いですけど。
Posted by フェイユイ at 2005年12月07日 00:38
遠志さん & フェイユイさん こんにちは

父親というものは、実に世間に弱く、子供を叱るときでも子供のためではなくて自分の保身のためであることが多い。反対に母親はいくら世間から非難されようとも自分の子供をどこまでも守ろうとする、そういうモチーフが感じられますね。

>一つの正義に対して、逆方向に同等の正義がある
そうですね。どちらにも正義がある。どちらの正義が正しいかなんて結局勝ったもののいいようになるのが政治の世界ですね。

ところで 聖姑さまって 令狐冲よりだいぶん年上みたいな感じがするなぁ。
Posted by 格瓦拉 at 2005年12月07日 17:32
うーむ、お二人の意味深いコメント読んで考えさせられますねー。ありがとうございます。うれしいです。

>聖姑さまって 令狐冲よりだいぶん年上みたいな
原作としては確か、令狐冲が25歳くらいで聖姑様はまだ18歳くらいじゃなかったでしょうか?
実際の聖姑役・許晴は1969年生まれ。李亜鵬は1971年生まれですって。2歳ですが逆ですね。しかし聖姑様の年齢差は凄いかも。が、私としては美人なのでかまいませんが(笑)
Posted by フェイユイ at 2005年12月07日 19:42
ぎゃふん!
原作聖姑様って そんなに若いのか。そう思ってみないといかんのだな(^○^)

Posted by 格瓦拉 at 2005年12月07日 20:47
フェイユイ師姐 格瓦拉さん
こんばんわ

>令狐冲の方はただもう岳家族の中に入りたいと願っている
そうなんですよ。
本当だったら、曲洋や風清楊との約束を守り通す義侠の男って事になるんだけど、岳家族の一員たろうとすると矛盾が生じたりして、その辺りが私的に歯がゆくてならなかったんですよね。「飛び出しちゃえ!」なんて思ったり・・・。

>聖姑さまって 令狐冲よりだいぶん年上
他にも逆転パターンって『書剣恩仇録』でもありました。
主役の趙文卓が72年でヒロインの閔詠荷が69年(だったと思うんですが)生まれ。さらに、ヒロインは20歳だったそうです。でも許晴と同じく凄く綺麗な方ですけどね。

>そんなに若いのか
最近気付いたんですけど、ヒロインって18歳前後が多い気がします。可憐だけど、しっかりした大人の女性が18歳ってイメージがあるんでしょうか?
情報が無い時が乱暴だけど18歳と思ってだいたいOKじゃないですか(笑)
Posted by 遠志 at 2005年12月08日 00:44
>「飛び出しちゃえ!」なんて思ったり・・・。
ははあ、そこに遠志さんはひっかかっていらしたんですね。
でもやっぱり孤児という身で、家族と言うものは何物にも変えがたい大切なものだったんでしょうね。
原作で令狐冲が「師父たちが拾ってくれなかったら、死んでいたかもしれない。それなのに俺はあんな事をして人でなしだ」と言うと盈盈が「あなたは物乞いしてでも生きてこれたわよ」と話すシーンがあって令狐冲が深い恩義を感じているのがわかります。 
令狐冲の小師妹に対する熱心な愛情もただ家族を欲しがっているためなんじゃないかなあと思っているんですが。
Posted by フェイユイ at 2005年12月08日 19:24
こんにちは

>小師妹
いっそ、ひどい女性だったら後腐れもないけど、これがまた菩薩さまのような女性ですからね。捨てがたいのは、重々に・・・。

>深い恩義
梅超風姐さんをみれば、十分わかります。あの姐さんも令狐冲と同じ境遇でしたしね。

今思ったんですけど、令狐冲の本当の味方って小師妹と六猿だったけど、孤立気味になったのも弟子たちを抑える事ができた六猿を失くしてしまったからですよね。
小師妹は大丈夫でしょうか。あの方の身が心配ですね。
岳不群が、本当に皆さんが言うような男なら(私も林平之と共に疑ってましたけど)、場合によっては小師妹を見殺しにするかも。もしくは囮とか盾とか。
Posted by 遠志 at 2005年12月09日 17:41
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。