2005年11月27日

[薛/子]子(ニエズ)第十三集・思い出 前半

僕は将軍である父に部屋に閉じ込められてしまった。

アフォンは公園で一人座りこんでいたが、じっと見つめる男に気づくと声をかけた。男は怯えながらいくらかと聞いた。アフォンは「いくらでも。行こうぜ」

僕が部屋に閉じ込められているのを母親はひどく心配した。これを乗り切れば全ては正常に恢復するわ、と言っても僕はアフォンを忘れられない。と言うばかりだった。母親は心を痛め泣いた。「あなたは一人っ子よ。家を継がねばならないのよ」だが僕はアフォンを愛している。これは運命なんだ。母は二十数年あなたを育てたのに、あなたはこの事実を運命だから受け取れと強要するのね。僕はごめんなさい、と跪いて泣いた。
母は決心したようにドアを少し開けて出て行った。そして見張り番から部屋の鍵を受け取った。そしてフォン爺にお茶を頼んでその部屋を離れた。

僕は外へ出た。そして夜の新公園を歩いた。アフォンもまた新公園を彷徨っていたのだ。
アフォンが老人に絡まれていた時、僕は彼を見つけた。あの時のように紅いシャツを着ている。
僕は言った「家に帰ろう」「俺の家はここだ。あんたは俺をどこへ連れて行くんだ」「そんなことを言うなよ。僕から離れるつもりなのか」「あんた一体俺に何をさせたいんだ」「僕はただ君の心が欲しいだけだ」「俺は生まれてからそんな物持った事がないよ」と言ってアフォンは離れていこうとする。僕は彼の背中に抱きつき「君にないのなら、僕があげるよ」「放せよ、放せ!!」逃げようとするアフォンを僕は必死で抱きしめようとした。彼は何度も放せと叫んだ。しかし泥だらけになって転がりながら二人は抱きしめあいいつしか泣き出した「どうすれば。一体僕達はどうすればいいんだ。僕達は何とかやっていけなかったのかい。僕の母さんは君に何と言ったんだ」アフォンも泣きながら叫んだ「違う!違うんだ・・・これはあの人達が言ったことじゃないんだ。俺が決めたんだ」「でも、でも僕達二人は一緒にいて凄く楽しかったじゃないか、そうだろ」「俺だって楽しかったさ。でも俺が耐え切れない性格だと知っているだろ」「いや、君は慣れてないだけだ」「俺は永遠に慣れないんだ。あんたは人に聞いたろ。俺がどういう奴か。野放しの卑しい身の上なんだ。あばずれから生まれたならず者さ」「お前は僕がそんなことを気にしてると思ってるのか。僕はただ君といたいだけなんだ」「俺の身体は毒なんだ。身体中汚いんだ」空からは雷鳴が聞こえてきた「お前の身体が毒なら僕が舐めて綺麗にしてやる。お前の身体が汚いなら僕の涙で洗ってやるよ」涙は止めどなく流れる。「あんたの話は馬鹿げている。あんたはお坊ちゃまなんだ」「アフォン、アフォン。僕と帰ろう。一緒に新年を迎えるんだ」僕はアフォンの手を取った。「俺はあんたとは戻れない。解んないのか。俺は彼と行くよ。彼は俺に50元くれるってさ。お年玉だ」僕は喚いた「彼が君にやれるものを僕がやれるじゃないか!」アフォンは泣いていた「この世ではだめだ。俺がいい家に生まれ変わったら、あんたに答えるよ。いいだろ。いいだろ!!」「じゃあ、僕の心を返せ」雷鳴が続く。アフォンが立ち止まった「俺の心か」そう言って僕にぶつかってきた「これが欲しいのか」自分の胸をはだけた「取れよ。取れ」そう言ってはぶつかった「取れよ!さあ!」僕は彼を抱きしめた。その顔がうっとりと変わる。真っ暗な空には雷鳴が轟き、稲妻が走っては明るく照らす。アフォンの胸には細いナイフが突き刺さっていた。彼は少し笑って僕を見た。そして彼の身体は地面に崩れ落ちた。その身体は痙攣し両腕は僕を抱くかのように前に差し出されていた。アフォンを見つめながら僕は稲光に映し出されるのを感じた。僕はアフォンを抱きしめた。激しく雨が降り出す「アフォン」僕は泣いた。アフォンはまた少し笑いかけかすかに痙攣して動かなくなった。土砂降りの中、僕はアフォンの身体を抱きしめた。そして空を見上げて笑った。雨がうずくまる二人の身体を容赦なく叩きつけた。


posted by フェイユイ at 23:09| Comment(4) | TrackBack(0) | [薛/子]子(ニエズ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんて、なんて、すごい場面なんでしょう。
二人がお互いを必要としているのに、つらい。
雨と雷の中のシーンなんですね。もう泣けてきちゃいました。
Posted by banimi at 2005年12月02日 00:05
「ニエズ」の中で最も印象的な場面の一つですね。なぜか主人公のアチンよりアフォン・ロンズペアの方が劇的なので。
このドラマのアフォンの魅力的なことといったら。なんとも言えません。
Posted by フェイユイ at 2005年12月02日 23:02
こちらへの書き込み初めてです。
こんにちは!

にえず 読ませて頂いてます。

しかしいつもざっとだったのですが
(すいません)
今回 じっくりと1時間かけて読ませて
頂きました。

ドラマ見るための参考にさせてもらいます。すごい助かります。

実は原作にも挑戦中なので
そういう意味でも参考になってます。

中国語初心者レベルのままなので
原文だと人名すらわからないので。
Posted by @ゆうこ at 2006年01月17日 16:37
はじめまして、@ゆうこさん
原作にも挑戦中とのこと、凄いですね!私も初心者に毛が生えたくらいのものです。ドラマだと映像があるので何とか理解できてる状態で(^^ゞ

今、別のドラマの為、ちょっと中断していますが、また続きも書く予定でおりますので覗きに来てくださいませ。
Posted by フェイユイ at 2006年01月17日 18:08
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