2006年03月01日

宦官―中国四千年を操った異形の集団

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「宦官―中国四千年を操った異形の集団」なる本を読んでいます。勿論、「笑傲江湖」を観て去勢とは?と思ったからなんですけど。
中国の皇帝モノを観てれば必ず登場する宦官。読んでみてもなかなか簡単には把握できません。とにかく去勢シーンは恐怖です。私は女なのでかろうじて耐えれますが、男性だったら気絶まではしなくても悲鳴はあげそう。
女性の去勢(?)というか刑として性交・出産をできなくする、というこれも恐ろしい処罰の箇所では腹部が悲鳴をあげましたよ。

宦官と言うものはどうしたって不幸のようで読んでいると救いがなくて悲しいものです。結婚している人が多いというのも驚きですね。

宦官に興味があるかたにはなかなか面白い文献ではないでしょうか。
posted by フェイユイ at 00:32| Comment(3) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月19日

続々々「笑傲江湖」ラスト展開における原作とドラマ及び比較

桃谷六仙の口真似によって無色庵でこっそり行われた日月神教教主と令狐総帥の会話はそのまま再現された。
「冲さん、私が恒山まであなたに会いに来たことが知れたらきっと笑の種にされてしまうわ」「かまうもんか、君は恥ずかしがりやなんだから」
それでも嫌がる盈盈のために令狐冲は誰にも言わないと約束する。盈盈は神教主が令狐冲と恋仲だから突然に日月神教が味方になったと思われるのがきまり悪いのだった。そしてまだ任教主が生きていて令狐総帥と話し合い、和解したということにすれば評判もよくなるだろうというのだ。その上で葬儀を行いたいと。葬儀に行きたいという令狐冲に盈盈は父は婚姻を認めてはくれたけどそれは喪が明けてからでないと。さらに桃谷六仙が婚礼の手はずまでしゃべりだしたのには令狐冲も「それ以上でたらめを言うなら皮を引ん剥いて筋を抜いてやるぞ」
ところが六仙はさらに盈盈の口調で「私はあなたの体が心配だわ。お父様はあなたに気を散じる術を教えていないもの」いかにも哀しげな言い方に聞いていた方証、冲虚、令狐冲までが思わず感傷的になる。そしていかなる人物でもいずれは皆死ぬのだ、と言う感慨にひたった。

三年後のある日、西湖の孤山梅荘は飾りつけがされ華やかな色彩に溢れていた。この日は令狐冲と盈盈が婚礼を挙げる吉日であった。
令狐冲はすでに恒山の総帥の座を儀清に譲っていた。儀清は儀琳に継がせようとしていたのだが、儀琳はどうしても受けないと大泣きしたのだった。
盈盈は日月神教教主の座を向問天に任せた。向問天は野心のない人物なのでここ数年、江湖は平穏無事が続いている。
この日梅荘には祝いに駆けつけた江湖の群雄で溢れた。人々は二人に剣の舞の披露をせがんだ。令狐冲は祝いの日に刀剣は無粋だからと夫婦で「笑傲江湖」を合奏する事にした。この曲を作った劉正風・曲洋が教派の違いのために死を選んだ事を思うと自分たちは幸福なのだと実感した。曲が終わると群雄は盛大な拍手を送った。

客が去り二人きりになった寝室に、塀の外からゆったりとした胡弓の音が響いた。それは莫大師伯の音だった。やはり莫大師伯は死んではいなかったのだ。
その時盈盈が「出て来なさい」と叫んだ。令狐冲がぎょっとしているとなんとベッドの下から桃谷六仙が出て来たではないか。六仙は「永遠に栄え、永久に夫婦となる!」と叫びながら寝室から出て行った。

4ヵ月後、令狐冲は盈盈を連れて風清楊先輩を訪ねようと探したが、浮世離れした風先輩の姿は見つからない。令狐冲は自分の体が持ち直したのは先輩のおかげなのだから是非お礼が言いたかったのだが、とため息をつく。盈盈は「まだ解らないの。あなたが習ったのが少林派の易筋経よ」令狐冲は飛び上がる。方証大師は頑固者の令狐冲のために少林寺に入らなくとも易筋教が学べるよう嘘をついてくれたのだ。令狐冲はじゃ今から少林寺へ行って坊主になるしかないやと言うと盈盈は「あなたみたいな生臭坊主は半日もしないうちに叩きだされるわ」
しばらく行くと盈盈はきょろきょろ辺りを見回す。令狐冲が訳を聞くと「会わせたい人がいるの。あなたが林平之を梅荘の地下牢に閉じ込めたのは賢い配慮だったわ。確かにこれで小師妹との約束を守って一生面倒を見ることになるもの。私はあなたのもう一人の友達に対しても特別に面倒を見る方法を思いついたの」
夜になり二人でお酒を酌み交わしていると盈盈が「あの人が来たわ」と言って出て行く。令狐冲も後を追うと二匹の大きな猿の間に労徳諾がいるのだ。よく見ると彼の左右の手は猿に繋がれていたのだった。「これは君の傑作だなんだ?」「どう?」猿たちはキーキー鳴きながら労徳諾を連れて山の中に入っていった。令狐冲は陸大有の仇として一剣で殺すよりはるかに苦しいことだろうと思ってうれしくなった。あいつは林弟よりもっと酷い悪事をやった。もっと苦しめてやるべきさ」
労徳諾は日月神教に「辟邪剣譜」を持って来て長老になりたいと申し出たのだった。盈盈は彼を捕まえ2匹の猿に繋げて山に放したのだった。
盈盈は令狐冲の手首を掴んでため息まじりにつぶやいた。「この任盈盈も一生、大きな猿といっしょに繋がれて、離れられないなんてね」嫣然と微笑んだそのかんばせは、艶やかさと優しさに満ちていた。

以上がドラマと違う原作の部分、のつもりでしたが殆どですね(笑)
ドラマで令狐冲と岳不群、任我行の対決を派手にしたいのはわかりますが(確かにドラマ観てて私も令狐冲のかっこいい闘い振りには見とれましたよ)ドラマではこの原作の訴えたい事が消えてしまってるではありませんか。

一番大きな違いと感じるのは岳不群と任我行との戦いの場面ですね。結局、令狐冲はどちらにも手をかけていない。岳不群は儀琳が殺して師匠の仇を討っている。任我行は天寿というか病死でしょうか。
儀琳達、恒山の尼僧たちの運命も随分違います。ドラマでは多くが殺され(みんな死んだと思うくらい死んでました)儀琳が新総帥になりますが、原作では田伯光の鼻のおかげで皆助かり、儀琳は総帥になりません。(これは何故でしょう?解りませんが、仇とは言え人を殺してしまった儀琳は心の傷が残ってしまったのでしょうか、優しい人なので)
そして儀琳の母親の凄まじさ。原作ではもっと令狐冲を蹴ったり殴ったり凄かったんですがね。ドラマでは死んだ田伯光も生きていてしっかり活躍してます。ずっと儀琳を師匠としてついてまわっているようです(去勢もされたし)
凄く気になるのは林平之のことですね。令狐冲は最愛の小師妹に林平之を守ると約束したのにドラマでは簡単に岳不群によって殺されてます。令狐冲なら死んでも小師妹との約束は守るはずです。それが全く何か言う事もありませんでしたからね。原作では酷いけど理屈は通ってます。そして労徳諾。仲のよかった陸大有の仇なのにドラマではあっさり死んでますね。原作ではしっかり仇をとりました。
盈盈と令狐冲の描き方もかなり違います。特に原作の盈盈は岳不群に三尸脳神丹を飲ませたり、労徳諾を猿に繋いだり驚くような事をやってのけます。それに亡くなった父の代わりに日月神教の新教主になって正派と仲良くなるという仕事をやってしまいます。ここで正派と邪派は手を結んだわけでこれはドラマと全然違いますね。
ドラマでは岳不群率いる五岳剣派が日月神教を襲って闘うのですが、原作では思過崖に集まった五岳剣派が身内で殺してしまい殆どいなくなってしまうという結末です。つまりドラマでは正邪の戦いがあるのに、原作ではなかったわけです。正派だけで潰しあったのですから。
そして向問天。ドラマでは壮絶な死に方をするのですが原作ではなんと日月神教の教主になってます。緑竹翁も側にいるみたいです。名前が向問天なのでなんとなく合ってるような気がします。
こうして盈盈と令狐冲は願い通り江湖を離れ世捨て人のようになりました。ドラマでもそれは何となく匂わせるような終わり方ではありますが、きちんと説明するのとでは印象が違いますね。
ドラマでも令狐冲は確かに権力欲もないと描かれてはいたのですが、そこに到るまでの経過がこうも違うと全く印象が異なってきますね。
結局は好みかもしれません。でも私は原作の闘わずして歴史が変わって行くと言うような描き方はとても素晴らしいと思います。
そして最期の盈盈の言葉が令狐冲を大好きなのに言ったこの言葉が凄く効いていると思いますね。
posted by フェイユイ at 18:45| Comment(9) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

続々・「笑傲江湖」ラスト展開における原作とドラマ

日月神教が攻めてきたその際に激しく丹田に痛みを覚えた令狐冲は方証の提案で風先輩の練功法を用いて痛みを治めた。
日月神教の布陣は4・5千はいるかと思われる。楽の音が響き「日月神教教主が令狐総帥と相見えたいと仰せである」と礼を尽くした様子に方証大師は令狐冲に上がって貰ってはどうかと勧め、令狐冲もこれに肯く。

日月神教の隊列はいずれも華やかな服をまとい、大きな輿を担いで上がってきた。側には向問天と緑竹翁が付き添っている。さらに管弦楽隊を率いていた。令狐冲は演奏つきの闘いかと愉快になる。が、よく見ると一行は腰に白い布を巻いているのだ。令狐冲ははっとしてそこに盈盈の姿が見えないことに気づいた。まさか盈盈は自殺でもしたというのか。彼らは喪に服しているのではないか。

任我行を迎えるために用意した無色庵の爆破の仕掛けのある椅子にいつの間にか桃谷六仙が闖入して座っては遊んでいた。気づいた冲虚道長は気が気ではない。が、令狐冲は「盈盈が死んだのなら諸共に爆破されてもかまわない」と悲しむ。
そこへ方証大師が現れ「貴賓が外におられるのに、騒ぐでない!」この最期の「ない」には少林寺の至高の内功「金剛禅獅子吼」の修練が込められていたため冲虚道長は頭がくらっとなり、桃谷六仙は気を失った。

方証大師と冲虚道長は到着した輿に向かって声をかけるがひっそりとしたままだ。冲虚道長はもったいぶった態度に怒る。
が、向問天が輿からの声を聞き、言葉を伝える。「お二人においでいただいて恐縮だが、今日は令狐総帥とさしでお会いしたいゆえ、本堂へは令狐総帥おひとりだけにおいでいただきたい」輿が無色庵に運び入れられ、向問天と緑竹翁も駕輿丁と共に外へ下がった。
「訳ありだ」と冲虚道長は方証大師と令狐冲を見やるが、令狐冲は「任教主がさしで私と話したいのなら」と言い一人無色庵へ入っていく。中から「あっ」と言う声が聞こえ、冲虚道長らはぎょっとなるが令狐冲は天下無双だと思いなおす。任我行があの椅子に座れば山が半分吹っ飛ぶはずだ。その前に皆は逃げる算段だったのが予想外の出来事で冲虚道長はすっかり弱りはてる。
方証大師はさすが修行が深く運を天に任せておられる。が、無色庵からは長時間たっても何も聞こえては来ない。
「向兄貴、任教主を外までお送りしてくれ」令狐冲の声が聞こえ、向問天は輿を再び無色庵の中に入れ、担ぎ出した。そして向問天は「教主の少林寺の方丈への礼物をお持ちしろ」と教徒に命令する。
方証が見ると「金剛経」と数珠である。「金剛経」は方証がずっと欲しかった梵語の原典なのだった。さらに冲虚道長にはかつて日月神教の使い手が盗んでいった、武当派の宝「真武剣」と「太極拳経」が戻されたのだった。冲虚道長も感激で両手の震えが止まらない。「その昔武当派に無礼を働いたことまことに慙愧に堪えぬ。今日、お宝をお返しすると共にお赦しを願いたい、と教主は申しておられる」冲虚道長は突然の配慮に動揺し「一体どのような意図が」と向問天に尋ねるが、向問天は「当たり前のことをしたまで」と笑うばかり。
さらに令狐冲にも礼物が渡されるがこれは日用品と玉蕭と古い琴のみであった。
そうして日月神教の隊は音楽もなく「永遠に栄え、江湖を支配す」の呼び声もなくひっそりと帰っていった。

何故、突然任我行が考えを変えたのか。冲虚道長と方証大師はただ一人訳を知っているはずの令狐冲を見やると令狐冲は「お許しください。任教主に事の次第をしばらくは伏せておくと約束したのです。大した秘密ではありませんので、お二方もやがて知ることとなるでしょう」
方証大師は笑い「大量の殺戮を防げたのじゃ。実に喜ばしい」

令狐冲は方証大師と冲虚道長を無色庵で休ませた。すると供物を捧げる卓の下から誰かの声がするではないか。「盈盈、君だったのか」「冲さん、あなた」
ぎょっとした令狐冲は椅子から飛び上がった。それはまさしく桃谷六仙の声である。
「冲さん、お父様が亡くなったの。あなたが出て行ったすぐ後に岩から転げ落ちて。向問天と私はその身体を受け止めたけど、間もなく息絶えてしまって」「じゃあ暗殺されたのか」「いいえ、向おじ様が言うにはお父様はもう年だし、湖底で十数年辛い目にあったし。ここ数年、体内の気を追い払おうと精力を消耗した上、五岳剣派を殲滅しようと心労があったのだからきっと天寿でしょうって。そして話し合いで私を新教主にしたのよ」
桃谷六仙は気絶した後、そのまま卓の下に押し込められたため、目を覚まして二人の会話をそっくり聞いていたのだった。
任教主が令狐冲に日用品しか贈らなかったのはそれが二人の結納の品だったからなのだ。
posted by フェイユイ at 10:52| Comment(1) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月18日

続・「笑傲江湖」ラスト展開における原作とドラマ

思過崖から抜け出し、小師妹の遺言を守って林平之を助け逃がした令狐冲と盈盈はそこで岳不群から漁網で捕まってしまいます。
令狐冲は「あなたは本当に親切だ。私と盈盈が離れられないのを知ってこんなにきつく縛ってくださるのですから」なんて憎まれ口を言います。
盈盈が「今、手持ちの三尸脳神丹の毒消しは三粒しかないのよ」と言うとぶるぶる震えだします。なぜならそれは三年後に尸虫が脳に入り込み、もがき苦しんで死ぬ事を示しているからです。
岳不群は二人の命と引き換えに毒消しの精製法を教えろと言いますが、盈盈は承知しません。そして「私と冲さんはあの世でお待ちしますわ。でもそちらの顔が爛れてしまって岳先生だとわからないかも」これには岳不群も恐れをなし「では、お前を殺さずその色白の顔をずたずたにしてやる。それでも冲さんは化け物のような醜女を想い続けるかな」
それを聞いた盈盈が悲鳴を上げる。令狐冲は盈盈の気持ちを思って自分の目を潰そうとした。これを見た岳不群、今の言葉は毒消しの精製法を言わせるための脅しだったので令狐冲が目を潰せば効果がなくなると考え、令狐冲の手を掴んでやめさせた。
そのとたん、岳不群の内力を令狐冲が思わず吸い込んでしまったのだ。岳不群の内力がどんどん令狐冲に流れ込む。岳不群は必死で剣を振り上げゆっくりと令狐冲へ突き下ろしていった。もう少しで岳不群の剣先が令狐冲の眉間に突き刺さるという時、長剣が岳不群の背後から胸までを貫いた。
それはなんと儀琳の仕業だったのだ。儀琳はこうして令狐冲の命を救い、師匠である定逸の仇を討ったのだった。
が、一難去ってまた一難。儀琳の背後には労徳諾が立っていたのだ。まだ令狐冲と盈盈を漁網から救い出す間もなく儀琳は労徳諾と戦う羽目になる。弱かった儀琳だが、儀和や儀清が彼女を総帥にしようと特訓させていたのでかなりの腕前になっており、一方の労徳諾は習いたての出来損ないの辟邪剣譜を使おうとするので却って弱くなっている。
令狐冲は儀琳を加勢しようと「あっ、陸大有の猿だ。こいつに噛みつけ。お前のご主人を殺した悪党だ」と叫ぶ。勿論それは令狐冲のでまかせだが、ぞっとした労徳諾はいない猿に斬りつけてしまう。刹那!盈盈が短剣を飛ばし、労徳諾はつんのめって倒れる。「早く殺せ」だが今度は、心優しい儀琳は師匠の仇と違って殺せない。
そこへやって来たのは儀琳の母親。労徳諾の横っ面をひっぱたく「逃がすな」と言う令狐冲の声に反抗して「私は逃がしてやるね」と言って労徳諾の尻を蹴飛ばして逃がしてしまう。ほんとに天邪鬼な女なのである。
儀琳の母親はとても令狐冲たちを助けてやるような者ではないので令狐冲はなんとか自分で自分と盈盈を網から脱出させた。
そこへ来たのは(こればっかしだな)田伯光と恒山派の弟子7人。田伯光は令狐冲ですら知らなかった崋山の洞穴から7人の尼僧たちを助けだしたのだ。令狐冲はよそ者の田伯光がどうやって、と問うと田伯光は「(罰として不戒和尚に去勢されたが)俺は女子がどんなに遠くにいても嗅ぎつけられるワザは身についたままなんだ」と説明した。それからも田伯光は次々と嗅ぎ出して岩の下の穴に閉じ込められた尼僧たちを見つけていった。令狐冲はさすがに師父・岳不群の酷さに胸が凍りつく。そのままだったら尼僧たちは皆死んでしまっていただろう。
そこへ今度は(またまた)日月神教任我行教主(盈盈の父)が登場する。太鼓や角笛が鳴り響き、2,3千はいようかと思える声が教主を褒め称えてこだまする。
田伯光達はまだ救い出していないものたちを探すためにそこを離れたが、儀琳の母親だけはかんかんに怒って「何様だい。私は行かないよ。あの任がどうやって私を切り捨てるか見てやろうじゃないか」うーん、やっぱり凄い婆様である。任教主もこんなのが相手じゃどうしようもなかろう。どうやって儀琳がお腹の中で生成されたか謎だ。
令狐冲は舅となった任我行教主に会うが向問天をはじめ日月神教教徒のへつらい方は東方不敗の時より酷くなっている、と令狐冲は呆れかえる。その上、吸星大法で岳不群の内力を吸い取った為に耐え難い激痛が身体を襲い始めたのだ。
任我行は五岳剣派に拝謁に来させ数万人の神教教徒によって反抗の念を押さえ込もうという算段なのだった。だが最初来たのは令狐冲だけ。そこへ恒山派の弟子達が総帥の顔を立てるためにやってきた。
ここで困った事態になる。不戒和尚が日月神教を「魔教」と呼んだために任我行の不興を買い不戒夫婦と儀琳、田伯光が長老達と戦う羽目になってしまったのだ。令狐冲は痛む腹を抑えながら任教主に助けを求める。盈盈の夫の願いをむげにはできず4人を放免した。令狐冲は痛みが激しくなるばかり。心配した向問天はひそかに令狐冲に気を注いでやる。彼は短期間しか過ごさなかったとは言え令狐冲との義兄弟の契りを忘れてはいないのだった。

残る4派が全く来る様子がないことに任我行は苛立つ。それもそのはず上官雲の知らせが入り、思過崖の中で数百体の死体が見つけられたと言うのだ。そこには左冷禅の死体もあった。が、莫大総帥の死体は見つからなかった。無論、外にあった岳不群の死体も見つけられて報告される。
五岳剣派を屈服させるか殲滅しようと考えていた任我行はじめ神教徒たちは白けてしまった。向問天は「令狐総帥の恒山派と神教が一連托生となって栄華を極めるのです」と言って任我行を喜ばせる。任我行は「恒山派は副教主の私兵ということにしよう」と言い渡す。
「副教主」と聞いて、令狐冲はなんと言って断ろうかと思案する。ここで令狐冲は二つの願いをするのだ。一つは恒山派を日月神教に引き込むわけには行かない、もう一つは盈盈を妻にください、ということだ。この辺はドラマと同じで(まあ、順番が違うんで何ともいえないが)任我行が「総帥を譲れ、盈盈との結婚は許す」と言う。令狐冲は決して神教には入らないと言い、吸星大法の痛みの取り方は任我行しか知らない、と言われる。そして「1ヶ月以内に恒山に行って犬一匹でもいたらわしの負けだ」
さらに任我行は企みを巡らし、少林寺、武当派、恒山派を次々と倒そうと考える。
令狐冲は盈盈に「ついてこられないのかい」と声をかけるが盈盈は親不孝はできないと言う。二人はここでとうとう別れてしまうのだ。出て行こうとする令狐冲を向問天が止め「今日酒をとことん飲まねば二度と機会はあるまい」ここでドラマのように次々と令狐冲と仲間達が酒を酌み交わすのだ。
それを見ていた任我行は「わしの面前で令狐冲に酒を勧めるとは容赦せんぞ」と考えていた。それを察知した向問天は大声で「聖教主は令狐冲を利用して策略をめぐらせ、少林と武当を壊滅させるおつもりだ。ゆえにみなが令狐冲と酒を酌み交わしたのは聖教主の事前の言いつけなのだ」「そうだったのか」ということで皆は教主を讃えた。任我行は喜んだ。向問天はこうしてもう少しで殺されたものたちの命を救ったのだ。
皆の任教主を讃える声が続く。と突然任我行は胸の辺りが痙攣し、激しいめまいに襲われた。

恒山派に戻った一行は誰もがゆったりと構え、何も心配はしなかった。武芸の稽古に励んでも敵を数人殺すだけだと剣法の稽古もやめた。敬虔な門弟は毎日読経に勤め、残りは山で遊びほうけた。恒山派は本来戒律が厳しいのだがこのところは羽根を伸ばす事ができた。
数日後、方証大師が数人を連れて訪れた。令狐冲は本堂で手酌で飲んで唄っての最中だった。方証大師の訪問に大喜びで裸足のままで迎えた。これを見た大師は誠意を感じて目を細める。
方証大師は風清楊の知らせで任我行が一ヶ月以内に恒山を攻めると知り、恒山のふもとに少林、武当をはじめあちこちの使い手が集結していると告げた。令狐冲は驚く。さらに大師は風太師叔が桃谷六仙を通じて内功の口訣を伝えてくださった、と言う。令狐冲は大師からその口訣を授けられ、その説明を聞き、武学の高い境地を知ってため息をつく。先のない命とはいえ「朝に道聞かば、夕に死すとも可なり」と言う言葉通り研鑽することにする。

冲虚道長が道士を連れて訪れ任我行を豪華な椅子に座らせ爆破する計画を練る。一月たった頃、尼僧達を相手に稽古をしていた令狐冲は突然発作に襲われ倒れる。その時、伝書鳩により日月神教が攻めて来たことを知る。
激しい痛みに苦しみながらも令狐冲は剣を持とうとする。そして「日月神教聖教主が令狐総帥と相見えたいと仰せである」という声が聞こえた。令狐冲は風先輩の教えどおりの練功法で何とか痛みを鎮めていった。

任我行を爆破するための豪華な椅子に桃谷六仙が座っていたずらし、冲虚道長に汗をかかせる。
やっと神教教主が楽の音と共に登場した。


posted by フェイユイ at 21:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月17日

「笑傲江湖」ラスト展開における原作とドラマ

タイトルどおりラスト辺りの原作とドラマの違いを書いてしまいますので、読むと困る方は読まないでください。

ドラマのラストが好き、といわれる方も多いのですが、私は断然原作派です。なのでドラマのラストを観た後はしばらく呆然となってしまいました。まあ、今ではドラマはドラマでいいか、とは思ってますが、原作の味わいや面白さはなくなったのではないでしょうか。なぜそう思うのか、自分でもよく掴めないのでここで書いてみて確かめてみようと思います。

原作「秘曲 笑傲江湖」最終巻7巻を読みながら比較していきます。

まず描かれるのが岳霊珊の殺害。これはドラマとほぼ同じですね。林平之が左冷禅の間者である労徳諾と結託して岳霊珊を殺害します(左冷禅は盲目になっただけでまだ生きています)。しかし胸に長剣が突き刺さってた、とあるのであの宝剣ではないですね。これは長剣より宝剣の方が女性の胸に刺さっている絵柄としてはいいのかも(冷たい言い方ですみません)
岳霊珊を葬った後、二人はしばらく(1ヶ月くらい)その傍で療養するのです。令狐冲は「一人ぼっちになると小師妹が怖がるからね」なんて言います。そしてその間に「笑傲江湖」を二人で練習したりして幸せに楽しく暮らすんですよ。(つまりドラマのようにすぐ師娘が来て令狐冲と帰ったりはしないんですね)
そしてその時、師娘は日月神教の長老達に捕まっていたのです。任我行の命令で岳不群を捕まえるためになんですが。
それから岳不群がやって盈盈を襲います。令狐冲は盈盈を助けるため師父である岳不群との戦いになってしまうのです。独孤九剣を使う令狐冲は完全に岳不群より強い。独孤九剣は相手が強いほどその威力を増す剣法だから。そうして岳不群を追い詰める令狐冲ですが師父を殺すことはできず見逃そうとして腰を突かれてしまいます(ドラマでは胸でしたね)が、ここで岳不群は日月神教の手下によって掘られた落とし穴に落ちてしまいました。
令狐冲たちは側に倒れていた師娘を助けます。師娘は夫・岳不群が命を助けられながら令狐冲をだまし討ちするのを見ていて絶望します。その上令狐冲から林平之に岳霊珊が殺されたと聞かされ林平之を殺して仇を討って、と頼みますが令狐冲は小師妹から「林ちゃんを守って」と頼まれてしまったと言い師娘はため息をつきます。そしてここで寧中則は心臓を突いて自害します。
穴に落ちた岳不群はまたしても令狐冲の願いで逃がすことになります。が、気の効く盈盈はここで岳不群に魔教の霊薬・三尸脳神丹を飲ませます。これを飲んだら定期的に解毒剤を飲ませてもらえないと気が狂うほどの苦痛にみまわれるのだ。
令狐冲はそれを見て「盈盈は結局魔教の女だな。真っ当じゃない。俺のためだから仕方ないが」と思います。こうなっても令狐冲はずっと父とも慕ってきた岳不群を思って胸が締め付けられる思いになるのです。
そして岳霊珊の墓の横に母・寧中則の墓を作ります。

この後、あの令狐冲がお婆さんに化けて儀琳の母の事が解ります。この時令狐冲は頭を剃られて丸坊主になってしまうんですが、ドラマでは違いましたね(笑)
儀琳の母親に捕まった令狐冲と盈盈は体が動かないまま、目だけで会話をします。そして見詰め合っただけで心が通じ合うのを感じるのです。

助かった二人。令狐冲は盈盈に親の言う事など聞かず、隠居して武林に関わるのもやめ結婚しよう、そしてひたすら子作りに励もう」と言い出します。盈盈は真っ赤になって怒ります。

恒山に戻ると寺は荒れていますが人っ子一人いない状態です。ドラマではかなりの尼僧が倒れてましたが原作では皆薬を盛られて誘拐され殺されてはいません。
その様子を藍鳳凰が見ていて二人に「尼僧たちは薬を盛られて崋山に連れていかれた」と教えます。
崋山に戻るとそこも誰もいません。様子を探る内に令狐冲は岳霊珊と遊んだ部屋やおもちゃを見て涙を流すのです。そんな時も盈盈はそっと部屋を出て気遣うのでした。

二人は思過崖に行きそこで五岳派が集まって剣技を学んでいるのを見ます。が、突然入り口に岩が落とされ閉じ込められてしまうのです。盈盈とはぐれてしまった令狐冲は暗闇のなかで必死で彼女を探します。そこで登場したのは手を組んだ盲目の左冷禅と林平之でした。彼らは左冷禅を見捨てたと言って崋山派に来た嵩山の弟子達と泰山・衡山の門人達を殺してしまいます。盲目の彼らが手下にしているのはかつて令狐冲に盲目にされた男達でした。
彼らが去った後、やっと盈盈を見つけた令狐冲は喜びますがそれも束の間、なんと左冷禅・林平之が手下と共に戻ってきたのです。令狐冲はここで左冷禅を殺します。
そして林平之は殺さずに(小師妹との約束を守るため)一緒に洞窟から抜け出したのです。

今日はここまで。どうでしたか?かなり違いますね。寧中則と岳霊珊を並べて墓を作ってあげたのはいいですね。隣同士の墓と言うのが私の寧中則・岳霊珊同一説を裏付けてます(笑)
またどうしても岳不群を憎んでも憎みきれないという矛盾もエディプス・コンプレックスらしいです。

また田伯光も生きていますので、出てきます。
posted by フェイユイ at 21:52| Comment(4) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月16日

金庸3ドラマカテゴリ別第一位

さてさて今日は今まで観た3つの金庸ドラマ「射[周鳥]英雄伝」「天龍八部」「笑傲江湖」におけるフェイユイが勝手に決めるカテゴリ別第一位です(なんのこっちゃ)
ただし私は小説も読んでしまったので小説から来る印象も拭い去る事はできませんし、ドラマの方では役者さん自身の魅力と言うものが左右してきますので、その辺は適当なんでご勘弁を。あくまで私の趣味ですよ。

《最優秀作品》天龍八部 悲劇が好きだから
 
《最優秀ラストシーン》射[周鳥]英雄伝 原作もドラマもそんなに変わらないですね。あの帰ろうか、と言う感じが好き。
 
《最優秀主演男性》蕭峯(天龍八部) 悲劇のヒーローたまりません

《最優秀主演女性》黄蓉(射[周鳥]英雄伝) 全てに完璧な上小悪魔的魅力。これ以上何が。

《最優秀助演男性》洪七公(射[周鳥]英雄伝)自由な精神。私も弟子になりたい。
 
《最優秀助演女性》梅超風(射[周鳥]英雄伝)立ち姿がもう美しいよ。その名のとおりいつも風が吹いてくる。

《美女第一位》 王語嫣(リウ・イーフェイ・天龍八部)ここは一番意見が分かれるんでしょうな(笑)あくまで趣味ですから。綺麗でしたー。ふっくりほっぺ。何と言っても段誉王子をストーカーにさせた美女ですわ。

《美男第一位》 段誉(ジミー・リン・天龍八部)おいおい、夫婦ジャン。てか私的にはあまり美男っていなかったような(笑)原作だけなら林平之(笑傲江湖)です。女と見まごう程の美少年って書いてあったし岳霊珊をあれほど惹かれさせたからにはね。ドラマとしてはジミーの方が可愛いんで。

《美熟女》 いっぱいいる?馬夫人(天龍八部)入れちゃ失礼かな。妖艶。

《美熟男》 段正淳(天龍八部)凄いモテ男だし。顔だけで言えば岳不群(笑傲江湖)も美男だと思う。

《最強男子》 周伯通(射[周鳥]英雄伝)どう考えてもこの人が一番強い気がする。武芸が遊び、遊びが武芸。

《最強女子》 天山童姥(天龍八部)最強はどちらも子供っぽい人。

《最高の英雄》 蕭峯 悲劇性と言い、かっこよさといい強さと言い、お酒好きなところといい申し分ない。胡軍が演じたために魅力倍増。

《ステキなお爺様》莫大(笑傲江湖) 強くてすてき。

《ステキなお婆様》天山童姥 になりますわな。いつまでもお若い。

《一番可哀想な男性》游担之(天龍八部) 途中まではむしろ幸せだったのか。でも最期はやはり空しい。
 
《一番可哀想な女性》寧中則(笑傲江湖)観たばかりからかもしんないけど娘も娘婿も失い夫はあんな事になって、自ら命を絶つしか道がないなんて、可哀想だー。

《お騒がせキャラ》桃谷六仙(笑傲江湖)どの話にも騒々しいのが出てくるけどなにせ6人もいるからな。

《酒豪一番》蕭峯と令狐冲(笑傲江湖)の一騎打ち。勝負の行方はわからんけど。多分、蕭峯だと思う、何となく。

《先生になって欲しい人》だから洪七公だって。

《上司になって欲しい人》洪七公。

《父親になって欲しい人》欧陽峯(射[周鳥]英雄伝)子供に甘そうだから。

《母親になって欲しい人》寧中則。理想のお母様。

《子供にしたい人》段誉。可愛くていい子だから。
 
《恋人にするなら》令狐冲。楽しそう。
 
《夫にするなら》郭靖。夫にするならあんまりお酒を飲まない方がいいな。

まだまだ続けられそうだけどこのくらいに。また思いついたら書き足そうかな。
大好きになった虚竹を何とか書きたいと思うけど何も思いつかない(笑)

posted by フェイユイ at 23:36| Comment(8) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月15日

令狐冲とエディプス・コンプレックス

今から書く論評は私が金庸小説「秘曲 笑傲江湖」とドラマ「笑傲江湖」を観終わって感じたものであります。全く勝手に書いていることで何の根拠もありませんのでまあ読んで楽しんでいただければと思います。小説やドラマを歪曲する気は毛頭ありません事をお断りしておきます。

このドラマを観終わり小説にも一通り目を通して感じたのはこれは金庸氏が令狐冲という一人の青年を通じて「エディプス・コンプレックス」の物語を書いたのではないか、ということです。

私がこのドラマの記事を書き出してから色々な方が知識の乏しい私にたくさんの事を教えてくださいました。その中に「この物語では正派が文化革命派を邪派が彼らから迫害された芸術家達を現している」というコメントがあってなるほどと感心しました。(他の物語も多くそういう比喩がされているようですね)ただ私は歴史的知識が乏しくてとてもその観点から話をしていけそうにありません(例えばこのエピソードはこの歴史的事実を物語っているとか、誰が誰を示しているとか)それはもう詳しい方に語っていただく事にしてここではフェイユイなりのたわごとをお聞き願います。

令狐冲が「エディプス・コンプレックス」を現している、と言う話で続けます。
「エディプス・コンプレックス」というのは、有名なフロイトの説「男の子は母親を独占したいがために邪魔になる父親を憎む」と言うものです。別の言葉で言えば「男の子は母親と結婚(セックス)したいために父親を殺す」ということになります。
勿論実際に母親とは結婚できないし、父親を殺すわけではないのでこれは少年が成長する上での精神的な葛藤を示している事になるわけですが、この時父を憎むと言っても、憎みながら反面愛して欲しいと言う矛盾した感情を少年は父親に対して持つということになっています。
この精神状態は令狐冲そのものではないかと思ったわけです。

が、ここで「笑傲江湖」の設定に疑問がわくかもしれません。令狐冲には実の父母はいないからです。これは実の父を殺させることには躊躇した金庸氏の巧みな改変ではないかと思っています。とは言え武侠の中では師父・師娘と言うのは父母も同じと言う事なので重みは同じなのかも知れませんが。また師娘に結婚願望を持つというのも難しいのでここは娘である岳霊珊に代役させているのではないかと考えます。

さらにここで林平之の存在について考えてみます。彼は一体何のために出てきたのでしょうか?物語として彼は必要なのでしょうか?林平之はなぜか令狐冲とあまり絡みがありません。最愛の人・岳霊珊をめぐる恋敵なのになぜか戦う場面もありませんね。何故なんでしょう。
小説では、林平之は一番最初、令狐冲より前に出てきます。何の予備知識もなく読み出したなら絶世の美少年で腕っぷしは弱いが義侠心は強い彼を主人公と思っても不思議ではありません。が、彼は途中から出てきた令狐冲に主役を奪われます。
令狐冲は師父に強い憧れと畏敬の念を持っています。そして師娘(母)には強い愛情を。また愛娘である岳霊珊(小師妹)には結婚願望をはっきりと持っています。
成長する令狐冲に対しなぜか育ての父でもある師父は猜疑心を持ち、疎んじ始めます。その嫌い方には観ていて疑問を感じるほどです。一方の師娘(母)は常に息子である令狐冲に深い愛情を持っています。令狐冲は後で愛する人になる任盈盈を放り出してまで師娘に「一緒に暮らしましょう」と言って帰ってしまうほどです。あの場面を見た時は何故盈盈を置いていったのか不思議でしたが、令狐冲が本当は師娘と一緒に暮らしたいと願望していた、と考えれば不思議ではありません。
令狐冲は岳霊珊からふられて盈盈に愛を傾けますがその実本当に愛していたのは岳霊珊(=寧中則。そういえば林平之が「お前は母親にそっくりだな」と言うシーンがありましたね)なのです。ドラマではやや令狐冲の盈盈への愛を強く描いていますが原作では盈盈が気の毒なほどいつまでも岳霊珊を思い続けています。

またエディプス・コンプレックスにおいて、少年は父を殺して母親と結婚(セックス)したいと願っているのが父にばれると父親におちんちんを切られてしまう(去勢)という恐怖を持つというものがあります。そしてその恐怖のために少年は父親の命令を嫌でも聞いてしまう、というものです。
そしてエディプス・コンプレックスの元になったオイディプスは最期盲目となってさまようことになります。「去勢」と「盲目」というキーワード。これで思い出されるのが勿論、林平之です。
だが待てよ。エディプス・コンプレックスと繋がる令狐冲が「去勢」され「盲目」になるなら解るが何故、林平之が?
そこで前の文章に戻ってもらいます。林平之は何のためにいるのでしょうか?
彼は令狐冲の代わりに岳霊珊と結婚した。それなら令狐冲の代わりに去勢され令狐冲の代わりに盲目になったのではないでしょうか。
つまり最初に主人公のように登場した林平之はもう一人の主人公。もう一人の令狐冲なのではないでしょうか。
その理由は、やはり金庸氏が武林の英雄たる令狐冲に暗黒面を被せるのがしのびなく、ここで影の主人公として林平之を出してきた。その代わり彼は絶世の美男で岳霊珊と結婚できる(しかしセックスはなかった。これは何故なのかよく解らないが答えは一応ドラマの中でされてはいたね)
つまり「笑傲江湖」には二人の主人公がいる。陽の令狐冲と陰の林平之。だが二人は本当は一つの者なのだ。一つの者なので彼らは関わりがない、ということなのだ。
母を愛し、父を殺した令狐冲は成長し、暗黒面を引き受けた林平之は去勢され盲目となります。エディプス・コンプレックスと令狐冲の物語はこうやって林平之の存在によって紡ぎ合わされていったのです。

以上、フェイユイのたわごとでした。たわごとと言っても気になる事などありましたらコメントください。ただ、面白い遊びと思ってくださいね。

以前も書きましたが「笑傲江湖」は物凄く色々考えてしまう物語です。勿論上に書いただけでなく物凄くたくさんの思想や社会性、遊び、知識などが複雑に組み合わされている事は確かです。
私もまだまだ疑問があります。一つは向問天の存在。彼は一体何?ずーっと任我行に忠誠を尽くしています。よく話として娘の盈盈に好意を持ってたりするものですが、彼は純粋に任我行に付き添っていますね。おかしくなってからもその忠誠心は変わりません。謎です。

そして原作とドラマの改変について。特に最初と最期がこうも違っていいものか、ということ。この辺もちょっと書いてみたいものです。
posted by フェイユイ at 19:46| Comment(7) | TrackBack(1) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月14日

笑傲江湖・第四十集 後半 全劇終

岳不群と林平之が戦っている間に令狐冲と寧中則は洞窟の中に捕らえられている盈盈を救おうと取り巻いている五岳派の弟子達を倒していった。令狐冲と寧中則にかかればひとたまりもない。令狐冲は盈盈に駆け寄りその身体を縛っている綱をほどいた。それを見た寧中則は安堵の笑みを浮かべた。

外ではまだ岳不群と林平之が戦い続けていた。目の見えない林平之はどうしても岳不群の居場所が解らず太刀打ちはできない。岳不群は林平之の背後から襲い、崖から突き落とした。凄まじい叫び声をあげて落ちていく林平之。哀しい最後であった。
「見ただろう。身の程知らずの結果だ」冷たく言い捨てる岳不群。その時、彼は、盈盈を救い洞窟の中に戻ろうとしている令狐冲・寧中則を見つけた。勢いよく飛び降りて令狐冲たちの前に立つ岳不群。さっと扇を広げて行く手を阻んだ。「魔女を殺すか、それとも死ぬか?」「俺を殺して何の意味がある」「逆らうものは死ぬ」その時寧中則が言い放った「岳不群、あなたは鬼畜同然です。冲児、もう師父ではない。ただの殺人鬼よ。何があっても私はあなたの師娘」そして盈盈に向かって「冲児はいい子よ。あなたに任せたわ」盈盈は頷いた。さらに寧中則は令狐冲に「近くに来て。話があるの」
やや離れた場所で寧中則は令狐冲に話かけた。「ここから連れ出して。あなたも戻らないで」令狐冲が視線をはずしている間に寧中則は、娘・岳霊珊が刺されたのと同じ緑色の宝剣で胸を突いた「岳夫人!」盈盈が叫ぶ。令狐冲がその声にはっとして師娘を見た時には寧中則は倒れてしまった。「冲児、お願いよ」その手をしっかり握りしめながら「わかった、師娘」
令狐冲と盈盈は岳不群を睨みつける。「死ね、令狐冲」というや岳不群は宙に舞った。令狐冲がこれを追う。二人の戦いが始まったが、あっという間に令狐冲は岳不群を崖に追い詰めた。扇を落とし後のない岳不群に令狐冲が刀を突きつける。令狐冲が叫んだ「殺せるものなら殺せ。師娘は何といったと?」周りにいる弟子達に問う「この嘘つきには二度と会いたくないと」
そして岳不群から離れ、盈盈が抱く師娘・寧中則に向かってひれ伏した。他の弟子達も師娘の死に声もなく近寄った。

令狐冲と盈盈は寧中則を弔った。墓を作り叩頭する令狐冲を盈盈は見守った。

令狐冲と盈盈が恒山に戻るとなんということか。寺では尼僧達が大勢倒れているではないか。しかも儀琳の姿はない。一人尼僧に息があり、二人は誰の仕業か問う。苦しい息の中で。「任我行ではありません。岳不群の仕業です。皆が連れて行かれました、黒木崖に」と何とか答える。「岳不群は黒木崖を攻撃しに行ったのです」

黒木崖では向問天が岳不群の攻撃の知らせを受けていた。任我行にも聞こえたちまち怒りが爆発する。そして「岳不群を連れて来い。跪かせ命乞いをさせてやる」
任我行は皆の者に話しかけた「我々日月神教本当の意味で江湖を統一する日が来た」「日月神教は千秋万年存続します。聖教主は江湖の統一を果たします」
そこへ五岳派一門がなだれ込んできた。日月神教一派との激しい戦いになる「岳不群をあがらせろ。俺が殺してやる」任我行が叫ぶ。傍に控えていた向問天が一声あげると戦いの中に身を投じていった。任我行も襲ってきた五岳派たちを蹴散らす。そこへ岳不群が空を蹴りながら走りこんできた。任我行が剣を構えた。皆の動きが一斉に止まる。
「少林寺でお別れして以来、以前英雄気取りだな」「岳不群、お前は随分変わったな」「そうだな、あの時は私がここに立つとは夢にも思わなかった」「それがどうした。辟邪剣譜を覚えたからと言って偉そうに。ここは少林寺ではない」「どこでも同じだ」「違う。武林一番は私だ。死ぬのはお前だ」岳不群声を上げて笑い「死ぬのは私か。最後にならねば解らないさ。どうだ、任教主。用意はいいか」「来い」と一声飛び上がった。投げつけた剣を岳不群が空で止めたのを見ると「吸星大法」を使う。二人の体が空を舞い、激しい一騎打ちとなる。任我行の恐ろしい技を岳不群が撥ね返し勝負はなかなかつかない。そこへ令狐冲と盈盈が駆けつけてきた。
岳不群の針が任我行を襲う。見かねて向問天が手助けに投げた剣を岳不群が撥ね返し、それが向問天の腹に突き刺さる。さすがの向問天も血を吐きながら痛みに苦しむ。今度は任我行が攻められながらも岳不群を突き飛ばす。それを見た向問天は自らの腹に刺さった剣を引き抜き岳不群を襲った。岳不群もこれを返す。そして仰向けになったまま向問天の右腕を切り落とした。それを見た任我行が岳不群に剣を繰り出す。が岳不群はそのままの姿勢で逃げ防ぎ逆に任我行を蹴り飛ばす。任我行は床にしたたか打ち付けられた。盈盈が令狐冲を呼びながら悲痛な声をあげる。だが令狐冲はうつむき動かない。
任我行は必死で立ち飛び上がった。岳不群もこれに合わせて飛ぶ。任我行は再び床に倒れる。「岳不群」右腕を失った向問天が叫ぶ。そして岳不群に飛び掛った。が岳不群はこれも投げ今度は脚に傷を負わせる。「向兄」令狐冲と盈盈がその名を呼ぶ。惨たらしい姿になった向問天を令狐冲が抱き支え、腕の付け根と脚に点穴する。
はっと見ると盈盈が戦いに参加している。がまたもや岳不群によって壁に叩きつけられる。「盈盈」さらに岳不群がその身体を飛ばすのを令狐冲は抱きとめる。口と胸から血を流す痛々しい盈盈。恒山派の尼僧たちが集まってくる。
娘を痛めつけられた怒りで任我行が岳不群に打ってかかる。が、脚を切られさらに腹に刀を突き抜けられてしまった。大きく傷を受けた任我行の体はざくざくになってしまっている。「父様」盈盈の声。「教主」動かぬ身体を引きずって任我行に近づこうとする向問天。
岳不群は剣を納めふっと息をして言った「誰が武林一だと。私だ」それを聞いた令狐冲は立ち上がった。
もう彼を止めるものはなかった。身につけた剣の技をつくして岳不群に打ちかかった。そして追い詰めた。岳不群は令狐冲の剣の前に倒れた「不義な者には報いがある。自決しろ」そういって剣を置いてその場を離れた。岳不群がその後姿に「死ね」盈盈・儀琳が「危ない」と悲鳴をあげる。令狐冲ははっと岳不群の毒針から身をそらした。が岳不群の差し出した剣は令狐冲の胸を突き刺し壁に叩きつけた。「私こそが武林一だ」「急いで」儀琳の一声で尼僧たちが走る。が岳不群の一撃で倒されてしまう。盈盈が叫んだ「吸星大法!」はっとした令狐冲は岳不群の肩を掴み吸星大法で力を奪った。その顔にはすでに髭がなく人相が全く変わっている。そして激しい一撃を加え岳不群の体が吹き飛んだ「剣を」儀琳たちの剣が数本岳不群の身体を突き抜けその身体を壁に打ち付けた。
令狐冲は胸に刺さった剣を抜き取り自らを点穴した。そしてかつて師父であった岳不群が壁にぶら下がっているのを見つめた。傍に来た盈盈の肩を抱き寄せた。終わったのだ。

恒山では寺の掃除が行われていた。「何かおめでたい事でも」「新しい掌門の就任です」儀琳が掌門となるのだ。
少林寺の方証大師、冲虚道長もお祝いに駆けつけてきた。桃谷六仙ら別院の者たち、藍鳳凰の姿も見える。
儀琳は菩薩様に令狐冲と盈盈が一生平安に暮らせるよう祈っていた。そして髪の毛を火にくべた(この髪は儀琳のものでしょうか)
大勢が見守る中、儀琳の掌門就任の儀式が厳かに行われた。桃谷六仙も神妙にしていた。

式の後、方証大師と冲虚道長は話し合った、「独孤九剣と吸星大法そして少林寺の易筋経、大師、この武林一の令狐冲が怖くありませんか」と道長が問うと大師は「心の魔は真の魔、心の仏は真の仏。令狐冲が武林で一番の意味をわしはよく理解しておる」と答えこれに道長は笑って返した。

山奥で、令狐冲と盈盈は心置きなく「笑傲江湖」を合奏した。盈盈が笛を吹きこれに令狐冲が琴で合わせる。緑が匂い、霧が立ちこめ、楽の音が静かに響いていた。

出演:李亜鵬(リー・ヤーポン)(令狐冲)許晴(任盈盈)李解(林平之)孫海英(田伯光)陳麗峰(儀琳)彭登懐(余滄海)李勤勤(定逸師太)巍子(岳不群)苗乙乙(岳霊珊)巴音(向問天)劉仲元(莫大)

2001年製作
posted by フェイユイ at 21:17| Comment(9) | TrackBack(1) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月12日

笑傲江湖・第四十集 前半

ついに最終話になりました。最後までお付き合い願えれば幸いです。

「総帥をお迎えします」岳不群を迎えて弟子たちは声を合わせる。まるで日月神教を見るようである。岳不群は皆を先に思過崖に行かせた。
そこへ寧中則が入ってくる。「令狐冲に会ったの」「ああ、師娘に会いたがっていた。任我行を助けた事を後悔して、崋山派に戻りたがっていたよ。五岳はすでに統一されたのだからいつでも戻ってきなさい、と言ってやったよ。困った男だ、どうしても一緒に帰りたいと」岳不群は寧中則の冷たい眼差しに気づいた。「どうしたのだ。信じないのか」寧中則はくすりと笑った。岳不群は「皆を待たせている。話があるなら冲児が戻ってからにしろ」と言って席をたった。残された寧中則は笑い続けた。そして涙が流れ落ちた。

労徳諾は目の見えない林平之の手を引いて崋山の門まで来ていた。だが労徳諾は「岳不群は残虐だ。ただではあすまん。戻ろう」と言い出す。「俺が死んだら困るからか」「お前のために言ってるんだ」「平気だ。皆の前で岳不群を殺してやるぞ」労徳諾は仕方なく再び林平之の手を取って歩き出した。

「魔女。今日は五岳派の初めての集会だ。あなたを生贄にしたらどうだろう」岳不群は捕らえて小屋に閉じ込めておいた任盈盈に話しかける。この言葉も彼が嫌う魔教のようではないのだろうか。盈盈は「令狐冲はあなたを許さないわ」と言い放つ。
そこへ寧中則が小屋の戸を開けた。「冲児が戻るですって。敵を前に戻るわけがないわ」岳不群は「それが何だ。令狐冲こそ武林の裏切り者だ。全ては自業自得」「嘘だわ。そんなこと」と盈盈。「魔女がここにいるし、大人しくするさ」「どこまでやる気」と寧中則が声を荒げる「令狐冲に聞け」と岳不群が返す「考えてみろ。令狐冲が魔教に入ったら、五岳派は武林の中で立場がなくなる」「五岳派の者を集めて魔教と戦うの。そして次は方証大師や冲虚道長と。一体何がしたいの」「したいようにしたい。“辟邪剣譜をものにするために、20年間我慢したのだ。武林は私のものになるべきだ。私こそは本当の武林一なのだ」
「待て」鼻で笑って出て行こうとする寧中則を岳不群は止めた「どこへ行く。令狐冲に知らせに行くのか」そして歯向かおうとする寧中則に点穴して動けなくしてしまった。

岳不群は思過崖に五岳派を集めた「嵩山の会合で娘が披露した各宗派の技はこの洞窟にある。五岳派の総帥として皆を集めたのは共に剣術を高め、魔教を倒そうと願うからだ」「総帥に感謝します」「礼は結構。では洞窟内に案内しよう」
弟子の一人に岳不群は小声で「令狐冲は来たか」「まだです」「奴は必ず来る。しっかり見張っていろ」

洞窟の中を五岳派が入り込み、松明を持って壁に描かれた先人達の絵を見る。それは各宗派の技を描いているものだ。五岳派とは言え、元々の宗派に立ち返ってみれば他の宗派から己の宗派の技を見られているように感じたちまち争いが起きる。
岳不群はこれを叱責し「泰山派も嵩山派もないのだ。全員五岳派だ。ここに呼んだのは喧嘩させるためではない。ここに描かれている絵は何だと思う。当時、魔教の長老達が戦う中で残したのだ。先輩達の命を代価に手に入れたものだ。今、お前達のやるべき事は魔教を討つことだ。真剣に学ばないと切り刻まれてしまうぞ」ここで岳不群は合図して任盈盈を中に入れさせた。「この女を知っているだろう。魔教教主・任我行の娘だ。この女を五岳派の先輩達に捧げる生贄とする。我々の決心を誓おう」

その頃令狐冲は内部に入って様子を伺っていた。小屋に気づき中に入ると藁の中からうめき声が聞こえる。令狐冲が急いで探ると中に寧中則が猿ぐつわをかまされ、縛られているではないか。「師娘」令狐冲が猿ぐつわをはずすと「早く、早く、盈盈さんが」と叫んだ。

洞窟では岳不群が皆に問いかけていた「この魔女はお前達にまかせる。私についてくるならこの魔女を刺せ」動くものがいない「何だ、怖いのか。刺さないものは五岳派から除名する。除名された者は五岳派の敵とみなされる」
その時、辺りを切り裂くような笑い声が響いた「岳不群。また人の刀を借りる気か。お前らは馬鹿だ。命を落としにきた」「お前も同じだ」「その通り。お前みたいな悪人を命の恩人とみなした」「林平之!娘をやったのにお前が殺してしまった」「それも事実だよ。かかって来い」岳不群大笑いして「生かしておくか。二人とも逃がさんぞ」後ろにいた労徳諾が「岳不群、あんたは残忍だぞ」と言い返す。「人の剣譜を盗んだ上、こんな事までする」
岳不群は労徳諾に「お前が崋山派に入った時から、正体はわかっていた。礼を言うべきだぞ。お前が密告した事で左冷禅の死が早まったんだからな」
「俺も辟邪剣法を覚えた」「お前はまだまだだ」林平之は労徳諾に「今日連れてきてくれたお礼だ。近寄って」と何かをささやく。令狐冲と師娘が到着して離れた高みから様子をみている。林平之は「皆に聞かせてもよかろう「林平之、何をする」「任我行と決戦したいのだろう。手下がみな“辟邪剣譜”を覚えてたら、この世の誰もあんたにかなわないだろう。よし、教えてやろう。辟邪剣譜の第一歩は“この技を習得する前に自ら去勢すること。岳不群。五岳派の総帥なのだから済んでいるよな。服を脱いで見せろよ」それを聞いた寧中則は気を失いそうになる。林平之の高笑いが響く中で労徳諾は恐れをなし「もうやめる、やめるから」が、岳不群の一撃で労徳諾は倒れた。
「岳不群、早く来い」岳不群はあきれた顔で眺めているだけだ。林平之はすぐ後ろにいる岳不群に気づかず滅多やたらに剣を振り回す。そしてあたり一面を爆破する「辟邪剣譜を知ったお前を生かしてはおかん」と岳不群対林平之の戦いがは始まる。

その時令狐冲・寧中則が盈盈を助けるため弟子達を攻撃した。

posted by フェイユイ at 21:45| Comment(3) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月11日

笑傲江湖・第三十九集 後半

恒山。儀琳が令狐冲に「父がお礼を言ってました」と伝えた。例の良策の件である。令狐冲は儀琳に「掌門を譲るつもりだった」と言い「盈盈曰く“物事には全て宿命がある”これが俺の宿命なのかもしれんな」儀琳は「お二人ともいい方です。いい報いがあるはずです。悪い事もよくなるのです」令狐冲は「みんな師妹のように優しければ世の中は平和になる」
そして令狐冲は儀琳に竹林に案内して欲しいと頼んだ。

盈盈は雨のそぼ降る蓮の池を眺めていた。向問天がやってきて、お父上は令狐さんに断られてから機嫌が悪い、と伝える。盈盈が教主に戻ってから機嫌が悪くなる一方だわ、と言うと向問天は教主は令狐冲に吸星大法を受け継いでもらいたいと思い、また令狐冲と岳不群は元々師弟の間柄だったので不安に思われているのです。いずれ教主は岳不群と江湖一をかけて戦う事になるでしょう。全ては令狐冲が握っているのです。

儀琳と儀清は方証大師と冲虚道長そして少林寺の僧たちを連れて令狐冲がいるはずの竹林に入った。果たして令狐冲は一人、竹林の中で剣術「独孤九剣」の稽古中であった。その見事な動き・剣さばきに皆感嘆する。やがて皆に気づいた令狐冲に「このようにすばらしい剣術には任我行もかなわないでしょう」と褒め称える。そして任我行が一ヶ月内にこの山に生き物が一匹もいなくなると公言したことを令狐冲の先輩・風清楊から伝え聞いたと知らせる。
方証大師と冲虚道長は令狐冲が神教の副教主の座を断り愛する盈盈とも離れたことを知って応援に駆けつけたのである。
令狐冲は竹林に作った東屋に通し、質問をする。「あの時、任我行を救い、教主の座に戻したのは過ちだったのか、魔教の聖姑を救うため少林寺を攻めたのは間違いだったのか、五岳統一の時、岳不群を総帥の座に座らせたのも過ちなのか、その二人は結局王道なのか邪道なのか」「山は山であって山は山ではない。王道と邪道は見分けにくいもの。掌門の質問にはお答えできません。申し訳ない」
令狐冲はさらに「吸星大法によって以前の真気は追い出せましたが、今はもっと苦しむことになりました。せめてこういう竹林に東屋を作って楽しむことにしたのです」令狐冲の欲のない願望に道長は驚く。が大師は令狐冲の品格に打たれましたと笑う。「しかい吸星大法の禍は除去できるものですぞ」そして桃谷六仙が風清先輩から内功心法を聞いてきました、これはそれを書き記したものです、と言って千文字あまりの書状を渡す。奥深く大したものです、と念をおす。これなら吸星大法の禍は取り除けます。令狐冲は礼を述べた。

任我行は何度も盈盈に江湖一強いのは、と問いかける。盈盈は嫌気がさし、江湖一になるために人殺しをするのはやめて欲しい、私は令狐冲について行きます、と答える。逆らう奴はただではおかんと言う父に盈盈は「恒山派を滅ぼす時は娘を失う時です」

山の中に潜んでいる林平之を労徳諾が訪ねる。林平之は腹がへっても労徳諾に毒見をさせてからしか饅頭を口にしない。林平之が岳不群のことを尋ねると「岳不群は五岳の剣術流を誘って思過崖で剣術の稽古を始める」と言う。「崋山に行こう」林平之は岳不群を殺すことしか考えてなかった。

岳不群は寧中則に話しかける「思過崖の洞窟に五岳の剣術派を集めて修行をする。令狐冲も呼んだが答えがない。だから私が恒山に行って令狐冲に言おう。ここで心を入れ替えるなら五岳が一つになれる」寧中則は「冲児が騙されるものですか」とつぶやいた。

令狐冲はすっかり綺麗に整った竹庵で法証大師から受け取った書状を見て吸星大法から来る苦痛を取り除こうとしていた。
そこへ来たのは盈盈だった。懸命に念じている令狐冲の姿に暫し見入っていた。ややあって気づいた令狐冲は「盈盈」と呼んで飛んでくる。そしてひしと抱きしめるのだった。
令狐冲は盈盈に様子を聞くと「父はますますおかしくなっていくばかり。毎日武林で一番は誰か聞くの」「武林で一番か。盈盈、もし二人で“笑傲江湖”を弾けるようになれば俺達が武林で一番なのだと思う」さっと「笑傲江湖」の楽譜を出す盈盈(さすが息がぴったりあってますね)その場で琴と笛を出し錬習を始める。(そういえば懸命に見ていた楽譜を剣譜と間違えられて令狐冲はお婆さんに化けた盈盈のいる緑竹庵を訪ねたのでした)

方証大師と冲虚道長は碁をさしながら語り合った。令狐冲に渡した書状は実は以前令狐冲が断った「易筋経」だったのだ。少林寺には入れないと言って断った少林寺の宝を方証大師は自ら渡したのだ。なぜなのか、と道長は問う。方証大師は「仏門は人を救うもの。令狐冲一人を救えば多くの人が助かる」そう答えてまた碁を楽しむのだった。

儀琳は稽古中の儀清に岳不群からの招待状を渡す。儀清は岳不群の陰謀に決まっている、とそれを破り捨てた。そして師妹達と「魔教を倒した後、崋山に行って仇を討とう」と誓いあった。

竹庵で令狐冲と盈盈が仲良く笑傲江湖を合奏していると岳不群が現れた。
岳不群は合奏の邪魔をし、「大敵を前に魔教の女といちゃついているとは気は確かか」(ひがんでるとしか思えないね)盈盈は「厚かましい男め。師太の霊を怖れないのか」岳不群「うるさい。殺して欲しいのか」これには令狐冲も「何の用だ」岳不群は例によって任我行を救った令狐冲を非難する。令狐冲は天下一になるため任我行は必死で修行しあなたは娘まで失った。そこまでして天下一になりたいのか」「五岳の総帥の言葉を無視するのか」「五岳統一はそちらの勝手だ。もう脱派したのだから関係ない」「魔教に入信したのか」「俺は何の宗派にも属さない」「劉正風の真似か。たとえ五岳に属さなくとも魔教に関わる事は許さん」「心の魔こそ真の魔なのだ。失礼する」こう言って背を向けた令狐冲にため息をついて岳不群は風のように出て行った。

盈盈は「父も岳不群も心の魔に取り付かれてしまったのよ」と言い、令狐冲の庵を後にした。途中、岳不群が待ち伏せていた。
令狐冲は盈盈が置いていった笑傲江湖の楽譜を見て、慌てて彼女の後を追った。だがすでに盈盈の姿はなく道に彼女の小刀が落ちていた「盈盈」

出演:李亜鵬(リー・ヤーポン)(令狐冲)許晴(任盈盈)李解(林平之)孫海英(田伯光)陳麗峰(儀琳)彭登懐(余滄海)李勤勤(定逸師太)巍子(岳不群)苗乙乙(岳霊珊)巴音(向問天)劉仲元(莫大)
posted by フェイユイ at 21:47| Comment(4) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月10日

笑傲江湖・第三十九集 前半

令狐冲は不戒和尚に何事かをささやいた。「それはいい」不戒和尚は大喜びで駆け出す。盈盈が「なんと言ったの」と聞くと「教えてやらん」「教えてったら!」と言うわけで令狐冲が「女を引き止める方法」を教えると「何よ、まったく」と怒った。
(これってナンなのかさっぱり解りませんね。見てるほうはイライラしちゃうだけです、まったく。原作にはちゃんと書いてあって令狐冲曰く、まず女に酒を飲ませて酔っ払わせ服を脱がせて隠してしまえば、まさか裸では逃げ出さないだろう、と言うようなものだったと覚えています(図書館から借りていたものなので今はもう確認できず)令狐冲って意外と大胆ですね。恥ずかしがりやの盈盈から怒られてもしょうがないでしょう)

恒山派の尼僧たちが話し合っている。どうやら令狐冲と盈盈が向問天に黒木崖に連れて行かれたらしい。儀清と儀琳は黒木崖に行く事になった。

岳不群は寧中則を探しだした。寧中則は夫・岳不群に「冲児のことはほっといて」と言うが岳不群は自分はよくても他の宗派が許してくれない。大事な時に感情に流されてはいけない。各宗派を招いて剣術を磨こう。安心して全てを我々に任せなさい」(このとき岳不群が奥義をひらひら操って見せるがあまりうまくないの(笑)とても辟邪剣譜を習得したとは思えん)

黒木崖では高段にいる任我行に教徒たちがひれ伏してはその名を讃える日月神教の儀式が繰り返されていた。連れてこられた令狐冲は首を振り、空しい思いを打ち消している。
そこへ恒山派の尼僧達が到着したという知らせが入った。

神教の上官が尼僧達に跪けと命令するが、儀清は「私達は仏門の身です。菩薩か師父以外の凡人には頭は下げません」「教主は凡人ではない。菩薩と同等ですぞ」儀清は令狐冲を見上げると令狐冲はちらりと任我行を見る。
任我行が「もうよい」と言って笑い「今日来てくれたのは令狐冲の恒山派だけだ。礼などよい」
任我行は令狐冲に「岳不群が挑戦状を突きつけた。令狐冲、そなたはどちらにつくのだ。神教の副教主にしてもよいぞ」令狐冲はやや言葉をとぎらせ「お願いがあります。一つは、私が定逸師太から預かった恒山派を神教に合流させるわけにはいきません。もう一つは」と盈盈を見つめて「ご令嬢を私の妻にください」任我行もやや黙った後、大笑いし、「一つ目は問題にならん。掌門の座を誰かに渡せばよい。二つ目はそなたと盈盈が意気投合しているのは周知の事実。結婚を許すのは言うまでもない。何を心配する」大笑いし、それを聞いた盈盈も令狐冲を見上げて微笑んだ。令狐冲は礼をして「恐縮です。しかし入信の誘いは慎重なご思慮を。私は身勝手な人間で却ってご迷惑をかけます。あきらめていただきたい」これを聞いた尼僧たちの顔が明るくなる。任我行は髪を擦りながら「まさか日月神教への入信を断るというのか」「そうです」任我行はなおも令狐冲が吸星大法を会得した後は苦痛が襲っているだろうが、それを治す方法は私しか知らないのだと詰め寄る。そして令狐冲に二つの道がある。一つは日月神教の副教主になり我が婿になる事、もう一つは岳同様わしの敵となる。今、ここにいる恒山派の弟子達を一人も逃さんぞ」令狐冲はこれに答え「恒山派は尼僧ながら勇者ばかり。そうなれば戦うしかない」尼僧達も「恒山派は死ぬ事など怖れません」
任我行笑って「ここで殺せば不公平と言われる」そして令狐冲に尼僧達を恒山に連れて帰るように言い、一ヶ月以内にわし自身がそこへ行って一匹でも生き物がいたら負けを認めよう、と言うのだった。
立ち去ろうとする令狐冲と尼僧たちを向問天が引き止め「今日は思い切り酒を飲もう」と言い出した。
これには令狐冲も笑って「よし。さすが義兄弟」酒が次々に注がれ飲み干された。令狐冲の仲間・祖千秋や老頭子らが集まってきて礼を言い、令狐冲も感謝した。皆がわき合い合いと酒を飲み交わし、それを任我行は苦々しく見つめるのだった。

寧中則が屋敷内を歩くのも岳不群は見張っている。寧中則は殺されてしまった娘・岳霊珊の部屋へ行きさめざめと泣いた。
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2006年01月09日

笑傲江湖・第三十八集 後半

令狐冲がいない間に、恒山派の尼僧たちは前の掌門である定逸を殺した仇について話し合っていた。
儀和は「私達は修行の身だけど、師匠の仇は討つべきよ」そして定逸師太を殺したのは岳不群であると皆に伝える。皆は驚きの色が隠せない。儀琳も信じられないと言ったのだが、師太の身体を調べたうえでの判断だと言われる。仇を討つと言った令狐掌門だが、師父である岳不群を討たせるわけにはいかない「だからこそ、令狐掌門には黙って私達で仇を討たねばならないのよ」皆はうなづくのだった。

令狐冲の元へ盈盈が駆け込んできて「今すぐ逃げるのよ」と腕を引っ張る。わけの解らない令狐冲だが、彼女の言うとおり逃げ出した。
離れた場所で「どうしたんだ」と問うと「梅庄で令狐冲が任我行を救い出した事を、父・任我行が世間に流布した」と言う。「あなたが任我行を救い、教主に戻したという話よ。父はずっと江湖の統一を望んでいてあなたの力が欲しいのよ」「絶対行かないよ」と言う令狐冲に「わかってるわ。そして岳不群が父に挑戦状を出したの。武林の平和はまた破られそうよ。どこかに隠れて。父を説得するわ」が令狐冲は「いけない。恒山派が危なくなる。今は恒山に戻ろう。掌門を譲って一緒に黒木崖に行こう」

恒山に戻ると儀琳達が懸命に剣の稽古に励んでいる。その真剣さに思わず令狐冲が止めにはいろうとしたほどだ。そこで令狐冲は彼女達が定逸師太の仇・岳不群を討つために必死に練習しているのだと知る。
師父が定逸師太の仇だったとは。落ち込む令狐冲は盈盈に問いかけた「君は気づいていたんだな。一体何故師父は定逸師太を殺したんだ」「五岳の盟主になろうとしていたのに、定逸師太が止めたからでしょう」「盟主の座ぐらいでそこまでするのか」「人は変わるわ」と言うと盈盈は徳利を取り出して明るい声で「ねえ、どうこの匂い」「いい酒だ。どうした」「ふん、神教の聖姑だもの、簡単よこのくらい」(そ、そんなものなのか)「そうか」さっと受け取った令狐冲に杯を2個差し出して「独り占めしないで」「君も飲みたいのか」「ダメなの」「いいや」と言って酒を注ぎだす令狐冲に「酒と琴は手離せないわ。“世間にとらわれず、思う存分酒を楽しみましょう”」と詩を読み、杯を手に取った。「“世間にとらわれず、思う存分酒を楽しもう”か。そうだな、飲もう」令狐冲は「そんないい言葉が覚えられるのならもっと酒が飲めるよう本をたくさん読んでおくんだった」二人は冗談を言い合いながら寄り添った「明日父を説得に行きましょう。そして誰もいない遠い所へ二人きり行ってしまいましょうよ」

次の日、盈盈は令狐冲をおばさんの姿に変装させた(別の女優さんがおばさんになっていて声だけが令狐冲です)「掌門の座を譲ったらまた会いに来るよ」と言って去っていく。盈盈もその場を離れた。
しばらくして盈盈は川辺におばさん姿の令狐冲を見つけた「早かったのね」と肩を叩くと振り向きざまおばさんは盈盈に点穴をした。盈盈は動けなくなった。

夜の水辺。儀琳はいつも話しかける聾唖のおばさんに向かってまた語りかけていた。それは実はおばさんに変装した令狐冲だった。儀琳は自分がどんなに令狐冲が好きかそして彼は自由が好きだから盈盈があまり彼を縛らないで欲しいと、そして令狐冲がもうすぐ恒山派の掌門をやめるかもしれない、そうすればもう会えなくなると話かけるのだった。「儀琳」と呼ぶ声がして儀琳は話を止め剣の稽古に戻った。
水に映った自分の顔を令狐冲が眺めていると後ろにおばさんの姿が。それは儀林が先ほど間違えた変装にそっくりの本物のおばさんだった。「ごめんなさい、おばさん。悪意はなかったのです」おばさんが答えなので「そうだ、しゃべれなかったんだよね」と言うと「そう言うあんたこそ」と答えたではないか「あれ、話せたんだ」と近づくとあっという間に点穴され令狐冲は倒れた。おばさんは令狐冲を抱えると歩きだした。(大男の令狐冲を担ぐとは物凄い力持ちだ)

「何をするんだ」令狐冲を床におろすと話せなかったはずのおばさんは話し出した「あんたには二つの道がある。一つは儀琳と結婚する事、もう一つは去勢されること」(また去勢ですか)「儀林は尼僧だ、結婚できないよ」「ではお前を僧侶にする」と言って令狐冲の髪を切ろうとする。令狐冲これには慌てる「わかった。あんたは不戒和尚の奥さんだな。俺にも同じ事をさせようというのか」「和尚が嫌なら宦官にしてやる」「俺はもう婚約している。裏切るようなら最低の男になってしまう」「ではその女が裏切ればよい」「俺を捨てたりはしない。俺のためなら命を捨てるような女だ。裏切ることなどしない。俺も同じだ」「やってみないとわからないね。恒山別院にいる別の男をあてがってやるよ」「よせ!」(令狐さん、慌てなくても誰もいい男いないと思うよ、今まで見てきたけどさ(-_-;)
おばさんは令狐冲を引っ張り別の部屋へ連れていく。そこには盈盈がいた「今の話全部聞いていたわ、その言い方が好き」令狐冲にっこり笑って「毎日言うよ」「そこの二人恥を知れ」(ま、おばさんがこの熱々ぶりに苛立つのもわかるがな)
またしても和尚と去勢どちらがいいか問うおばさんを盈盈がはねつけると「どうせ無理だとはわかっていたよ。では二人とも嫁にしなさい」えっと驚く二人。おばさんは出て行った。

儀琳はおばさんに引っ張られ嫌がっていた。そして今まで聾唖だと思っていたおばさんがそうでなかったと知る「聞こえないと思っていたから話したのに騙したのね」「いい話なの。令狐さんはお前が好きで結婚するって」「嘘よ。彼は昔は小師妹が好きで今は盈盈さんしかいないのよ」「いいからおいで」令狐冲と盈盈が動けないまま座り込んでいる部屋に儀琳は連れて行かれそれを見て「おばさん」と言うと「おばさんとは何?私はあなたのお母さんなのよ」(なこと言ったって今初めていったのにさ)「だって父さんから聞いたの。母さんは綺麗で優しいひとだって。あなたは違う」(ははは)「本当にそんなことを」令狐冲が「確かにその人は君の母親だ」「嘘よ」と叫んで儀琳は出て行った。「この家族が揃ったら面白くなりそうだ」盈盈は「恥ずかしいわ。早く何とかしてちょうだい」「掌門を譲ったら結婚を申し込むよ。息子を産んでくれ」「もうふざけないで」
(この部分、原作ではかなりロマンチックな場面でした。このブログでは「男性と武芸」の中でちょっとだけ書いていますが。ドラマではこんな明るい場面になったのですね)

逃げ出した儀琳を追いかける実の母親。儀琳は「母は世界一いい人なの。あなたは母親じゃない」と言いはる「いいえ私は世界一いい人よ」「ならなぜ父さんに苦労をかけるの。娘の私に16年間声をかけてくれなかった。絶対許さないわ」(ほんとだよ。金庸作の人物は変わった人がたくさんいるけどこの人は最高に変わってますね)
そこへ桃谷六仙が来て「悪女だ悪女だ」と言ってからかう。女は「しつけだ」と言って桃谷六仙を懲らしめた(やはり怖い)

令狐冲たちは動けるようになり「不戒和尚に知らせよう」と言いながら仲良く歩いて行った。

不戒和尚と令狐冲たちがやってくると女の姿はなく桃谷六仙が貼紙をされて話せなくなっている。その貼紙を見て「彼女だ」と不戒和尚はつぶやいた。「彼女はどこだ」六仙は貼紙を取ってもらってやっと「あの婆さん」「婆さんではない、わしの嫁さんだ。去勢してしまうぞ」と怒る。六仙怯えて「婆さん、逃げたよ」走り出した不戒和尚「わしは世界一罪深く不幸な男だー」「どうしました」と令狐冲。「ずっと逃げられていたのだ。どうせまた逃げられる」「心配御無用。いい考えがあります」不戒和尚、ひれ伏して令狐冲に教えを請う。そこで令狐冲、和尚に秘策を伝授する。

出演:李亜鵬(リー・ヤーポン)(令狐冲)許晴(任盈盈)李解(林平之)孫海英(田伯光)陳麗峰(儀琳)彭登懐(余滄海)李勤勤(定逸師太)巍子(岳不群)苗乙乙(岳霊珊)巴音(向問天)劉仲元(莫大)
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2006年01月08日

笑傲江湖・第三十八集 前半

霧が立ち込める切り立った山頂で令狐冲と盈盈は楽の根を楽しみながらゆったりとしている。だが令狐冲はつぶやく「はかない人生だ。育った地からは追い出されてしまい、必死に学んだ“独孤九剣”も結局役にはたたない。権力など無関心なのに掌門になり、魔教を憎んでいたのにその娘と恋におちた」「後悔している?」「するもんか」「私もよ。二人で遠くへ行こうって本当?」「うん。あの劉先輩と曲先輩、何故二人が去ったのか、今やっとわかった。盈盈、“笑傲江湖”の曲を教えてくれ」「彼らみたいに一緒に弾けたらいいのにね。でもきっと無理だわ」「なぜ」「二人は争いに負けて死んだのよね」「君の父親も師父もそんなに酷い人ではないと思う」「まだ岳不群のことを師父だと思っているの。あなたを利用するだけなのよ」「恩があるんだ。・・・いつかふたりで桃源郷へ行けたらいいな。誰が何と言おうとも掌門の座を譲れたら二人で行こう」二人は互いを見つめあい手を取り合って語りつくしたのでした。美しい場面です。本当に江湖のいざこざなど打ち捨てて逃げて欲しいとさえ思います。

任我行は向問天の反対を押し切って、部下に「令狐冲が梅庄で任我行をすくって教主の座に戻してくれた事を公表せよ、その礼として副教主に任じる」と命じた。向問天はそれが令狐冲を追い詰める事を感じていた。

少林寺には「令狐冲が任我行を助け。東方不敗を倒した」と言う知らせが届いていた。方証大師と冲虚道長は、任の策略である事を見抜く。「任と岳は令狐冲を奪いあっているようだな」そして岳不群が辟邪剣譜を身につけたことに気づいていた。そんな折、岳不群が訪ねてきたのであった。
岳不群は流れている令狐冲の噂を肯定した。そして令狐冲が魔教に通じ、武林の正義を汚すとんでもない罪を犯しました、と言うので大師は「それほどでは」と否定される。が岳不群は「いや、大変な迷惑をかけました」と答える。そして「魔教は江湖統一を目指しているのです」
道長は「だが、きっと何か事情があって助けたのでは。二人を同類にするのは妥当ではないでしょう」と口添えしてくれるのに「令狐冲は人に流されやすいのです。しかも魔教の娘に誘惑され夢中になっている」そして「今回のことでは非常に恥をかいた」方証大師は微笑みながら「まあそう深く悩まずに。風清楊の直伝なら邪教には走らないはず。任盈盈も令狐冲と一緒にいる事で凶暴な性格がなりを潜め、だいぶん大人しくなったようです。任我行も教主に戻ったが、状況は昔とは随分違うようです」それを聞いていた岳不群はため息をつき、任我行のような者が改心するとでも。」「では岳掌門のお考えは」「戦うのみ。お力をお借りしたくここに来ました」が方証大師は戦いが始まれば世の中は乱れる、何とか事を穏便にと言われた。岳不群は大師に手助けの意思がないと気づき、「では一人で挑戦しましょう」と言って立ち去った。残った大師と道長は岳不群が争いを始めれば武林の災いは逃れられない。全ては令狐冲にかかっている、と話し合った。
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笑傲江湖・第三十七集 後半

青城派は岳霊珊に「辟邪剣譜を出すよう説得すれば林を返そう」と言われ縛られた林平之と同じ部屋に押し込められる。
岳霊珊は「平之」と呼び続け抱きつくが縛られた林平之は嫌そうに顔をそむけ「ばかもの」と冷たく言うだけなのだ。だが岳霊珊は「死んでも一緒にいたい」とすがりつく。これを聞いた林平之は「死にたいか。なら死ぬ前に教えてやろう。俺の曽祖父・遠図公はもとは僧侶だった。“辟邪剣譜”に出会って袈裟に書き写した。だがその最後にはこう記されていた。“この剣法は悪辣すぎる。これを修練するものは例外なく子孫を絶やすだろう”
剣譜を見つけた時、結婚後に修練しようと思ったが、その魅力に我慢できなかった。私はすぐ去勢して修練をしたのだ」これを聞いた岳霊珊はさめざめと泣いた。「あなたは去勢をして剣の稽古を」「それが辟邪剣譜の秘訣だ。辟邪剣譜を習得する者は自ら去勢をせよ。この剣譜を作った偉大な先輩は宦官だったのだ」「では父も同じ?」「この剣法を習得した者に例外はない」「嘘よ」「奴は剣譜を手に入れていたのに、それを令狐冲に罪をかぶせた。お前の母は疑いを持った。髭が薄くなり声が高くなったからだ。それは去勢のためだった。やがて彼は秘密がばれるのを怖れて辟邪剣譜の記された袈裟を谷に投げ捨てた。それを私が手に入れたのだ」そういって笑った。岳霊珊は打ちのめされた。と、その時、外で人の倒れる音がして、黒衣の男が飛び込んできた。そして林平之を縛った綱を切リ「行くぞ」と連れ出した。

山の中で黒衣の男が覆面を取るとそれは何と二師兄・労徳諾であった。「私は岳不群に殺されかけたが逃げた」と吐き捨てるように言い放った。
林平之は「お前が辟邪剣譜を嵩山に持ち込み左冷禅に修練させたのだな」「私は元々嵩山派だったのだが、崋山派に入り込んでいたのだ。だがまさか岳不群が偽物の辟邪剣譜を渡すとは思いもよらなかった」「それで本物を狙っているのだな。わかった。もし岳不群を殺せば本物を渡そう」労徳諾は「協力して辟邪剣譜を研究してお前の夢を果たそう」林平之は「よし。岳不群を殺してくれればついて行くよ」と嬉しそうに笑う。聞いていた岳霊珊は「私はなんて不幸なの」とつぶやく。それを聞いた林平之は「解った。ではここで不幸は終わりにしてやろう」と言うや岳霊珊の腹に小刀を突き刺した。それは岳不群・寧中則が自分たちの結納の品を岳霊珊に譲った緑色の宝剣であった。岳霊珊の結婚の祝いにと贈られた宝剣で妻である彼女の胸を刺すとは何と酷いことをするのだろうか。「あっ」低いうめき声を上げて岳霊珊は崩れ落ちた。その腕を林平之に差し伸べながら。「終わった」と労徳諾は告げた。

令狐冲と盈盈は急いで岳霊珊の後を追いかけてきた。がやっと見つけた時、悪党二人はその場から逃げ出してしまった。令狐冲は追いかけるのをとどまり、胸に小刀を刺したままの小師妹を抱き起こした。令狐冲の顔は苦渋に満ちている。小師妹は「大師兄、ごめんなさい」とささやいた。そして「頼みがあるの」令狐冲は昔のように「何でも言う事を聞くよ」と返した。彼はいつでも小師妹の無理な頼みをかなえてきたのだった、どんな頼みでも。「林平之は目が見えず一人ぼっちなの。私が死んだら、彼を守ってあげて」「あんな酷い奴、忘れた方がいい」「いいえ、彼は本気で私を殺したんじゃないの。手が滑っただけ・・・大師兄、彼を守ってあげてください」最後の願いを令狐冲ははねつけることができなかった「わかったよ、小師妹」
小師妹は死んだ。物言わなくなった亡骸を抱えて令狐冲は叫んだ「小師妹」抱き上げて歩き出した。そして力尽き倒れた。

気がついた時、盈盈が傍らで琴を弾いていた「彼女は土に還ったわ」盈盈は小師妹を葬り墓を作ってくれたのだ。令狐冲は「盈盈。小師妹とは幼馴染だった。俺達の事気にしないでくれ」盈盈は少し苦しげに、頷いた。「師娘が来ておられるわ」
見ると寧中則が娘・岳霊珊の墓の前で泣いていた。「こんなこと信じられない」と嘆き悲しむ姿に令狐冲はひれ伏す。師娘は今までのことを酷く後悔して涙にくれるのだった。そして「仇を討ちたいけどもう私にはその力がない。令狐冲、仇を討って」これに令狐冲は戸惑い小師妹に林平之を守ると誓った事を伝える。師娘はまた涙を流す。令狐冲は突然「私の母親になってください。そして一緒に暮らしましょう」と師娘の身体を支えて立ち上がらせ、馬車に乗せると共に乗り込んで走り去った。後に一人、盈盈を残したまま。盈盈はしばらくその馬車を見ていたが、静かに立ち去った。

岳不群と寧中則は大勢の前で令狐冲を養子に迎える祝いの席をもうけていた。が、そこに令狐冲の姿はない。岳不群は令狐冲を呼んで来いと言い付けた。

令狐冲は嵩山の屋敷内をうろついていた。部屋に戻るとそこに向問天が酒を飲んでいるではないか「向兄貴。どうしてここに」「任教主の命令だ。お前を黒木崖に戻らせ、教主を引き継がせる」「お気持ちはありがたいが命令には従えない」「任教主は怒っている。岳不群の総帥就任と辟邪剣譜の習得だ」そして言葉を続けた「まさか江湖が3人の手に握られるとはな。お前と任教主、そして岳不群だ。二人は江湖の統一と言う野望がある。今、問題なのはお前がどちらにつくのか、と言う事だ」「俺はもうこの件とは関係ないんだ」「身を引くというのか。では死ぬしかないな。お前が死ねば皆が安心する」「俺は師娘のためにここに来たんだ」ここまで話した時、向問天は気配に気づき、岳不群がつけた見張りを叩き落とす。「誰の差し金だ」「師父の命令です」誰かが逃げる音を聞きつけ、向問天は令狐冲に「盈盈と遠くへ逃げろ。そして二度と現れるな。奴らより酷い死に方をするぞ」が、令狐冲はにやりと笑って酒を飲んだだけだった。

岳不群は弟子を使って令狐冲を建物ごと爆破させようとしていた。そこへ師娘がやってくる。弟子達は慌てておしとどめたが、寧中則の技をとめきれるものはなかった。次々と彼女に倒され、寧中則は進んでいった。そして爆発した。

寧中則と令狐冲は死んではいなかった。寧中則は令狐冲と盈盈を前にして話しかけた。
「私は愚かなことをした。母さんを許しておくれ」「母さん。一緒に恒山へ行きませんか」寧中則は首を振り「あなた方の幸せを祈っています」

院では岳不群が弟子に問いただしていた「師娘はみつかったか」「いえ、まだです」「そんなはずはない。行け。私の命令だ。必ず探し出すのだ」

小師妹の最後は酷すぎます。甘やかされわがまま一杯だったはずの彼女がこんな辛い死を迎えるとは。彼女の死に嘆く令狐冲の姿を見て涙が溢れて困りました。
令狐冲に盈盈と逃げろと言う向問天の言葉が優しくてまたじんわり。
師娘はどこへ行ってしまったのでしょうか。必ず探せと言う岳不群の言葉が恐ろしいです。

出演:李亜鵬(リー・ヤーポン)(令狐冲)許晴(任盈盈)李解(林平之)孫海英(田伯光)陳麗峰(儀琳)彭登懐(余滄海)李勤勤(定逸師太)巍子(岳不群)苗乙乙(岳霊珊)巴音(向問天)劉仲元(莫大)
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2006年01月07日

笑傲江湖・第三十七集 前半

お待たせしました(笑)やっとレンタルする事ができ、再開できる喜びに震えております。とうとうDVD最後の一枚になりました。残り僅かです。最後までお付き合い願えれば幸いです。

日月神教の教主に帰り咲いた任我行は配下たちに「江湖統一、天下第一」と連呼させ自らの士気を鼓舞する。が、向問天はそんな任我行に五岳派と少林派が合体し強化した今、戦うのは危険である、と進言する。東方不敗によって弱体化してしまった日月神教を立て直すべきだ、と。任我行は強く反対し、令狐冲がいれば勝てると言い返す。向問天は名声や権力に興味がない男です、説得は無理だと申し立てる。こちらには盈盈もいれば、吸星大法も与えたのに、言う事を期間とは理不尽な、と任我行は歯噛みする。

嵩山では左盟主の霊の仕業かと思えるいたずらが横行する。苛立った岳不群はいつの間にか飾られていた「左」と書かれた提灯を破壊していく。
寧中則は岳不群を残してひとり崋山に帰ろうとしていた。寧中則は夫・岳不群に「あなたは若い頃、年をとったら崋山に桑畑を作って私は織物をして平凡に暮らそうといった。今のような戦いに明け暮れた生活はもうできない」と言う。

岳不群は幸せな生活をするために、今は魔教を潰さねばならないのだ、と言う。そのためには令狐冲の力が必要だ、お前が連れてきてくれ、と頼むのだった。

令狐冲と盈盈は仲むつまじく馬車に揺られていた。
小師妹と林平之も馬車に乗ってやって来たが、林平之は岳霊珊を煩わしく思っているだけである。が、目の見えなくなった林平之に岳霊珊はかいがいしく付き添っていた。
二人の様子を見張っていた令狐冲と盈盈は二人の様子を伺っている黒衣の男に気づく。盈盈が後を追うが、まかれてしまった。盈盈はその剣法が何なのかよく解らなかった。
林平之・岳霊珊は令狐冲たちがひそんでいた宿屋に泊まることにしたようだ。令狐冲と盈盈は二人の隣の部屋を頼んだ。
宿の部屋の中でも林平之は岳霊珊に酷く冷たい。岳霊珊は涙ながらに「私を恨んでいるのね。結婚初夜に逃げ出してしまったわ」「恨んではいない」「ではなぜ逃げ出したの」「逃げなければ、岳不群に殺されていたからだ。辟邪剣譜のために」「なぜ父は辟邪剣譜を取ったのが大師兄だと」「ごまかしたのだ」「そうね。大師兄は義侠心に厚く、物欲のない人だった」「奴の所へいけよ」
隣の部屋で一部始終を聞いていた令狐冲ははっとなる。岳霊珊は「兄として尊敬するだけよ。恋人じゃない。あなたとの縁が深まってからは一日中あなたを想っているわ。この愛はこれからも変わらない」さすがに林平之もため息をつき「お前は父親とは違うな、母親に似ているようだ」
再び黒衣の男が現れ、盈盈がこれを追った。今度は手傷を負って逃げていった。それを見て盈盈は崋山派だと気づいた。そして宿屋の下の食堂には青城派が大勢駆けつけているのを見つける。
そのことを令狐冲に告げ、黒衣の男が崋山派の剣術であったと言うと令狐冲は「まさか」と言って首を振った。盈盈は「まさか岳不群が」と言うと令狐冲は「小師妹に知らせないと」と言って天上を見上げた。

令狐冲と盈盈は林平之と岳霊珊の部屋の天上から様子を伺っている。岳霊珊の言葉はなおも続く。「たとえあなたの目が治らなくてもずっと傍にいるわ。まだ私が信じられないの。今夜私は全てをあなたに捧げます。今夜が二人の初夜になるのよ。平之。本当の夫婦になりましょう」と言って岳霊珊は林平之に抱きついた。
その瞬間、盈盈は落ちてしまった。さっとその身体を令狐冲が抱きしめる。盈盈はうれしそうに令狐冲に身を寄せた。
林平之は岳霊珊を戸が破れて外まで行くほど突き飛ばした。下からわらわらと青城派が寄ってくる「林平之、出てこい」
令狐冲は小師妹に林平之と逃げろと言いながら、上ってくる青城派を次々とやっつけていった。が林平之は「令狐冲、いい人ぶるな」と騒ぎ立てる。岳霊珊がなだめても聞かない。「天下は俺のものだ。誰よりも強いのだ」「目を治してからにしましょう」「これは令狐冲の罠かもしれない」「死にたいの」という岳霊珊の言葉にやっと林平之も従って逃げ出した。

続々と迫ってくる青城派を令狐冲と盈盈は倒していった。その強さは圧倒的で青城派の雑魚たちの敵ではない。
岳霊珊は窓から布を垂らしてまず林平之を降ろそうとした。が、途中で青城派に見つかり布に剣を投げつけられた。小師妹は懸命に「大師兄!」と叫んだ。
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2005年12月27日

笑傲江湖・第三十六集 後半

「聖姑を返せ」と叫んで飛び込んできたのは、桃谷六仙たちだった。崋山派に捕らえられた聖姑を見つけ(これ、何時の間に捕まってたの?)弟子達に飛び掛る。それを見た岳不群は飛び出してベールをつけた笠を払いのけた。なんと聖姑と思ったその女は儀琳だった。六仙は聖姑じゃなくて尼さんだったと大騒ぎ。儀琳は令狐冲に「お迎えに参りました」令狐冲は師父に「この者たちを恒山に送り返してからまた伺います」と申し上げる。

岳霊珊は母・寧中則に「林平之が敵討ちのために余滄海を追っているの。私も行くわ」と告げた。寧中則は林平之が急に腕を上げたことを知り、彼もまた「辟邪剣譜」を学んだに違いないと考え母娘両方が何故このような苦しみを、と嘆く。そして突然「早く林平之を追うのよ」と岳霊珊を急がせた。「早く行って。もう帰ってきてはいけない。早く」

岳不群は花をいけながら寧中則に語りかける「二人が見つからないのは君が見つけようとしていないからだ。二人は私の子供でもある。私が探し出すよ。見つけたら君に返そう。それよりお客様にお酒を出して」
ううむ、寧中則の髪にガーベラ(ガーベラはこの時代にないと思いますが)をさしてあげる岳不群が女性的でございます。ご自分の髪をずっとおろしておられるのもフェミニンな感じですねー。

岳霊珊、林平之と共に仇討ち、と言っても林平之ときたら岳霊珊が必死に追いかけてるのに気にも留めず馬を走らせる。岳霊珊は、令狐冲と一緒の時は甘えっぱなしのわがまま娘だったのに、林平之が相手だとどうしてこうつくしてしまうのか?わがままさせ放題の令狐冲と全く言う事を聞いてくれない林平之、どちらをとってもあまり幸せになれそうにない気がする。

令狐冲は盈盈、不戒和尚、儀琳ら尼僧たち、桃谷六仙たちを引きつれ賑やかに歩いていく。盈盈はなぜか凄く腕を振って元気よく歩いてます。
かつて一人ぽっちでさまよっていた令狐冲は寂しさに押しつぶされそうでしたが、心の重荷はまだあるとは言え、随分楽しそうな道中です。しかし令狐冲自身はすっかり大人びてしまいましたが。
さて一行は、余滄海達が休憩している茶店で一服することになる。令狐冲が「六仙は静かにするように」と言っても聴きやしない。
そこへやってきたのが林平之と岳霊珊夫妻であった。林平之はにこやかに「命を狙われているのに逃げようともしないのか。お前は辟邪剣譜を狙い両親を殺した。今、ここで辟邪剣譜を見せてやる」そして笑いながら今までとは全然違うすばやい動きで青城派を攻撃する。その辟邪剣譜の華麗なる技に青城派の弟子達は歯向かう術もない。令狐冲も「速過ぎる」と感じるほどであった。
余滄海を殺しはしないが恥をかかせて林平之は去っていく。「あいつももう終わりだな」と騒ぐ桃谷六仙の言葉に余滄海は腹を立て近寄ると、盈盈がさっと立ち上がり「私達に手を出さないでください。あなたに負けはしませんが」(カッコいい〜)令狐冲は「あれが本当の辟邪剣譜か確かめたい」と言うのだった。

余滄海が輿に座って道中を行っていると、またもや林平之が馬に乗って追いついてきた。令狐冲一行が見守る中で「余滄海、これまでだな」と言うや笑いながら攻撃を仕掛ける。余滄海も負けじと反撃する。林平之の目にも止まらぬすばやい技は恐ろしいほどだ。岳霊珊も青城派と戦うことになり、多勢の攻撃に押され気味である。「平之」と呼ぶが林平之は全くそ知らぬふりだ。
令狐冲は小師妹の声にはっとして飛び出そうとする。儀和がとどめて「あなたは掌門なのですよ」戸惑う令狐冲を見て見捨てておけず盈盈は「私が」と岳霊珊を手助けする。「なぜあなたが」「大師兄のためよ。馬車で休んで」と優しく声をかける。
林平之が近づき「馬に乗りなさい」と冷たく声をかける「私にかまわないで」林平之はそのまま行ってしまう。が、岳霊珊も馬車には乗らず結局後を追いかけるのだった。

そんな岳霊珊の前に木高峯が現れる(お久し振り)そして岳霊珊を綱で捕まえてしまった。

青城派がまた休憩している所へ恒山派も休むことにした。再び林平之が現れ「動かなくていいぞ。どうせ殺すから」と声をかける。
そこへ綱で手首を結わえられた岳霊珊と木高峯がやってくる「ここは人が多すぎる。行くぞ」(って、もう少し違う道行ったらいいのに、わざわざ)すぐさま令狐冲が木高峯に机の端っこをちぎって投げつけた(凄い)反動で落馬しそうになった岳霊珊を盈盈が抱きとめる(ほんとに気のきくお方だなあ)
林平之は木高峯に「お前は辟邪剣譜を狙って両親を殺した。お前の罪は余滄海と同じだ」と言い放つ。「地面に頭をつけてお爺様といえば、一年命を延ばしてやる」「お前は昔はわしの前で這い蹲ってお爺様と呼んだ小僧だな」たちまち戦いが始まった。林平之、余滄海、木高峯の戦いは何とも醜い戦いである。しかも余滄海は実は一人ではなく小さな人は二人重なって一人になっていたのだった。思わぬ3対1の戦いになってしまった。林平之の攻撃は残忍さを増すばかり。余滄海の上部に襲われ、木高峯から肉を食いちぎられながらもその身体を滅多刺しにする。が、木高峯から緑色の液体が飛び出して林平之の目を潰す。林平之は目が見えなくなってしまった。それでも林平之は仇を討った。
見えぬ目で喜ぶ林平之。令狐冲は傷薬を岳霊珊に渡す。岳霊珊が林平之の目を洗ってやろうとすると「奴の親切などいらぬ」とはたく。「俺が死のうと関係ないだろう。そんなに奴がいいならついていけ」「平之。なぜそんなひどいことを」「ひどいって。ひどいのはどっちだ。木と余は辟邪剣譜欲しさに力ずくできた。まだ悪漢らしく堂々としている。だが、お前の父親・君子剣・岳不群はどうだ。卑劣な手段で手に入れようとしたのだ」だがそんなことを言われても岳霊珊は崋山に戻って療養しましょう、と林平之を抱きかかえるのだった。「必ずあなたの目を治す。治らなくても私はずっと傍にいるわ」そして盈盈から馬車を借りてその場を離れた。
「復讐、復讐か」令狐冲はつぶやく「人生の目的が復讐なら狂った世の中になる」盈盈は令狐冲を見つめて「小師妹が心配なのね。助けにいって」令狐冲は首を振り「俺には君しかいないんだ。君が誤解するなら生きていけない」(みんな見てるんですけどお)盈盈笑って’ちょっと恥ずかしかったと思う)「わかってるわ。早く行ってあげて」
言えませんねこのセリフ。義侠心ってまさにこのことじゃ。令狐冲の方が年上ですがどう見てもお姉さまという感じですわ。惚れます!

出演:リー・ヤーポン(令狐冲)李解(林平之)孫海英(田伯光)陳麗峰(儀琳)彭登懐(余滄海)李勤勤(定逸師太)巍子(岳不群)苗乙乙(岳霊珊)
posted by フェイユイ at 22:18| Comment(1) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月26日

笑傲江湖・第三十六集 前半

禅院の中で皆はそれぞれの場所で休んでいた。藍鳳凰も皆に混じって座り込んでいる。
そんな中を儀琳は飲み物を盆に載せて、令狐冲と盈盈の休んでいる場所へ運んだ。
盈盈は令狐冲に正派が命がけで戦っているのが悪夢のようだと話す。あなたは何故わざと負けたりするの。令狐冲は笑いながら「そうだね、君まで巻き添えにしてしまった」「東方不敗まで出てきて戦った」それが岳不群のことを言っていると解る令狐冲は言葉をにごした。

皆が休んでいる最中に林平之が現れた。名前を名乗って「人と会う約束がある」と言って行こうとするのを余滄海が引き止める。
二人は皆の前で戦う事になる。林平之は余滄海に「お前は両親を殺した」と言い、余滄海は林平之に息子を殺されたと言う。二人が戦い始めた。林平之の様を見て盈盈は「東方不敗のようだわ」と言う。がそこに、岳霊珊が「父が戦いはやめなさいと言っているわ。お客様に迷惑をかけてはいけないと。復讐は別の時にできるわ」と割り込む。
それを聞いて去ってしまった林平之を懸命に呼ぶ岳霊珊。それを心配して令狐冲が傍に寄ってきた。「小師妹」岳霊珊は「大師兄、傷は?わざとじゃなかったのよ」「わかっている。君は悪くない」「じゃ私行くわ」名残惜しそうに見送る令狐冲。
が、その様子を見ていた尼僧たちは「気の多い女ね。どこがいいのかしら」と悪口を言う。
令狐冲はしばししんみりとなったが、はっとして盈盈の所へ戻る。悲しそうにしていた盈盈だが令狐冲が盈盈の手を取ると微笑んで「早くここを出ましょう」令狐冲も「早く山を下りよう」と賛成した。

一人きりでいた岳霊珊を突然桃谷六仙が取り囲んだ。「令狐冲を傷つけたな。令狐冲が傷つくと聖姑様が傷つく。聖姑様のために仕返しだ」襲ってきた六仙を動けなくしてしまったのは岳不群だった。「残念だが聖姑はいない」「嵩山にいるはずだ。武術大会を混乱させたんだから」納得した岳不群岳霊さんに「令狐冲と盈盈を見かけたか」岳霊珊は口ごもって「いいえ・・・」岳不群は「魔教の力が五岳派の内部に及んでいたとは。明日の朝目が覚めたら首がないかもな。誰の仕業かも解らず」「お父様。大げさよ」「珊児。あの女は最大の敵だ」と言って六仙の末弟の点穴を解く。そして言った「令狐冲に桃谷六仙を迎えに来いと伝えろ。もし来なければお前らを一人ずつ殺す」

恒山派の尼僧たちが歩いている所につむじ風のような人影が通り過ぎていった。尼僧たちは身構えた「きっと岳不群だろう。任盈盈を狙っているのだ」少し離れた草むらに盈盈は隠れていた。「一体どうすれば」問われて盈盈は「いい考えがある」

傷ついた令狐冲を六仙の末弟と不戒和尚が坂道を担架で運んでいる(いいけど、頭を上にして欲しいなあ。具合悪くなりそう)「早くおろしてください」と頼む令狐冲(怖いんだよ)「大丈夫」という不戒和尚(怖いんだって)
六仙兄弟が倒れている場所に令狐冲をおろすと不戒和尚が穴道を開く。岳不群の弟子達が「聖姑を捕まえたぞ」と言って走ってきた。令狐冲が「師弟」と叫ぶが振り向きもしない。
令狐冲は不戒和尚に桃谷六仙を連れて禅院の外に出てくれるよう頼む。「何かあったらどうする」と心配する和尚に「恩師に会いたいのです」「万一の時は嘘も方便だぞ」「解りました、さあ」

静かな禅院の中に岳不群はいた。金色の冠を頭につけている。令狐冲は「五岳派の総帥に拝謁します」と言って跪いた。「立ちなさい。嵩山に来た時、尼僧の中に聖姑と言う者が加わっていたとか。もしかして桃谷六仙は聖姑の指示で五岳の大会を混乱させたのではないか」「それで師父は総帥になれた」(おお、言ったね)「何だと」(怒ったね)岳不群が火を発し、周りの灯りを灯した。弟子達がわらわらと駆けつけ令狐冲に剣を向け叫んだ「跪け」「令狐冲、五岳の総帥に拝謁します」「お前が敵を引き込み五岳派に魔教の者を連れ込んだとはな」「確かに彼女は魔教ですが、足を洗おうとしています」「悪いことから手を引くというのか」「我々は愛し合っています。お許しを」(言った!)「わかった。もうよい。何と言っても私達は師匠と弟子だ。今後は五岳派を支える力になって欲しい。黒木崖を潰し、魔教を絶滅させれば何が起きようともお前達の仲を認めよう」「魔教を絶滅?」「そうだ。魔教の絶滅は私の使命だ。奴らの目の前で魔教を徹底的につぶしたいのだ。今後はお前は私の傍にいてくれ」「感謝します。聖姑を呼び御礼を述べさせなければ」「まあよい。五岳派のことから話をしよう」
その時「聖姑を返せ」と叫ぶ声がして戸が開いた。
posted by フェイユイ at 21:39| Comment(3) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月25日

笑傲江湖・第三十五集 後半

「やはり五岳剣派の総帥は剣で決めよう」桃谷六仙の声で皆も賛同した。この時ちらりと映る小師妹(!)が美人になってる?!女の子の格好から若奥様になったということなのか?凄く綺麗に見えるんですが?ついでに余滄海もハンサムに(笑)あの変な格好でなくなったから。
岳不群が「五岳統一は争いをやめるのが目的なのだから、試合は寸止め。勝負がつけば戦いをやめ命は奪わない事」左冷禅は「それは難しい」としながらも「封禅台で各派の技を披露してもらおう」「そういたしましょう」となった。

嵩岳派の封禅台は大きな岩石のモニュメントの横にあり、綱をくもの糸のように張り巡らせた奇妙な建造物である。近くに剣をかたどった門のようなものもあり、まるでテーマパークのようでおかしい。
五岳派がここで剣を競い合う事になった。陸柏の「今から剣試合を始めます」の声がかかる。

まずは泰山派の玉音子が名乗りをあげる。これを受けたのが崋山派・岳霊珊。泰山派の剣法で戦うと言う。思過崖で修行を積んでいた小師妹は父・岳不群も驚くほど腕を上げていた。
そこへゆっくりと登場したのが夫である林平之。紅い服を着、以前と違う怪しい雰囲気を漂わせている。
小師妹は2番手の泰山派も片付けてしまい、続いて現れたのは衡山派の莫大先生。これは激しい戦いとなるが、小師妹はうっかりして莫大先生の脚を傷つけてしまう。岳不群も娘を叱りつけ、莫大先生に謝る。莫大先生は「ここまで戦えるとは大したものじゃ」と言われたが、痛そうです。
ここで声を上げたのは令狐冲だった「泰山派と衡山派の掌門に勝つとはすばらしい。恒山派として手合わせ願う」
ひらりと封禅台に飛び乗った令狐冲は「小師妹。僕達が戦うと必ず君が勝つね」それは無論、令狐冲が勝気な小師妹に譲っているわけだが。
激しい剣の応酬が続き、二人が見せたのはかつて仲のよかった二人が編み出した「冲霊剣法」だった。それはいかにも剣を合わせるだけの剣法なのだ。それを見た盈盈の表情が曇る。二人が剣を天に向かって放り小師妹だけが飛び上がって剣を手に取った。「小師妹」令狐冲が悲しげにつぶやく。その時、小師妹の向けた剣先が令狐冲の胸に刺さった。
はっとなった恒山派の弟子達そして盈盈が令狐冲に駆け寄る。刺した小師妹も驚き「大師兄!」と叫んだ。が、儀琳をはじめ恒山派の尼僧たちが令狐冲をすっかり取り囲んでしまった。令狐冲は剣を振りかざした儀琳を止めた。令狐冲は痛む胸を押さえて「見事な剣法だ。私の負けだ」と叫んだ。
小師妹は林平之を見つけ近寄った。が、林平之は冷たく微笑むだけだった。

試合を終え、立ち去る令狐冲を盈盈が迎える。心配そうな顔だ。令狐冲は盈盈を黙って見つめ、大丈夫と言うように首を横にふった。令狐冲は小師妹への愛情が消えたわけではないのですが(まだまだくすぶっているのですよね心の中では)盈盈を見る目の優しさ。何も話さず全てわかってしまう大人の恋人達ですね。盈盈も令狐冲もどちらも素敵で見てるこちらはめろめろですわ。

左冷禅は岳お嬢さんが3派を破ってしまい残る嵩山派を破れば総帥は岳不群にやってもらわねば」と言うと岳不群は小娘があなたに勝てるわけがない、と答える。「崋山派と嵩山派は互いを尊重し長い間戦った事がない。左師兄にご指導賜りたいと常々思っていました」
左冷禅は「岳不群は君子剣と呼ばれるが、今まで君子であるのは見たが、剣はあまり見たものがいないようだ」「そこまで言われるなら遠慮はしませんぞ」
そして岳不群は弟子達に「左盟主と私は腕を磨くだけだ。私怨はない。万一私が死んでも左盟主を恨んではならぬ。復讐はならぬ。五岳の平和を乱してはいかんぞ」
そしてとても単なる技の披露とは思えぬ必死の戦いが始まった。さらに左冷禅は「寒冰真気」を送り込んでくる。さすがの岳不群も身体を凍らせられてしまってはたまらない。そして岳不群が放ったのが「葵花宝典」であった。左冷禅は両目を潰され目から血を流した。「まるで東方不敗ね」と盈盈がつぶやく。「師兄」と叫んで助けようとした陸柏の胴体を左冷禅は真っ二つにしてしまう(ここまで裏切ることもなくひたすら服従していたというのに)
岳不群は余裕の微笑で「左冷禅。お前はもう不自由な身。もう戦いはやめにしよう。まだ総帥になりたいのか」「「わしの目はまだ見えておる」と言って飛び掛ろうとする左冷禅。無情にも岳不群はひらりひらりとかわして剣を蹴飛ばし、身体に突き抜けるほどの衝撃を放った。
少林寺の方証大師らは恐れおののいた。岳不群は封禅台の上に飛び上がり、周りを見下ろした。人々が岳不群を見上げていた。
集まった人々の群れが山を下りるとき、岳不群の高笑いを聞いた。それは悲痛にも感じられた。

嵩山派の岩の下に岳不群と寧中則だけが残っていた「満足なの」と寧中則が聞いた。岳不群はため息をついただけ。「この日のために今まで苦労してきたのね。でもなぜ冲の名誉を傷つけたりして追い詰めるような事をするの」「この江湖は争いばかりだ。令狐冲を潰したとして何が悪い?」

岳不群、全く怖いです。寧中則だけが昔と変わらず令狐冲の事を思っていてくれる。優しい方です。小師妹、急に綺麗になってびっくり。髪を上げたからかなあ?

盈盈と令狐冲の愛はもう確固たるものでありますね。ふたりの眼差し。燃え上がってますね。

出演:李亜鵬(リー・ヤーポン)(令狐冲)許晴(任盈盈)李解(林平之)孫海英(田伯光)陳麗峰(儀琳)彭登懐(余滄海)李勤勤(定逸師太)巍子(岳不群)苗乙乙(岳霊珊)巴音(向問天)劉仲元(莫大)
posted by フェイユイ at 21:06| Comment(7) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月24日

笑傲江湖・第三十五集 前半

五岳剣派の見守る中で泰山派の掌門の座を巡っての争い。天門も師淑らが左冷禅に買収されたと気づく。
そこへ突如現れた謎の笠男。天門をののしり、顔に刃物を突き刺してさんざん殴りつけ絶命させた。だが自分も天門にやられてしまった。男は青海一梟という男で左冷禅が仕込んだ殺し屋だったようだ。

左冷禅は新しい泰山派の掌門に合併の賛否を問う。新掌門は「いい事ばかりで大賛成」と答える。
左冷禅は「五派のうちすでに三派が賛成。恒山派の前掌門・定逸師太とは生前、合併の話をしたが、全面的に賛同されていた」と言うと尼僧・儀和は「定逸師太は強く反対されていました」と反論する。左冷禅は「定逸師太は最も優れた方で生きていれば五岳剣派の総帥になるべきだったが」と言うとそこへ突然割り込んできたものが。「左盟主の話はおかしいぞ」それは桃谷六仙であった。「定逸師太はお前を総帥に推薦したがった。合併には反対だったが、もしされるのなら左冷禅が総帥になるがいいと」「そう言われたのなら恐れ多い」とかしこまる。桃谷六仙は「そう慌てるな」と言い「左冷禅は陰険悪辣。もし五岳派の総帥になるなら、恒山派の尼僧たちは苦労する。そこでだ、総帥にはこの桃谷六仙が最も相応しいと」「こうも言ってた。五岳剣派は総帥に桃谷六仙を選ばなければ今後の発展はありえないと」
尼僧・儀和は「そのとおり。定逸師太は五岳派の合併など望んではいませんでした。合併賛成など誰も聞いていません」桃谷六仙はさらに続けて「桃谷六仙なら五岳派に一人ずつ駐留することにして残った一人が大総帥になればいいと」
左冷禅は声を荒げて「令狐掌門。こんなふざけた事を」令狐冲はやや笑いながら「彼らは天真爛漫で嘘はつきません。定逸師太の遺言の話も他の派の噂話より信用できます」「どうやら恒山派は孤立したいのだな」と左冷禅。
令狐冲は私は崋山派の岳不群先生に深い恩があります。孤立はしません。恒山派は崋山派と協力していくのです。岳不群先生の言われる事に賛成します。と明言する。
岳不群は崋山派では気功派と剣術派が争うと言う悲惨な出来事がある。同門での戦いという悲しい歴史だ。ゆえに五岳剣派でも統合を望む。五岳派が一つの家となり兄弟となれば争いはもう起きないでしょう。
岳不群はさらに令狐冲は破門されてからも崋山派へ戻る事を望んでいた。これでまた同派になれるのだ、と言うのだった。
これを聞いた左冷禅は大満足でほくそえむ。が、不戒和尚は「岳不群に騙されるな」と言い、桃谷六仙も「おかしなことになった」と心配し(桃谷六仙、ホントは凄い頭脳の持ち主?)またまた奇妙なそれでいて筋の通った論理を展開する。定逸師太の復讐をしなければ掌門ではない、それなら令狐冲は掌門でない、掌門でないなら崋山派の言う事を聞くなどということは決められない、それなら合併はしない、と。はっはー、物凄く理路整然。恐れ入りました。
令狐冲は「師父が言われるなら私は師父に従います(やはり令狐冲にとって岳不群は絶対なのだね)でも定逸師太の復讐が」これには岳不群「令狐冲。合併すれば恒山派の事も我が派同然。3年以内にこの岳不群が定逸師太の仇を討つ」
左冷禅「これで五岳派全てが合併に賛同した。今から武林に二度と各剣派の名前が出ることはない。各派の弟子は全て新しい五岳派の弟子になるのだ」

桃谷六仙また出てきて「じゃ五岳剣派の総帥は桃谷六仙に」ここで陸柏むかっ腹をたて「令狐掌門。こいつらを言わせておくのですか」それを聞いて六仙「おい、先刻、各剣派の名前が出ることはない、と言ってたな、令狐冲を掌門と呼んだからには総帥にする、ということだな」これには陸柏も慌ててそんなつもりではなかった、と否定する。
すると今度は(また多分左冷禅の回し者)「最近、五岳剣派は左冷禅が盟主を務めていた。五派を長く統一し、信用も厚い左冷禅は総帥をやるべきだ」と言う者がひょっこり登場。
が、桃谷六仙、負けてはいない。「せっかくの合併だ。古きを捨て新しきを選ぶ。前と一緒じゃ変わりがない。日替わりでまわしたらどうだ」これには皆大笑い。
泰山派が左冷禅を推すつもりで「総帥には才も徳も高い方でないと」と言えば六仙は「では方証大師だ」「少林派は五岳派とは関係ない」「関係ない?少林派も嵩山にあるぞ」
「こういうのはどうだ。剣で決める。まず桃谷六仙と戦って勝ち、冲虚道長、方証大師に勝てばいい」
ここで泰山・新掌門・玉[王幾]子立ち上がり、「相手になってやる」桃谷六仙、玉[王幾]子を担ぎ上げぐるぐる回りだす、と、左冷禅がやおら剣を取りあげて何と見方のはずの玉[王幾]子の脚を叩き斬ってしまった。あまりのことに令狐冲は立ち上がろうとするが、不戒和尚がおしとどめた。六仙も怒って「お前は賄賂の口封じをするつもりか」腹を見透かされ左冷禅も妙なごまかしをつぶやいた「私が切らねば、八つ裂きにされていた」

令狐冲、人混みの中に男装の盈盈の美しい顔を見つけ、思わず立ち上がる。盈盈も微笑むが令狐冲が近寄ろうとしたので慌てて首をふる。それを見て令狐冲もあきらめる。二人の心が通じ合っている美しい場面です。
令狐冲は「最も相応しい人がいます。岳掌門です。他にはいません」桃谷六仙、話し合って「ダメだ、やはり剣で決めよう。武功の高い人が五岳の総帥になるのだ」皆がこれに唱和した(桃谷六仙がみんな決めてしまってるよ。凄いね)
posted by フェイユイ at 22:31| Comment(7) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

笑傲江湖・盈盈と冲児の恋愛講座

またまたまたまた脱線。終わるまで待てない、今夜はインインとチョンアルの恋愛講座。以前もラブストーリーと言う副題で書きましたが、ナンと言っても恋愛は女性にとって最も関心のある事柄ですので何度でも書きたくなってしまいます。
と言ってもお話はほんの少しだけですが。(例によってネタバレ気味になりますのでご注意を)

原作のどこだったか忘れてしまったのですが(なのでドラマはこれからの部分かもしれない)誰かが(おいおい)(岳師父だったかも、だとしたらやはりドラマまだですね)向問天や盈盈を殺そうとするんですが、令狐冲は向問天兄貴を殺させるわけにはいかん、と思うんですね。でも盈盈は死んでもいいと思うんですよ。なぜなら盈盈はもう自分と一心同体だから盈盈が死ぬならすぐ自分も死ぬのだから、と。これはもしかしたら、今の感覚から言ったらずれているのかも知れないんです。恋人と言っても他人なのに生死を勝手に決めちゃいけないんでは、とか。でも私はこの令狐冲の盈盈への愛を信じる強さに震えますね。愛する人の精神を信じきってる言葉ではないでしょうか。きっと盈盈も自分と同じように考えていると。

「射[周鳥]英雄伝」で郭靖が黄蓉と別れねばならなくなった時、「鈍感な自分は耐えていけるけど、繊細な黄蓉は耐えていけない」と郭靖が考えるのですが、この時も自分の悲しみは放っても黄蓉を思いやる郭靖の優しさにぐっときたものです。

この二つのエピソードでどちらが好きか、これも考えちゃいますね。郭靖の方が何だか包んでくれるような暖かさを感じますが、令狐冲の愛はもっと刺激的で官能的ではないでしょうか。それはそのまま、二つのカップルの特徴を現しているように思えます。
つまり家庭的な感じのする郭靖・黄蓉ペアと永遠の恋人のような令狐冲・任盈盈ペアと。

それにしてもこんなどきどきするような恋愛物が書けるなんて、全く金庸という方は凄い人です。





posted by フェイユイ at 19:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 笑傲江湖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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